第162回 (2016年9月)「縁の下の力持ち」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年の夏は本当に暑かったですねぇ。この暑い夏にリオでのオリンピックは選手も大変だなぁ・・・と思いましたが、よく考えるとリオは南半球だから冬でしたね。映像を見ると冬の感じはしませんでしたが、日中の気温は22℃くらいだそうです。リオ・オリンピックでは日本選手の活躍は目覚ましく、様々な種目でメダル獲得がありましたね。中でも個人的に嬉しかったのは卓球でのメダル獲得です。水谷選手は本当に凄い! 過去15試合で一度も勝った事のない許昕選手にオリンピックという大舞台でフルセットの7-10と追い込まれたところから大逆転して勝つなんて、なんという精神力の持ち主でしょう!! 惜しくも男子団体は銀、女子団体は銅でしたが、メダルが取れて良かったですね~。ハイライトを何回も見てしまいましたが、水谷選手と許昕選手の、レシーブを構えた時のおでこのシワが気になってしょうがなかったのは職業病でしょうか・・・^^;)。兎にも角にも感激!です。 さてこの暑い中ですが、美容皮膚科学会が東京で開催されたので参加してきました。東京もやっぱり半端なく暑かったです・・・。今回は新宿の京王プラザホテルで学会があり、宿泊もそこにしたので前日の夕方に品川に着いてそこから山手線に乗り換えたのが大失敗。いつもはもっと東京駅に近いところである学会が多いので、キャリーバッグも持ってるし駅からホテルへはタクシーで移動するんですが、新宿は品川から少し遠いしホテルが駅のそばだったので、電車でいいかと思ったのですが・・・。山手線のラッシュは半端ない事を考えてませんでした。まさしくギュウギュウ詰めで、これ以上乗れる訳ないやん!という状態でもまだ人が乗って来るのです。「イテテテテ!!」バッグは宙に浮いて止まっている状態。もう死ぬかと思いました。ヘトヘトになった上、駅からホテルが思ったより遠くて疲れ果ててしまいました。その日は東京に住んでる高校の同級生が集まってプチ同窓会を開いてくれたんですが、この状況を説明すると「お疲れさんやったね~」とねぎらってくれました。みんな大阪出身なんで、やっぱり初めて東京に来た時はラッシュの凄さに驚いたそうです。たまに帰省して電車に乗ると、大阪のラッシュは肩は触れないしバッグも宙には浮かないので、ガラガラだと思うんだとか。やっぱり関西に住んでて良かった。今はラッシュとは縁遠い生活である事に感謝・・・。 さて学会の方ですが、ニキビの話題が半分以上でシミ・シワ・たるみの話題が若干少なかったのが少し物足りなかったんですが、今回面白かった話題をいくつかご紹介。一つは角層バイオマーカー解析の話です。バイオマーカーっていうのは人の身体の状態を客観的に測定し評価するための指標となる物質の事です。皮膚の角層(皮膚の最外層)にはバイオマーカーとなるいろいろなタンパク質が含まれているのでそれを利用し、テープで角層を剥がして角層に含まれるバイオマーカーの量を測定する事で、皮膚の状態を評価する方法が角層バイオマーカー解析というものです。例えば、DJ-1というタンパク質は酸化ストレスから肌を保護してシミやシワを防ぐもので、角層にDJ-1が多い人は高年齢でもシワが少ないそうです。またMIFというタンパク質が多いとメラノサイトが活性化されてシミのリスクが増えますし、NGALという皮膚の弾力を保つタンパク質は年齢と共に減少し、NGALが少ないとシワのリスクが増えるそうです。それらの角層バイオマーカーを測定し、肌状態を解析してそれに応じたテーラーメイド型美容液を作成する方法が考えられているとの事で、これは当院のオリジナルコスメに応用できるのではないかと思いました。 もう一つはサンスクリーン(日焼け止め)の話題。紫外線による光老化というものは近年かなり知られるようになってきて、シミ・シワの予防には日焼け止めは必須という考えも広まりつつありますが、どれくらいのものをどれくらいの量塗ればいいかという指標ははっきりしていなかったので、それについての討論がありました。結局SPF(何も塗らない時に比べ、日焼けに何倍時間がかかるかを表した数値。日本人が何もつけないで日焼けし始める時間は約20分と言われているので、SPF40の場合、日焼けするのに20分×40倍=800分=約13時間かかる計算)は15~20で十分だが、塗布量が問題で、2mg/cm2=顔・首では1g(1円玉大)、腕で3gは必要だとの事。塗布量が半分になるとSPFも半分に落ちるそうで、お偉い先生方が盛んに塗布量を多くと言われていましたが、通常の日焼け止めは推奨量を塗るとかなりベタベタに なってしまいます。そんなん誰が塗るん? それならSPFの高いものを半量塗ればいいのでは? と思ってしまうのは私だけでしょうか・・・。 このように学会っていうのは研究者の研究発表の場であるので、「科学的な成果」を求められます。観測される事実の考察を積み重ねた上でそこから導き出される結果は論理的な整合性が取れているか・・・が最も重要です。そもそも「見れば分かるじゃん!」っていうような事は研究対象とならない訳で、まだ誰も見た事がない事を「論理を持って推測し仮設を立てる、そしてそれを証明する」という事が求められます。なので上記のように「そんな事したらベタベタで気持ち悪いやん!」っていうような話は企業の製品企画の時に考える事であって、学会発表するような研究者は気にもしません。事実と論理と再現性のみが要なんですね。しかし残念な事に論理的思考能力がこれほど有効であり必要とされるようになったのは、人間の進化の歴史から考えてもごく最近であって、日常の生活は論理だけではどうしようもないし、夢とか感動なんて人の心を擽る事って多くの場合は非論理的な事が多いですね。 最初に書いた卓球のオリンピックですが、もう一つの見どころは見事銅メダルに輝いた女子団体戦でしょう。これがテレビでも注目される最大の理由はなんと言っても福原愛ちゃんが出ているからだと思います。ただ、この福原愛ちゃん・・・って本当に強いの? と言われると結構微妙なんですよね。 小さい頃からテレビに出て、卓球天才少女と呼ばれてはや20数年になります。勿論20年以上も注目され続ける事は万人に一人なので天才と呼んでもおかしくないのですが、私が思うに彼女が注目される最大の理由は「かなりいい線まで行くのにここ一番という時に負けてしまって、泣きべそを見せる」からではないでしょうか? (勿論、その泣きべそに非常に愛嬌があるから人気があるんでしょうね。愛ちゃんの泣きべそを見ると小さな子どもの時から何も変わってない事に妙な安心感を覚え、見ていて優しい気持ちになれるから不思議です。)彼女には非常に申し訳ないんですけど、福原愛が優勝して当たり前の無敵の天才・・・だったらここまで愛されないのではないでしょうか? 必ず、最後一番の大勝負で負けてしまって、あの泣きべそを見せてくれるという事を、みんなどこか期待しているんですよねぇ・・・え? 私だけですか? (今回も団体戦ではしっかり彼女は負けてしまいましたね・・・^^;)銅メダルを取った時の記者会見では「ごめんなさい・・・。足を引っ張ってばかりで。みんなに感謝しています・・・」とまた泣いてました^^;)。 そうなんです。明らかに福原愛ちゃんより他の選手の方が強いと思う事が多いし、今回愛ちゃんがダブルスを組んだ伊藤美誠なんて弱冠15歳であの活躍です。大体15歳とかで世界が注目する晴れ舞台で活躍するなんて、どうなってるんでしょうねぇ。こちとら結婚式のスピーチでも緊張してしまって何喋ったかも思い出せないのに、すごい少女がいるもんです。それに対して福原愛ちゃんは、あれが愛ちゃんでなければ本当に「あんた足引っ張ってたねぇ・・・」って嫌味を言われそうです。でも今回の団体戦ダブルスの試合を見て、私は男子の水谷選手と同じ位感動しちゃいました。だって福原愛ちゃんが見せた、伊藤美誠の力を100%発揮させるリーダーシップはやはりベテランの貫録で、場数を踏んできた包容力の賜物だ!!と思うのです。ずっと伊藤のペースが落ちないように、そしてプレッシャーでやられてしまわないように心のケアをしてあげている姿を見ると、かつての泣きべそ少女が立派な大人の監督になったかのように嬉しくなってしまいました。ダブルスはチームプレーなので、必ずしも自分がファインプレーをしなくても、チームメイトが力を発揮できるようにサポートするという事の方が本当は難しく、それができる人は得難い人材なんだと思うのです。 私も大学時代の卓球部ではダブルスが大好きでした。大会で賞状を取ったのは、シングルスは準優勝と3位の1回ずつしかないんですが、ダブルスは優勝と準優勝が1回ずつと3位が3回あります。もちろんペアの力が大きかった時もありますが、それぞれがシングルスで戦うよりもダブルスを組んだ方が強かった事も多く、大学のチームも個人戦より団体戦の方が強かった記憶があります。チームワークが良かったって事ですかね。チームプレーの方が責任を果たすという役割が大きいですし、みんなで力を合わせて勝つと喜びも倍増するので私は好きでした。私の大学時代は女子の先輩がほぼいなくてダブルスは後輩とばかり組んでいたので、私がほとんど作戦を立て、サーブやレシーブでチャンスボールを作って後輩にスマッシュを決めさせる・・・というようなプレーを中心にしていました。コンビネーションが決まって得点を挙げた時の醍醐味は忘れられません。そんな訳でよけい愛ちゃんのダブルスの縁の下での活躍がよく分かって、嬉しかったんですねぇ。もちろん愛ちゃんと私とでは天と地ほどのレベル差はありますが・・・^^;)。日本人って外国人に比べると自己主張が強くなく、自分より人を立てる人が多いので、団体戦やダブルスに向いてるんじゃないでしょうか。個人戦より団体戦の方が力を発揮できる人が多いような気がします。今回の卓球女子もシングルスではメダルを取れませんでしたが、団体ではメダルを取れましたし、男子も団体の方が成績良かったですよね。 福原愛ちゃんは勝率とかサーブやスマッシュの成功率とか、統計だけ取れば必ずしも名選手と言われないかもしれませんが、チームメイトの力を発揮させるという、どんな理論で証明すればいいか分からない力は、間違いなく彼女はトップクラスなんだな・・・と思いました。しかも普通はスター選手だけが注目されて、リードしたりアシストする選手ってそんなに注目されないじゃないですか。愛ちゃんの場合はアシストしていてもスター選手と同じくらい注目されるので、やっぱり見ていてもこちらも嬉しくなってきます。なんだかありふれた表現しかできませんが、4年に一度の祭典に、「感動をありがとう!」って思った次第です。 私もどう考えても自分がスター選手ではなかったと思いますし、卓球以外でも今までの人生でそんな事は一度もなかったのですが、「人をサポートしてその人が力を発揮できるようにする」事についてはまだこれからも可能性があるように思っています。逆に福原愛ちゃんの試合で「それだって十分に素晴らしい事だよね!」って思えただけでも幸せです。これからもクリニックを通じて皆様のサポートをさせていただき、少しでも皆様の幸せに寄与できたら嬉しく思います。今後共よろしくお願い致します。    

第161回 (2016年8月)「人生のステージ」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年の梅雨は暑かったですね〜。まるで梅雨が明けたのかと思うような日が何日もありましたが、皆様いかがお過ごしでしたか? 私はと言えば・・・この梅雨の時期が誕生日だったんですよね。私の誕生日はほぼ夏至と一緒なので、いつも「こんなに暑くてジメジメした時期に生まれて・・・」って言われます。好きでこんな時期に生まれてきた訳じゃないんですが・・・。さすがにもう誕生日がめでたい年でもなくなってきましたが、食いしん坊の私としては、誕生日は格好のグルメの口実です。誕生日にかこつけて、普段行けないレストランに行ったり、飲み会をしたり・・・。しかしこの年になると、フレンチやイタリアンのフルコースは量的にもしんどくなってきて、レストランに付き合ってくれる人が少なくなってきました。いまだにフレンチやイタリアンレストランに付き合ってくれるのは東京のK氏か、たまに会う整形外科時代の後輩や卓球部の後輩くらい。しかし、誕生日にかこつけて後輩におごってもらう訳にもいかないし、この時期は学会もあまりないので東京に行く機会もありません。昔に比べたら誕生日祝いも減ったな〜とちょっぴり寂しい気もしますが。(それでも何回かはしましたけど。何回したら気済むねん!?) ただ幸いこの時期には卓球部の新歓コンパがあるので、大抵現役の学生達がコンパの時にケーキやお花でお祝いしてくれます。クリニックのスタッフ達もいつもお祝いしてくれるので、若い人達に祝ってもらうのは嬉しいですね。(年とった証拠かな?) まぁそろそろ、誕生日だからと言って、うかれていられない年になってきたのは事実です。当院は美容やアンチエイジングを専門としていますので、医者の不養生ならずとも私自身がこの歳で老けこんでいるようでは患者様への信頼も欠けてしまうので、グルメばかりに走らず自分自身の健康の事も、より良く年を重ねる方法も考えねば・・・と思うようになってきました。健康と言えば、先月のクリニック通信に書きましたが、6月の抗加齢医学会でGoひろみに影響されてから、筋トレとスロージョギングは続けていました。スロージョギングというのは笑顔で話せるぐらいのスピードでのジョギングですが、細切れでもいいというので通勤や休み時間、トイレの移動など、歩くところをできるだけ走るようにしたら少し筋力は付いたような気がして体調も良くなってきたんですが、今度は膝が痛くなってきました。去年も膝が痛くなって診てもらった整形の先生に再度診てもらうと、関節裂隙(大腿骨と脛骨(膝から下の骨)の間の隙間)が去年より少し狭くなってるかも・・・と言われて、がぁ~~~ん! 膝の関節裂隙には軟骨があって、その隙間が狭くなるって事は軟骨が擦り減ってるって事なんですよね。私の母が患っていて、私が整形外科医時代に人工関節置換術を執刀した「変形性膝関節症」の一歩手前という訳です。健康面では母を反面教師にしないといけないので、これはまずい! 先生にスロージョギングをしてるという話をすると、「健康を保つには歩く事が一番です。走るとエネルギーは消費しますが関節に負担がかかるので、速足で歩いてあとは大腿四頭筋(太腿の前面の筋肉)を鍛えた方がいいですねぇ」とアドバイスされました。整形外科も15年も離れるとちょっとカンが鈍ってくるんですね。うむ・・・やっぱりスロージョギングはダメだったか・・・。医者より健康オタクの友人Mに「スロージョギングより早歩きの方がいいよ」って言われてたんですが、また1本取られてしまった・・・。腹筋と背筋は基本なのでそれは続けるとして、スロージョギングは速歩に変更し、四頭筋訓練強化だ!(・・・これって明らかに医者の不養生ですねぇ・・・(^_^;) そんな訳で自分の健康の事をあれこれ考えている時にちょうどタイミング良く営業に来られたのが「フィロルガBRM(Biological Raw Material)」でした。話は脱線するのですが、営業の仕事って本当にタイミングが命だなぁ・・・って思います。私のようなクリニックにも色々なメーカーさんや薬屋さんがあの手この手で売り込みを掛けてくるのですが、大抵は忙しいので電話で話もできないし、アポイントも取れないのできちんと説明を受ける機会もありません。ところが今回のように「ちょうどその事を考えていたタイミングで、たまたま時間のある時に」一本の電話がある・・・という事もあるんですよね。運というものか縁というべきものか分からないですが普段は取り合わない営業電話でも、そんな時は話を聞いてアポイントをお願いする事があります。今回はまさにそんな感じでした。 世の中には「100%Yesと言わせる営業のテクニック」みたいな営業マン向けの本が多数あるのですが、必要のない人にどれだけ話術巧みに言っても効果はなく、必要としている人に必要なタイミングで提案するしか本質的に成功する方法はないと思うんですよね。私の知り合いに保険の営業の方がいます。彼は今は独立して自分の保険代理店を営んでいますが、以前大手外資系保険会社に勤務していた時は何度も関西地区でトップセールスマンとして表彰されていたので、社内では営業のカリスマ的存在だったそうです。そんな事は全く知らず、ある知り合いを通じてこの方を紹介していただいたのですが、最初にお会いした時は雑談ばかりで(またその雑談が面白いのですが・・・)逆に私のクリニックに患者様を何名もご紹介いただきました。彼は一切保険の話をしないので、逆にこちらから「保険はどうすればいいですか?」とお聞きしたところ「今のところ柴田さんには保険は必要ないと思います。必要な時は保険は非常に役に立つのですが、必要ない人には必要ありませんから・・・」と言って一切保険を売ろうとはしませんでした。その後、何度か萬事を相談する中で本当に必要な時にはきちんと説明をしていただき、私も納得して彼から保険を購入しましたが、後からカリスマ営業マンだった・・・と聞いて妙に納得しました。「必要な時に必要な方へ販売する」というのは営業の基本ですが、「必要でない方には販売しない」という事を実行できる人は少ないように思います。実はそれこそが「縁」を大切にする・・・という事なのではないかな・・・と思いました。 さて話は戻るのですが、フィロルガというのはフランスの大手化粧品メーカーで、フィロルガBRM(細胞再生療法)というのはフィロルガ社が開発、生産している胎児臓器療法による活力再生、若返りを目的とした注射です。幼羊の胎児から抽出、精製した成分を注射する事によって皮膚を含む臓器を若返らせる治療方法で、先日の通信で取り上げたスイスのクリニック・ラ・プレリーでの治療法とよく似た方法です。フィロルガBRMは羊の胎児の臓器別に、抽出液が単品では28種類あり、そのうち3種類を組み合わせたものが7パターン、4種類を組み合わせたものが2パターンあります。羊の胎児の臓器から抽出した細胞はヒトでも同じ臓器に集まり、その臓器を若返らせると言われています。そのアンチエイジング効果は絶大だそうで、元気になったとか目が良く見えるようになったとか、更年期障害や精力減退・アレルギーの改善、肌の弾力の回復などに目を見張る効果があるという声をよく聞くのだとか。最近は海外では勿論、日本でも取り入れているクリニックも増えてきて、筋肉注射10回が1クールなんですが、お値段は30万から50万円。かなりお高いですが、クリニック・ラ・プレリーに比べると約1/10のお値段ですよね。それで世界中からセレブが集まるクリニックの治療と同じ効果が得られればお安いかも・・・。しかし、気になるのはその安全性です。クリニック・ラ・プレリーでは、羊も独自の牧場で育て、海綿状脳症や感染症の心配は一切なく、滅菌や品質管理も完璧だと言い切っていましたが、こちらはどうなのか? 営業マンに突っ込むと残念ながら彼自身はほとんど答えられず、メーカーに確認するとの事。安全性に問題がなければ試してみようと思っていますので、皆様乞うご期待です! もう一つ、この営業マンに提案してもらったものではないのですが、気になるアイテムをもう一つご紹介。その名もラシャス・リップス。1回塗るだけで唇がぷっくりして若々しくなり、乾燥もなくなってプルプルになるので、女医が買い占めて患者様まで行き渡らない・・・という噂のリップ。色付と透明があり、透明のものを広めに塗ると、唇の上のシワまで伸びるのだとか。ペプチドやコラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミンや植物エキスが入っていて、「使用後数分で、唇をふっくらさせる効果が最大で80%増加し、その効果が最長4時間持続します。保湿効果は最長24時間持続し、極度に乾燥し荒れた唇でも、和らいだ心地よい感覚が続きます」という謳い文句。最初は学会のブースで見つけて塗ってみたんですが、「低刺激性・唇をボリュームアップさせる製品の中で唯一、刺激や刺すような感覚がありません」という謳い文句はウソでした。めっちゃピリピリするやん!「ほんまにふっくらするんかな?」半信半疑でしたが、翌日は確かに唇の乾燥がなくなっていたので、みんなで試してみようと取り寄せてみました。 大人気で欠品続出という話で届くのに随分かかりましたが、届いた時はちょうど唇がガサガサだったので、写真を撮ってから塗ってみると、翌日には唇のガサガサがいっぺんに治ってしまったではないか!! しかもホントにぷるぷるです。叶姉妹のお姉さんで叶恭子さんっていますよね。彼女の唇ってやり過ぎじゃないかな・・・って言うほどふっくらしてますが、そこまではいかなくても結構近いものがあります。そういう意味では効果テキメン! う・・・ん、でもこれちょっと効き過ぎちゃう?? ステロイド塗ってもなかなか治れへんかったガサガサがいっぺんに治るなんて、なんかややこしいもん入ってるんちゃうん?? 疑い深い私はまたもや営業君を突っ込んでしまいました。全成分を見ると、訳の分からん成分がいくつか入っています。それも聞いたけど営業君に分かるはずもなく、メーカーに確認します、と・・・。これも安全性を確認しないとね。大丈夫そうならしばらく使ってみて、また結果をご報告しますね。 「必要としている人に必要としているタイミングで」提案する事って、「縁」が関係するのでなかなか難しいですよね。先にご紹介したフィロルガBRMというのも幼羊の胎児から抽出する生物製剤なのですが、当院ではプラセンタという人気ナンバーワンの生物製剤があります。お値段もプラセンタの方がずっとお安くなっていますので、おそらく私の一番のお勧めはこれからもプラセンタだとは思います。しかし、どのような薬剤でも「人によって合う合わない」という問題がありますし、「料金は高くても更に効果の高いもの」を望まれる方もおられます。そして生物製剤のまだ科学的に解明されていない不思議な点として「ある人がある人生のステージで使用すると劇的な効果を出す事がある」という事です。巷の漢方製剤薬局に行くと「スッポンパワー」とか「まむしドリンク」などを見かける事があると思いますが、これもある種の生物製剤なんですよね。科学的にまだ証明はされてないのですが、ある種の人がある年齢になってこの手のドリンクを飲むと明らかに効果があるのだが、そのステージにない人には全く効かない・・・という事があります。一般的な傾向としてはある年齢に達するとか、加齢と共にある身体の機能が不全になる事によって、ちょうどその機能不全を補う事ができる場合に「劇的に効く」と感じるようです。つまり健康で若々しい人には生物製剤は効きにくいとも言えます。(あくまでも一般的な傾向ではありますが・・・ただ、普通は高校生がまむしドリンク飲んだりしないですよね・・・)そういう意味ではこの手の薬剤が「効く」のは人生のステージにおいて「縁」が必要だとも言えると思います。 私感ですが、これってある種、「超高級ワイン」に近いものではないかとも思うのです。一本何万円、何十万円もするワインってその値段を払っても満足する為には、そのワインそのものが美味しいというだけでなく、それを一緒に飲む仲間、一緒に味わう料理、そしてその時のシチュエーションなど、すべての要素が揃わないと「価値」を見いだせないのではないかと思うんです。貧乏性の私は何十万円もするワインなどはまだ自分で開けて飲んだ事はないんですが、もしかすると人生のどこかのステージで「本当に頑張った自分へのご褒美」として一生に一度は味わう機会に恵まれるかもしれません。通常の生活で何十万円もするワインが必要だとは思わないのですが、本当にそれを必要とする時にそれが無いというのもなんだか寂しい気もします。人の人生には色々なステージがありますので、「それを必要とするタイミングで、その価値を味わうに見合う人」がその種の高級品を入手する事ができないのも人生としてはある種寂しいものではないかと思ってしまいます。そういう意味では、広い年齢層の皆様に広く効果をもたらすという意味でプラセンタは非常に良いのですが、一定の年齢に達してそのステージに来た人には「フィロルガBRM」のようなものが必要になるかもしれず、こればかりは「縁」としか言いようがないと思います。人生を一生懸命頑張って来て、一定のステージに立った方が自分へのご褒美にちょっと高価ではありますが、本当に必要とするものを消費する・・・っていう事もあってもいいと思うのです。今の時代、平和な日本でのアンチエイジングの一つのあり方かな・・・とも思います。より健康に、より美しく・・・年齢に負けないように頑張りつつ、皆様のお役に立てて支持されるように頑張って、より良く年は取りたいものだと思う今日この頃です。   

第160回 (2016年7月)「明日に向かってGo!」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。月日が経つのは早いもので、この前まで年末とかお正月と思っていたのに、もう梅雨の季節です。2016年も半分が過ぎてしまうんですね。こりゃ・・・年を取るのも早くなるもんだ・・・(^_^)。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 寄る年波には勝てぬものの、少しでも良い年の取り方をしたいものだと個人的に思うところもあり、先日横浜で開催された抗加齢医学会に参加してきました。春から秋までは毎月のように学会があるので、皆様にはご迷惑をおかけしてしまいますが、最先端の情報収集のためですのでお許しくださいませ。抗加齢医学会というのは美容だけではなく健康長寿を追求する学会なので、各科の医師から管理栄養士や企業の研究者などが集まってすごい人数になります。寿命が長くなった分だけ、生きている間は若々しくいたいと思う人が増えたという事でしょうか・・・。会場も広く、講演も展示もいろいろな分野のものがあるので、あちこち回るのは疲れますが、とても面白い学会です。 今回の講演の中で最初に興味を引かれたのは「水素水」。ちょっと前に大流行したのでご存知の方も多いと思います。実はうちの姉が母の入院中からはまっていて、「すごく体にいいから水素水を飲んだり、それを使ってマッサージしたらいいよ!」と必死で勧めていました。(うちの姉は私と真逆で論理派から縁遠い正真正銘の感覚派なので、そういう民間療法のようなものに感化されやすく、すぐにはまってしまうのです。過去においても何度その手の怪しげなものにはまっていた事か・・・。)一方で私の方は理論的な根拠がないと信じられないタイプなので、いくら調べても体に良い理由や作用機序が不明な水素水については「も~、また訳の分からん民間療法にはまって・・・」と半分呆れていました。そのような絶対に眉唾だと思っていた水素水が、なんと今回の学会のシンポジウムのテーマになっているではないですか・・・。これはどんな発表がされるのか興味津々でした。 水素ガスや水素水についてのシンポジウムやセミナーを聞くと、最近では水素水の効果や作用機序も少しずつ科学的に解明されてきているようです。水素には抗酸化作用や抗炎症・抗アレルギー作用、代謝促進作用などがあり、活性酸素の連鎖反応が起こっている時のみに作用するため、病的な部位のみに反応するので副作用がないのだとか。動物実験で効果が確認されただけでなく、実際に慶応大学では心筋梗塞の患者さんに水素ガスを吸入させる臨床試験が開始されたそうです。順天堂大学でもパーキンソン病の患者さんに1年間水素水を飲ませる臨床試験をしたところ、水素水を飲ませたグループでは症状が改善し、通常の水を飲ませたグループでは症状が悪化して両者の間に有意差(統計学的に客観的な差=偶然とは考えにくい差)が出たそうな。講演されていた順天堂大学の先生までも「最初は眉唾だと思ってたんで、有意差が出るとは思ってませんでした」と言われていましたが・・・。ただ、科学的な研究はまだ始まったばかりって感じなので、これからの行方を見守らないといけませんね。昔確か「アルカリイオン水」と呼ばれて水道の蛇口につけて水をイオン化させる器械がテレビ通販なんかで大流行した事があったのですが、その効果には疑問を持つ医師や学者も多かったようで廃れてしまいました。しかしアルカリイオン水と同じ製法なのに「水素水」という名称で売っているものもあるらしいので、注意が必要という事です。同じ頃に流行った「ぶら下がり健康器」とか「ルームランナー」「スタイリースタイリー」なんかも、そりゃきちんと毎日続ければ一定の効果はあるはずなんだけど、これだけ流行り廃りに影響されるって事は「効果」よりも「継続」できるかどうかの方が大切なんでしょうね。 「ルームランナー」を思い出したからという訳ではありませんが、その次に興味を引かれたのはいろいろな運動療法の講演。「楽しく痩せる、楽して痩せるを科学する」と題されると興味が湧きますよね。笑顔で話せるスピードでのスロージョギングやストレッチ、加圧トレーニングなど効率よく筋力をつける運動療法が紹介されていたので、加圧バンドを巻いてストレッチやスロージョギングをしたら一番効率的かも?なんて考えてしまいました。歩く速度が速い人は寿命が長く、腹筋よりも背筋が重要だというのはよく知られた事実です。その他には、やはりサプリメントの話題が盛りだくさん。レスベラトロールがコラーゲンを増やすとか、メロンから抽出した新しいサプリメントなど・・・。腸内細菌が健康と美容にも関わるという事で新しいサプリメントも出ていました。(今年こそ新しいサプリメントを導入するぞ!)全体としては健康長寿には栄養と運動、幸せ気分と見た目の若さは欠かせない・・・という事でした。 最近は腸内細菌の活動と「心の病気」の関係が深い事が証明されてきています。ある研究ではうつ病になる人の7割から8割に腸内細菌のバランス異常が見られると言われています。腸内細菌のバランスが崩れるとなぜうつ病になりやすいかと言うと、心の問題は近年では体の中で分泌されるホルモンや科学的な物質に影響されているという事が分かってきたからです。昔私達が子供の頃って「うつ病」なんて聞いたことなかったと思いませんか? その頃は今で言う「うつ病っぽい子」は単純に「根性なし」とか「怠け癖のある奴」と言われていて、「病気」とは認定されませんでした。ところがこのような人達に欠落している化学物質を体内に入れる事で(いわゆる投薬ですね)症状が改善される事が分かり、「性格」とか「怠け癖」ましては「根性なし」などではなく、一種のホルモン分泌障害であるという事が証明されてきました。そしてこれらのホルモンの多くは腸内細菌の助けを借りて腸内で生成されている事から、腸内細菌のバランスが崩れると深刻な時は「うつ病」などを引き起こすという訳なのです。サプリメントと言うと何か足りない物質を補うというイメージが強いのですが、飽食と言われている現代の日本で、本当に栄養が足りないという人はほとんどいないと思われます。むしろ腸内細菌のバランスが崩れる事で体に変調をきたし、必要なホルモンの分泌に影響が及び、更には心にまで問題が派生すると言われているので、腸内細菌のバランスを整える事はこれから大きな関心事となると思います。 ただ偉そうな事を言っていますが、私も毎年この学会に参加すると、運動と栄養も大事だなと思って運動してみたりサプリメントを試してみたりするんですが、なかなか長続きしないんですよね~。去年もビタミンDとカルシウムの講演を聴いてしばらく青汁牛乳にはまってたんですが、いつの間にか飲まなくなりましたし、忙しくなると運動もおろそかになってしまいました。「言うは易く行うは難し」ですよねぇ。でも今年の学会では、ちょっと頑張ってそういう事を続けようと思わせるような企画がありました。それは・・・会長特別企画、「Goひろみアンチエイジングコンサート」! 皆様おなじみの「Go~ひろみです」が登場!(・・・って言っても70年代のアイドルなんでお若い方には馴染みないんでしょうけどねぇ・・・(^_^;)実は8年前の美容外科学会でも、懇親会でGoひろみのコンサートがあったんですよね。(詳しくは2008年12月号のクリニック通信をご覧ください。)Goひろみと言えばご存知、高須クリニックのイメージキャラクターを務められており、高須院長とは懇意のようです。前回の美容外科学会は高須クリニックの院長が事実上のボスを務めている学会なんで、恐らくですが彼の鶴の一声でGoひろみが会場に呼ばれたのだと思います。ただその時は今回の学会に比べて参加人数も少なかったのでわりと近くで見れたのですが、今回は何倍もの参加者で会場も広く、前の席を取ろうと1時間前から長蛇の列だったので並ぶのを諦めてしまったため、遠くの方からしか見る事ができませんでした。(・・・って結局、かなり私もミーハーだったりするのですが・・・(^_^;)。何しに学会に行ってるのやら。) それでも遠くから見ても、Goひろみのスタイルと切れのいいダンスはすごい!! 8年前と変わらず・・・いや、8年前よりも磨きがかかって良くなってたかも。彼が登壇するや開口一番、「皆さぁん!! 言わなくてもお分かりかと思いますが・・・、Go~ひろみです・・・Go!!Go!!!」(紙面では伝えるのは難しいのですが、このGoGoのところの正確な発音はグォウ!グォウ!・・・です。・・・言わなくてもお分かりかと思いますが・・・。)会場はおじさま方の大歓声。8年前、Goひろみは観客がお医者さんばかりだと思っていたらしいのですが、高須クリニック院長主催の美容外科学会だけに同伴OKでドクターの奥様方が詰めかけ、更には看護師なのか女医なのか?どう見ても夜の職業としか見えない派手な医療関係の女性も多数詰めかけて、おばさま方の黄色い声援が飛んでヤンヤ、ヤンヤの大喝采でした。そんな状況になるとはつゆ知らずバラードを中心に選曲していたので、会場の雰囲気にちょっと合わないところもありました。彼もそこは学習したようで、今回は派手な照明にアップテンポの曲で初めからバンバン飛ばしまくりです。ただ、今回は同伴OKではなく学会会員ばかりだったので男性医師が多く、しかも年齢層が高い。それには彼もちょっと意外だったようで、「こんなに男性の多い客席を見るのは初めてです」「皆さんほんとにマナーがいいですよねぇ・・・」そう感心しつつ、次々と昔懐かしい曲をテンポ良く踊りながら披露してくれました。 しかし、Goひろみはどうしてそんなに若いままなの?と思っていると、トークによると61歳になった今でも週に3回はジムでトレーニングし、その合間に走っているそうです。(はぁ・・・あの「君たち女の子」を歌っていた美少年が今や61歳ですかぁ・・・。そりゃ誰だって年取るよねぇ。)まぁアンチエイジングには適切な運動は不可欠なんだな~って思いますね。そしてもう一つの若さの秘訣は、やはり気持ちを若く持ち、いつも前向きでいる事らしい。彼はいつもこれからが人生で一番いい時だと思っていて、そうするためには一番好きな事をやめたら他に何かできるんじゃないかと思って、ワインセラーを持ってるくらいワイン好きなのにお酒をやめたそうです。私の周りではお酒の飲み過ぎで肝硬変になって死にかけてからようやくやめた人なんかはいても、Goひろみのようなポジティブな考え方でお酒をやめた人なんて一人もいません。私の知り合いのお父さんは45歳という若さで亡くなったんですが、医者や周りの人が何度注意してもお酒をやめられず、最後は食道癌になりお酒を飲めなくなったので家族も安心していたら、ある時点滴をしているはずの本人が見当たらず、皆で手分けして探したところ近所の馴染みのスナックでウイスキーを点滴のバックに入れ、直接血管に注入して程よく酔っ払っていたのだとか・・・。勿論、力づくでそこから連れ戻されたのは言うまでもありませんが、そこのスナックのママも、匂いを嗅ぐだけだと言われて出したウイスキーをおもむろに点滴バックに慣れた手つきで入れ始めたのを見て、「へぇ・・・こういう飲み方もあるのねぇ・・・」って感心したんだとか。まぁ・・・どっちもどっちですが、世の中すごい人がいるもんです。勿論、皆様は真似しないでくださいね。そんな事したら本当に死ぬと思います・・・(^_^;)。 話が脱線しましたが、Goひろみは何かもっと自分の人生でやれる事があるんじゃないかと思って、自分の人生の時間配分を見直した結果、お酒をやめる事で必要な時間を確保できると思った・・・って事なんですね。こちらもすごい人がいるもんだ・・・と感心してしまいます。私はそこまでストイックにはなれないけど、せめて運動くらいは見習って少しはしないとなぁ・・・と思い、学会が終わってからは少しずつ運動を続けています。(今度こそ3日坊主にならないようにしないと・・・。)それと今回は近くで見れなかったけど、やっぱり見かけの若さは重要ですよね。それは高須クリニックのお蔭かもしれませんが・・・(^_^)。見た目が若い人は寿命も延びるそうです。私も皆様の寿命を延ばすお手伝いができるよう、さらに切磋琢磨しなければと心を新たにしたのでした。私達も彼を見習って、明日に向かってGo!Go!   

第159回 (2016年6月)「美人は本当に得するの?」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。新緑が綺麗な季節になってきましたね。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私は先日、東京で開催された美容外科学会に参加してきました。美容外科学会なので手術の講演が多かったのですが、やはり最近は手術よりダウンタイムの短い治療が好まれるようで、糸によるリフトアップや注射による治療の講演もたくさんありました。ライブサ―ジェリーと言って実際に治療している場面を中継したり、顔面の解剖をビデオで映したりという講演もあり、なかなか勉強になりました。リフトアップは手術だけでは難しい部位もあり、最近では皮膚を引き上げる糸(いわゆるスレッドリフトってやつです)と組み合わせたりもするようです。よく患者さんがフェイスラインなどを手で引っ張って「たるみがなくなってこうなりませんか?」と言われるんですが、手で引っ張るようにはなかなか手術でも難しいんです。引っ張って上に余った皮膚はどうするの? 消えてなくなったりはしないんですよねぇ。手ではいろいろな方向に引っ張って一時的にそこだけのたるみをなくす事は可能ですが、他の部位にしわ寄せが来ないように引っ張る事も、それを保つ事も、手術でも糸でも至難の業なんです。でもそういう患者さんの要望に少しでも応えようと試行錯誤している先生もおられ、糸も最近は進化してきて早く溶けて引き締め効果があるものも出てきたようです。以前は糸でのリフトアップは溶けない糸で異物反応(炎症や感染など)が出たり、引きつれが起こったり、糸の端が何ヶ月か後に皮膚を突き抜けて出てきたりする副作用の報告も多く、引っ張っても皮膚は若返らないし戻りも早い・・・とあまり学会での評判は良くなかったんですが、時代の流れと共に糸も技術も進歩するもんですね。 まぁ・・・ともあれ女性の顔を「確実に」美しくする方法が確立されれば人類の歴史始まって以来の快挙で、開発者は大金持ちになる事間違いなしでしょう。「顔は女の命」と昔から言われますが、女性の美しさに対する執念(特に顔に)は凄いものがあります。それもそのはず、あまり大きな声では言えませんが、美しい女性とブスの女性では生涯の経済格差は3600万円にものぼると推定する研究があるくらいですから・・・。え!? 何? 聞き捨てならない話だって? そりゃそうですよね。私だって「美人の方が得してるよねぇ・・・」というくらいの感覚は持っていますが、「金額にすると3600万円も得するって、そんなに格差ないでしょ。そんなの格差じゃなくて殆ど差別じゃない?」って思います。でも逆に言うと美人になりたいという人がこれだけ多いので、その方々が相応の金額を払ってくれる事で、健康保険の効かない美容業界で美顔にはこれだけの研究がしのぎを削っていける事実も理解しています。この3600万円ってどこから出てきたのかと言うと、最近読んだ「言ってはいけない-残酷すぎる真実-(著者:橘玲)」という本の中で紹介されているのですが、ちょっと面白い話なので紹介します。(でも他の人には言わない方がいいです。殴られるかもしれませんから・・・^^;) これは経済学者ダニエル・ハマーメッシュという人の研究なのですが、統計の実際の取り方は長くなるので省くとして、美貌を5段階で評価し、平均を3とした場合に、平均より上(4または5)と評価された人は平均(3の人)より8%収入が多かった。それに対して平均より下(2もしくは1)と評価された女性は平均より4%収入が少なかった。経済学ではこれを美人は8%のプレミアムを享受し、ブスは4%のペナルティを払っていると言う。まぁ・・・その程度であればそれなりに納得できる数字のように思いますよね? ところがこれを生涯賃金に当てはめると大卒者の生涯賃金は3億円と言われているので、美貌による生涯収入の格差は3600万円にもなっちゃうんです。ひょえ・・・! それは聞き捨てならん!(ただこれってアメリカの研究だからだと思います。ちょっとネットで調べると日本では大卒者の平均生涯賃金は2億5000万円だそうです。なので、美人-ブス格差は日本では3000万円程度になるんじゃないかな。・・・って言っても、3000万円だって十分に多いぞ!)ただ、この話は「美人で得するのって若い時だけでしょ。結婚相手見つけたり就職したり、若い時にはそれなりに美人が得するかもしれないけど、それが一生続く訳じゃないし、年取ればそんな収入格差ないよ! 年取れば一緒だって!」って反論する方もおられますよね。最初私もそう思いました。しかしこのハーマンさんはそんな事もちゃんと考察に入れていて、若い時に見つけたいい男から得られる見返りは生涯に渡り続く可能性が高いって言ってるんですよね。例えば弁護士で言えば若い時は美人もブスもむしろ収入格差はそれ程ないが、美人弁護士は若い頃に裕福なクライアントをゲットできる可能性が高く、年を取るにつれてそのクライアントの違いから収入は開いて行く一方なんだそうです。 う・・・む。認めたくはないが確かにそのような事例は周りにもあるなぁ・・・。まさにこの著書のタイトル通り「言ってはいけない・・・」って事なんでしょうけど、この事実が広く知れ渡っているのがお隣の国韓国でして、若い頃の美容整形は日本の比ではないくらい一般的になっているようです。韓国では明らかに「美人の方が経済的に得するので若い時(特に就職前など)に美容外科に行く」という考えが広まっているみたいです。一方で、教育による生涯収入格差は日本では広く知られているところで、大学卒と高校卒の平均生涯年収の違いは約6000万円だそうです。だから世の中のお母様方は教育ママゴンとなって有名大学にご子息を入れようと奮闘する訳ですが、実は投資として考えると教育にお金をかけるのは十分に割が合う訳です。だって6000万円も差が出る訳ですから、塾や大学の学費なんて安いもんですよね? ん? ちょっと待てよ・・・じゃ、美人とブスの格差である3000万円を考えれば、美容外科に支払う金額なんて全然大したことないじゃん!! もしブス高卒と美人大卒の生涯格差を計算すると、一体どんだけになるの? まあ・・・あんまりこの話題を続けるのは色々なところで問題になりそうなんで、そろそろやめておかねば・・・と思いますが。(ホントに殴ってくる人がいそうだな・・・^^;)。ただ殴られる前にちょっとだけ私の持論を書かせてもらえば、大卒者の生涯収入が多いのは「大学に行った結果」ではなく、そもそも論理的思考能力が高く、あらゆる競争で勝ち抜くアグレッシブなタイプの人は生涯収入が多くなる傾向にあり、たまたまそんな傾向の人が大学に行く機会が多い・・・って事だと思います。じゃ・・・美人とブスの格差はどうなの? 生涯収入が多くなる能力のある人が美人である傾向が強い? う・・・む。それは違う気がするなぁ・・・。やっぱりこの話はしない方が良さそうです。) そろそろ話を本題の美容外科学会に戻しますね・・・。糸のライブサ―ジェリーを実際にされていたのは、去年私が潜入調査したDr.SクリニックのS先生でした。食いしばり治療でこめかみに打ったボトックスで右眉が下がった後に一生懸命修正方法を考えてくれた、今まで私が潜入調査した中では一番真面目で親切だった先生です。長年形成外科の勤務医をされていた正統派の先生で、手術も上手と定評のあるS先生。そのS先生が、実際にクリニックでスレッドリフトの施術を中継しながら会場からの質問にも答えてくれるという企画でした。多くの美容ドクターが極秘にしたがる自分の技術を惜しみなく公表し、手術のコツまで教えてくれるなんて、なんていい先生なんだ! 学会からの謝礼なんてそう多くはないと思うんですが・・・。糸を入れるデザインから麻酔方法、糸の刺入方法などを実際に施術しながら解説してくれ、リアルタイムで会場からの質問にも答えてくれます。学会では有名な先生が次々と質問していましたが、印象的だった質問は・・・「先生は上手だからいいけど、僕とか若い先生がやって、糸が皮膚を突き抜けて出ちゃっても抜けるんですか?」S先生は「う~ん、突き抜けたことはないんで分からないんですけど、多分抜けると思いますよ」と答えていました。なるほど。S先生は有名な先生たちの間でも飛び抜けて手術が上手いようだ。手術ってセンスですからねぇ。つまり、S先生がいくら技術を披露してくれても、真似できる先生は極少数だって事ですね。やっぱり手術や糸は、センスのある先生にしてもらわないとなかなか上手くはいかないようです。まぁ、注射だってそうですが。(でも自称?ヒアルロン酸注入の権威で田村正和風のT先生は「なんで自分の技術を教えなきゃなんねえんだよ・・・」って言ってましたけど。・・・やっぱりS先生はいい人だ。) 翌日もS先生は手術と糸の組み合わせ治療の発表をされて、糸の引き上げ力は手術には到底かなわないけど、最近はダウンタイムの少ない治療が求められるので、できるだけ小さな切開での手術と糸を組み合わせたり、糸も極力ダウンタイムを少なくして、その代わり年に1回くらいメンテナンスするようにしていると言われてました。そんなに手術が上手な先生でも、時代の流れに沿った治療に変えていかれるのはさすがだなと思いました。それだけ患者さんの要望に応えようとされてるんですよね。私も見習わないと・・・。美容外科学会の会場は狭かったので、S先生と何度も近くで出くわしてしまい、「あれ? どこかで見た顔だなぁ・・・」というような顔をされました。やばい! 潜入調査がバレたかも・・・。「その節はお世話になりました」とお礼を言いたい気もしたんですが、潜入調査なので当然偽名を使って行ったし、その時も「もしかしてドクター?」と聞かれてびびり、何とかごまかしたので何と言っていいか分からなくて、そそくさとその場を立ち去ってしまいました。本当は挨拶でもして、いろいろお話できたらな~と思ったんですが・・・。次回会った時には挨拶してみようかな。(^^)

第158回 (2016年5月)「セレブ達への誘惑」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。やっと春らしい気候になりましたね。皆様お花見には行かれましたか? 私はと言えば・・・この春は久しぶりに海外の学会に行く計画を立てました。去年は母が亡くなったり父が入院したり、いろいろあって海外には行けなかったし・・・。また以前このクリニック通信にも書きましたが、2013年にモナコの学会に同行した韓流B君が徴兵で2年間帰国してたんですが、兵役が終わったらまた神戸に戻って来てクリニックにバイトに来ると約束してくれたので、私も戻って来てくれたら海外の学会にまた行こうと約束しました。それからあっという間に月日が流れて早2年。韓流B君は兵役を終えて約束通りクリニックに戻って来てくれました。そこで私も約束を果たさねば・・・と、海外の学会計画を立て始めたのであります。2013年はモナコの学会は初めてだったので、いろいろ失敗もしました。2014年は大学の後輩Y君を連れて行ってリベンジしたので、今回はちょっと趣向を変えようかなと思い、モナコに行く途中にスイスにあるアンチエイジングの最高峰と言われるクリニック・ラ・プレリーに寄ってみようかなと思いつきました。去年東京のクリニックに潜入調査に行った時に、ラ・プレリーで開発されたという治療法を見つけて試してみたので、今度は本場で試してみようと考えた次第です。 クリニック・ラ・プレリーというのは、スイスのレマン湖畔にあるアンチエイジングのクリニックで、黒羊の胎児の肝臓の細胞抽出液を使った治療で有名です。簡単に言うと、オーベルジュが最高の食事をするために宿泊施設を兼ね備えた郊外型レストランとすれば、このラ・プレリーは最高のアンチエイジング治療を受けてもらうために宿泊施設を兼ね備えた郊外型クリニックというところです。実は私もオーベルジュのような、ゆったり宿泊してもらってアンチエイジング治療を体験していただけるようなブティックホテルスタイルのクリニックを作る事に密かな憧れを持っているので、このような施設は気になっていました。ラ・プレリーは1953年に瀕死のローマ法王がその治療で元気になった事から、一気に人気が出たそうです。(ただそういう情報はマスコミ受けするものの、私には反って信憑性を欠いてしまいますが・・・。^^;)知る人ぞ知るって感じですが、なんと日本にもエージェントオフィスがあるようです。そこで早速問い合わせてみました。ネットではそのクリニックの見学ツアーに参加した人のブログがあったので、1泊か2泊で、見学と話を聞いて良さそうならお試し治療なんかができたらいいな・・・と思ってたんですが、その考えは甘かったようです。エージェントからの返信は「原則としては日曜日から土曜日の6泊7日がリバイタリゼーション(細胞活性化治療)プログラムになっています。お部屋が空いていればウイークエンドパケージ(金、土)もありますが、あくまで6泊滞在プログラムのお客様を優先にしております。予約状況を調べながらご希望の日の2泊が可能か問い合わせ中です。ただ、せっかくスイスに行かれるのなら1週間の滞在をお勧めします。滞在中はメディカルチェック・活性化療法、スパのトリートメントも含まれていますが、自由時間もあり、クリニックをベースにモントルー、ジュネーブなどの町を観光する時間もございます。また、リバイタリゼーション療法を唯一受ける事ができるのはクリニック・ラ・プレリーだけです。ご検討いただければ幸いです。」 ・・・なんと、基本1週間も滞在しないといけないのか・・・。さ、さすがヨーロッパセレブの御用達だけあるな・・・。しかし後日、部屋が空いていて2日間の滞在が可能だという連絡が来たのですが、料金が1泊1530スイスフラン、同室者は700スイスフランだと。ええ!? 1スイスフランが約113円なので、1泊17万円、2人だと25万円以上するではないか! これではぼったくりの(!?)モナコの高級ホテルより高い! 食事は3食含まれているそうですが、治療しなくても2泊で50万円か~。妄想の中でスイスの郊外でゆったりアンチエイジングの気分になってたんですが、さすがにこれはにわかセレブの私にはびっくりの値段です。うむ・・・。こうなると学会のついでにちょっと、という感じではないなぁ・・・。今回は諦めて、資料を送ってもらうだけにするか。・・・といきなり学会に行く前にカウンターパンチで現実に引き戻されてしまいました。クリニック・ラ・プレリーの話は以前東京のK氏からも聞いた事があり、この問い合わせの前にも相談したので結果を報告すると、「それはやっぱり、もっと年とって金と暇ができてからの方が良さそうですねぇ。(年をとっただけではそんな金と暇の両方を手に入れる事ができる人は少ないと思うが・・・さらりと言ってのけるのがさすがK氏だな・・・)今年はプロヴァンスにでも行かれたらどうですか?」と提案されました。プ・・・プロヴァンスかぁ・・・。なんか良く分からないけどロンドンやパリと言ったミーハー志向でもなく、ロサンゼルスのようなありふれた感もない・・・あんまり周りの人が行った事がないというレア感といい、プロヴァンスという響きはイスタンブールほどのエキゾチック感はないものの、確実にセレブっぽいではないか・・・。小さい頃の記憶でクイズ・タイムショックで全問正解した回答者にハワイ旅行の目録とハワイアン・レイをパンナムのスチュワーデスさんがかけてたシーンがをよぎります・・・(って古い? 分からない人は無視してもらって結構です・・・^_^) ここでまた天使達が私をセレブへの世界へ誘惑すべく魔の手を差し延べてきました。 K氏は毎年1か月ほどプロヴァンスに滞在するという大のプロヴァンス好き。K氏からプロヴァンスの話を聞いたり雑誌で写真を見たりする度に、いつか行きたいなぁとは思ってたんですが、学会の開催されるモナコからはかなり遠そうだったので、なかなか行けないと思っていました。 K氏:「そんなの、すぐですよ。マルセイユから車だと1時間ぐらいじゃないかな」柴田:「ええ?! そんなに近いんですか?」地図ではもっと遠そうなんですが、毎年行ってるK氏がそう言うならそんなに遠くないのかも・・・。と、K氏に乗せられてプロヴァンス行を計画してしまいました。しかし今年はクリニックでいろいろ問題が起きたりスタッフも入れ替わったりしてバタバタしたので、学会準備になかなか時間が取れず、気が付いたら飛行機もいっぱいでマルセイユに着いてニースから帰る便が見つかりません。仕方なくニース発着便を取って、移動の方法を考えました。ニースと言えば2013年にモナコに行った時に世界最高峰のスパで知り合ったエステティシャンのTさんが住んでいます。Tさんの甥っ子の神大生M君がクリニックにバイトに来てくれた事は以前のクリニック通信でも書きましたが、2014年にモナコに行った際にもTさんにお世話になったり、Tさんが日本に帰国された時はM君と3人で食事に行ったりし、M君は大学院を卒業するこの3月までバイトに来てくれていたので、またTさんに連絡を取っていろいろ情報を教えてもらいました。すると、どうもやはりプロヴァンスはニースからはかなり遠そうで、K氏が言うほど移動は簡単ではなさそうです。ニースからプロヴァンスに案内してくれるツアー会社も少なくて高く、1日10万円近くかかってしまうし、2年前にお世話になったちょっと頼りないけど個人で安く案内してくれるEさんもちょうどその時期は日本に帰るとの事で不在。結局プロヴァンスの案内はK氏の知り合いでプロヴァンス在住のYさんに頼み、ニースからプロヴァンスには韓流B君に行き方を調べてもらったりYさんやTさんに聞いたりして自力で行く事にしました。 出発前はさらに忙しく、2年前の学会前よりもひどい風邪が2ヵ月近く治らないまま、またもや熱と咳に悩まされつつプラセンタ注射を持参で出発する事に。そして今回は移動距離が長くて大変でした。K氏は15年以上毎年1ヵ月もプロヴァンスに滞在されてるので、地元のようにレンタカーで楽々移動されるらしく「B君にレンタカーを運転してもらえばいいんですよ」と軽く言われていましたが、B君は何年も運転してないので危険だと・・・。そこでニース空港から電車の駅までバスで行って電車でプロヴァンスに向かおうとしたら、バスが出たとこで20分待ち。仕方ないので駅までタクシーで行こうという事になり、バスの切符を払い戻してもらおうとしたらできないと言われ、そうこうしてるうちにバスが来て、駅まで行ったら自動販売機での切符の買い方が分からない。仕方なく緑の窓口(のようなところ)に行ってやっと切符を買い、どのホームかも分からないので人に聞きまくってやっと電車に乗りましたが、そこから電車で2時間半。1泊目のホテルは写真ではすごく素敵だったんですがめちゃ田舎らしく、駅にタクシー乗り場がなくてホテルからタクシーを呼ばないといけないらしい。ホテルに電話してタクシーを呼んでもらい、駅に着いたら本当に田舎の駅でタクシーはおろか、駅員もいない・・・。タクシーがちゃんと待ってくれてたので良かったんですが、ホテルまでがまた遠い。うまく電話が繋がらなかったりしてたら、野宿しないといけないところでした。 ホテルに着いたら夜更けでスパも終わってるし、お目当てのレストランはその日は休み・・・(:;)。仕方なくビストロで食事をしようとしたら田舎なので英語のメニューがないのです。さすがにフランス語オンリーだと解読困難・・・。英語が達者なウェイターもいなくて、B君も3年前は少しフランス語ができたんですが忘れてしまったとの事。仕方ない、こう見えても日本では結構フレンチレストラン行ってるんだから、メニューの一つや二つ私が見てあげよう・・・って事でいくつかのうろ覚えフレンチメニュー単語を頼りにセットメニューをオーダー。すると何が起きたのかすごい量の料理がどんどん来てしまうではないか。あぁ・・・。すごく美味しい訳でもないが、もったいないので無理して食べれるだけ食べて退散。この上なく疲れ果てた1日でした。こういう体験も何年かすると「あれはあれで楽しい旅の思い出だったな・・・」って思う日がくるのでしょうか? なんだかトホホ・・・という文字が頭から離れません。私をセレブな生活に誘惑した天使達が遠くに飛んで行ってしまったようでした。 翌日は日本人のYさんとご主人でシェフでもあるDさんがプロヴァンスの小さな村を車で案内してくれて、それぞれ景色も良く美味しい食事にもありつけたんですが、村と村の間も結構遠く、移動距離が長くて疲れました。そしてプロヴァンスからニースまでがまた長距離バスで3時間。学会会場に着く頃にはもうヘトヘト。 学会そのものは、新しい電動注射器を見つけたり、顔面の解剖と照らし合わせながらの注射のライブサージェリーなどが面白く、糖化(糖と蛋白が結びついて老化を引き起こす現象)やビタミンD、血液オゾン療法などの最新の話題などが聴けて有意義でしたが・・・。(今回もB君は通訳大活躍でした。)学会後はM君の叔母さんであるTさんと、可愛い混血の御嬢さんたちとも会えて、地元の人がいないと分からないお店でプロヴァンスのロゼワインやお土産を買えたり、美味しい塩やオリーブオイル・バルサミコなどをいただいたりして楽しく過ごせたんですが、今回の学会旅行で残念だったのは食事の半分が外れた事。(この事を友人Mに話すと「それって、旅行のほとんどの目的が達成でけへんかったって事やん」って言われました・・・。)2年前に行った時にめちゃくちゃ美味しいお店があったので、製薬会社の人たちに誘われた食事を断ってそこに行ったのに、味もサービスも落ちてて全然美味しくなかったんです(:;)。翌日その話を製薬会社の人にして嘆いてたら、「先生、本当に食べる事に賭けてますねぇ」と言われましたが・・・。2年も味やサービスを保つ事ってやっぱり難しいんですかね。でも2年前と同じ味やサービスを保っているホテルやレストランもあり、2回目の訪問だからか、さらにサービスが良くなっていたところもありました。そういうところはやはり常に改善を目指す意気込みが違うように思いました。クリニックも常に研究を怠らず、衰退しないようにしなくちゃいけないなぁと改めて思った次第です。 まぁ食べ物の恨み節はこの辺にして・・・。旅行中プロヴァンスのYさんが、「クリニック・ラ・プレリーに通っている人を見た事があるけど、70代とは思えないくらい元気で若々しく、実際に目の当たりにするとやはり凄い!!って思う」と話していました。今回の学会旅行は年甲斐もなくハードにしてしまったからか体力の衰えをめちゃ感じたので、その話を聞いて来年はやっぱりラ・プレリーに行ってみようかなと思って帰国後に送られてきた詳しい資料を見てみました。治療法はティースプーン2さじの薬を飲むだけで、効果は約2年持続するとの事。・・・ホントに? もしホントだったらそれこそ奇跡の治療ですよねぇ。事前検査を含めて1週間の滞在が必要だという事ですが、まぁそれは良いとしてですよ。皆さんもお値段気になりませんか? なりますよねぇ。ヨーロッパのセレブ達は若返りのためにどんだけお金使ってるん? 早よ教えて!(どうしてもこの辺から大阪のおばちゃんになってしまう・・・)な・・・なななんと1週間の滞在費が1名325万円! しかも「若返る」のではなく「老化を遅らせる」のだとか。最終的に患者が健全なライフスタイルを取り戻すのが目的とされ、実際には施術が終わった2~3ヵ月後に「何だか体調がいい」「周りの人から『元気になったね』と言われる」と言ったふうに効果を感じる事が多いらしい。投薬を受けながら、エステやフィットネスをするらしく、「投薬だけでフィットネスなどをしないのは、ここでの施術費を溝に捨てているようなもの」という説明をされています・・・(^^;)・・・そりゃそうだろうけど・・・。まあ、薬だけでは限界があるって事は理解しますが、よう考えたら内服やったら宿泊までせんでもええやんねぇ。2さじの薬飲むために、なんで1週間も滞在せなあかんの?(もう完全に大阪のおばちゃんモード。) そう言えば、「ラ・プレリー」と言うとデパートで売っている高級化粧品と思う方も多いと思いますが、もともとはこのクリニックが開発した化粧品で、病院内で扱っていたものを病院がブランドごと某社に売却したものが化粧品の「ラ・プレリー」だそうです。クリニック・ラ・プレリーでは今は別の化粧品「SWISS PERFECTIONシリーズ」を開発し、販売しているらしい。う・・・ん。ちょっとこのクリニック・・・やり手と見たぞ(^^;)! つまり、薬だけでなくてエステやスパ、フィットネス、美容治療、豪華なスイートルームやレストランを備え、プログラムを組んで1週間の滞在が必要と謳い、セレブ御用達にする・・・というのは高級ブランド商売そのもの。やっぱり貧乏性な私はもうしばらくプラセンタ点滴と筋トレで頑張るしかないのか? 私のブティックホテル併設のアンチエイジングクリニックの夢は当分叶いそうにありません。いや・・・待てよ・・・。プラセンタ点滴とエセリスカクテルを投与しながら、神戸レディーススパと提携して(確かあそこにはフィットネスもあったし・・・)ホテルオークラに泊まってもらい、神戸の高級鮨「栄美古」で夕食というプランでどうだ! え? 高そう? だったらスパはクアハウス、宿泊はクアハウス自慢の個室カプセル、夕食は神戸きってのB級グルメお好み焼き「アイドル」って組み合わせもオプションで用意しよう!・・・と色々考えてたら完全に大阪安い買い物自慢のような発想ばかりでさすがに自分でも「こりゃダメだ・・・」と思う事しばし・・・。私には高級ブランド志向は全然向いてなさそうです。いつの間にか私の中であのセレブの世界へ誘惑した天使達は消えて、大阪のおばちゃん達が元気に毎日集うバザールのイメージが浮かびます。(市場だとあまりにも日常感出すぎなので、ちょっとはエキゾチックな雰囲気を出す為にバザールって感じがぴったり!)まぁ無理をせず、当院はセレブ御用達と言うよりは、地味にコスパのいい治療を追求していこうと思いますので、これからも宜しくお願い致します!   

第157回 (2016年4月)「とあるフレンチに行って感じた事」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。もうすぐ春というのに、まだ寒くなったり暖かくなったりが続いて風邪が流行っていますが、皆様体調は大丈夫でしょうか? 私はと言えば・・・何かと忙しくてバタバタしている中で風邪がよくなったと思ったらまたぶり返し・・・という状態が続いていましたが、そんな中で久しぶりに再生医療の研究会に参加してきました。冬場は学会自体が少ない上、年末年始はあまりにもバタバタしていて学会どころではなかったんですが、少し落ち着いた時に送られてきた「再生医療産業化展」の招待状がふと目に留まりました。再生医療と言えば昨年忘年会に誘ってくださった、いつも元気いっぱいの京大再生医科学研究所教授のT先生。やはりここでも講演されるようです。再生医療産業化展はT先生の講演の前日も開催していたので、T先生に「前日から行かれますか?」とメールしてみると、「前日は再生医療研究会の学術講演会を主催しますので産業化展には参加しません。学術講演会は、再生研のいろいろな教授の話と今後のライフサイエンスに対する近畿経済産業局を含めた経産省の方針が聞ける良い機会であると思います」と学術講演会の資料を送ってくださいました。学術集会は翌日に迫っていたので当日参加可能かお聞きすると、「もちろん当日参加は可能です。本当は参加料金が必要ですが、T研関係者という事で行きましょう。受付で私を呼んでください」と連絡してくださったので、お言葉に甘えて参加する事にしました。 当日、京都の会場入り口でうろうろしていると「先生、こっちこっち!」相変わらず気さくに声をかけてくださる大きな声のT先生は健在でした。T研の関係者という事で無料で入れていただきましたが、後で分かったんですが講演会費は1日で3万円もしたそうです。(結構するもんなんですねぇ・・・。それだけのお金を取って主催できる実力がある先生だという事なんですが・・・。いつもすいません。)講演会は医工学フォーラム(医学部と工学部の合同集会のようなもんですな・・・)の特別学術講演会で、いろいろな分野の教授の講演と経済産業省・近畿経済産業局課長の特別講演で構成され、心臓や膵臓・皮膚・軟骨の組織再生に関する講演やT先生の細胞移植を支える生体材料技術の進歩に関する講演、経産局の「企業間の連携による医工連携の取り組みと再生医療の実現加速化について」の講演・・・と盛りだくさんの内容。休憩の度に、T先生は「どうですか? 楽しんでいただいてます?」と声をかけてくださいます。「ちょっと難しいけど、面白いです」と答えると「大丈夫、大丈夫。この辺にいる人で完全に理解されている人なんていませんから・・・」・・・(^^;)。T先生とお会いしてから3年近くが経ち、T先生の専門であるDDS(ドラッグデリバリーシステム=ゼラチンから作ったゲルに細胞増殖因子を混ぜて、体内で細胞増殖因子を徐々に放出させて細胞移植などの治療効果を高める方法)の講演も何回か聴きましたが、聴く度に技術の進歩が分かるのはさすがです。 そして講演の後、懇親会にもお誘いいただいて参加しましたが、T先生以外は知ってる人もいないな・・・と一人寂しくビールを飲んでいると、「おや?」見覚えのある顔が。年末のT研究室の忘年会で名刺交換した人達が来ているではないですか。T研究室には企業から共同研究に来ている人がたくさんいて、忘年会の一次会は200人もの参加人数になるそうです。私は忘年会には「いろんな人脈ができるから」とT先生に誘っていただいて、診療日だったので二次会から参加したんですが、それでも結構な人数でした。その中で数名の方と名刺交換をしたんですが、その人達も覚えてくれていたので一緒に飲む事に。T先生関連の会では美容関係のドクターなんかはまずいないので、「どうしてT先生と知り合われたんですか?」といつも聞かれます。そこで美容外科の研究会にT先生が特別講演に来られた時に私が発表したPRPの研究を気に入られて懇親会で盛り上がり、東京から京都まで「新幹線で一緒に帰ろ!」と連れて帰られて3時間、サイボーグを作りたくて工学部に入った事からDDSの講義まですごい勢いで喋り続けられた・・・という話をすると、いつもめちゃ盛り上がります。「それはそれは、ご愁傷様です。T先生っていつもそんな感じなんですよねぇ。喋り出したら止まらないでしょ?」その後、その人達と高濃度PRPの話で盛り上がり、特に旭硝子の若手研究員I君は興味を示してくれて「それは面白い! うちの会社でも高濃度PRP用の試験管とか作れるかもしれませんよ。上司に相談してみますね!」企業の若手研究者達は自社で開発できる製品のヒントが何かないかとT研究室に来ているので、常にアンテナを張り巡らせているようです。そんな研究者達との新しい出会いはとても楽しく、刺激になります。そこにT先生も来られて「えらい盛り上がってるやん! 先生、ここにはいろんな企業の人来てるからね。何か欲しいもんあったら作ってくれるとこあるから紹介しますよ!」「じゃぁ先生、電動の注射器が欲しいです」「あ、そしたらここの会社! ここに聞いてみたらええんちゃう?」と、どんどん人脈が広がっていきます。とても勉強になって楽しい会でした。 話は変わるのですが、先日超久しぶりに昔仲良かった大学の後輩と再会する機会がありました。先日の通信にも書きましたが、去年大学の卓球部の後輩が3人揃って教授になったのでOB有志で御祝いを贈ろうという事になり、その幹事をしたためにバタバタの年末年始でしたが、そのお蔭で久しぶりの後輩とも連絡を取る事ができたのです。長年誰とも連絡を取らず、行方不明と思われていた後輩とも連絡が取れ、その中の一人であるK君と20年ぶりの再会を果たす事ができました。K君は私が大学を卒業した2年後に入学してきたんですが、卓球が強かったのと見かけも性格も可愛かったので、私が可愛がっていた後輩の一人です。当時私は神戸の病院に勤務していましたが、病院内にも卓球部があり、病院の地区大会で準優勝して全国大会に出たりもしてたので、K君も時々神戸まで練習に来てくれたりし、その度にご飯に連れて行ったものです。その頃は私もまだ若くてフレンチが大好きだったので、フレンチレストランにもよく行きました。K君は卓球はそこそこ強くてキャプテンもしていましたが、元来控えめな性格だった彼は、卒業するとぱったり卓球部に顔を出さなくなってしまったんです。最後に会ったのは私が卒後10年目の頃で、それ以降は音信不通になり同級生も連絡が取れなくなってしまいました。今回の教授就任祝いの件では数人の後輩が幹事を手伝ってくれて、大抵は同級生に聞くと誰かがメールアドレスくらいは知ってるんですが、K君は同級生でも誰も連絡先を知らなかったので、彼が入局した大学の放射線科の医局の秘書さんに現在勤めている病院を探してもらって、やっと居所を探し当てました。そうして電話してみると、懐かしい声が。「いや~、先生、お久しぶりです!! よくここが分かりましたね~!」「医局の秘書さんに探してもろてん。卓球部では行方不明状態になってたから・・・」「ええ?! そうなんですかぁ?!」 ひとしきり昔話に花が咲き、教授就任祝いの件を告げてからまたご飯に行こうという事になり、後日K君からメールが来ました。 「柴田先生へ メールとお電話ありがとうございます。先日は久しぶりにお話できてとても楽しく、元気が出ました。先生はお変わりがないようで、卓球をしていた頃の事を思い出しました。教授になった部員のお祝いを先生が取りまとめておられ、これも昔と変わらないなあと思いました。お忙しい中、本当に大変な事だったと思います。ありがとうございました。それにしても、大変ご無沙汰して申し訳ありませんでした。勉強するのはそれほど嫌ではなかったので、学生時代はまあまあやれていたのですが、あまり人付き合いが得意ではない事もあり、なかなか仕事では苦労していました。というか、今も苦労しています。そういう事もあり、同級生や卓球部の人とは全く付き合いがなくなってしまいました。行方不明と思われていたとは知りませんでしたが(笑)。お食事お誘いくださり、ありがとうございます。あの時はよく分かっていなかったのですが、先生のクリニックは土日もやられているのですね。(HP拝見しました。素敵なクリニックですね。先生のセンスの良さを感じました。良心的な診療をされている事も、とても伝わってきます。他のクリニックに潜入、体験するブログが面白かったです!)私は、平日と土曜は通常の勤務と時々夜診をし、帰宅してからは遠隔読影会社と契約して、家で読影をしています。遠隔読影は今会社の経営が厳しいようで、限られたスタッフで仕事を回すため、休みを取るのが難しい状態です。年が明けたら少しは休みもとれるのではないかと思っています(潰れているかもしれません、笑)。そのため、お食事は年明け以降にさせていただければと思います。その際にはまた楽しいお話聞かせてください。 K」・・・う・・・ん。なんだか嬉しいメールじゃないですか! 年が明けてから、昔一緒に行った懐かしのフレンチに行こうと計画を立てましたが、K君と行ったお店は30年の歳月を経てほとんどなくなっていたので、新たにお店を探す事に。しかし最近はフレンチにほとんど行っていなかったので、いいお店を思いつきません。思いつくのは15年ほど前によく行っていたフレンチPくらい。Pは私が開業する前からお気に入りだったお店で、当時は今より狭いお店でしたが料理は抜群でした。赤ピーマンのムースやホワイトアスパラのババロアは絶品でコスパも良く、シェフもその頃は若かったのでいろいろ我儘も聞いてくれたし、メニューも季節毎に変わっていました。2004年のクリニック通信第12回にK氏が登場し、その時に行ったレストランがこのPです。当時の通信を読み返してみると「そこで私が神戸で一番気に入っているフレンチレストランにでかける事になりました。(残念ながらこのレストランは私のお気に入りNo.1で、暇で?静かなところも気に入っているので、お店の名前を出すのは控えさせていただきます。宣伝できなくて、地味なシェフには悪いのですが・・・。皆さんにもそんなお気に入りのお店があるでしょう?)」と書くくらいお気に入りだったんです。当時は雑誌なんかでも神戸のフレンチと言えば必ず取り上げられてたし、ジャン・ムーラン亡き後の神戸フレンチを継ぐ新星だと誰しも思っていたと思います。 ところが人気が出てお店が手狭になり、6年位前に現在の広い店に移転しました。ガチミシュラン友里氏の辛口批評に挙がる「大箱のフレンチに美味いとこ無し」のジンクスを破ってくれると期待していたのですが・・・。移転してすぐの頃は何度か通ったのですが、明らかに料理が出るのが遅くなってメニューも変わり映えしなくなり、ついにはアラカルトもなくなってしまったので、足が遠のいてしまいました。昔はよく作ってくれた赤ピーマンのムースもホワイトアスパラのババロアも手間がかかるのでしんどいと言って作ってくれなくなり、最後に電話した時はソムリエのOさんが「もうコースだけになってしまって柴田さんのお気には召さなくなったと思います・・・」と寂しそうに言われていたのを覚えています。そのソムリエOさんの名刺の肩書にはメーテルドテルって書いてました。なんだかよく分からなかったんでフランス語に詳しい友人に聞くと「何? メーテルがどうしてる?ソムリエさん? あぁ・・・メートルゥ・ドゥ・オテルの事ね! 給仕責任者の事だね」ってドヤ顔で言われた事があったな・・・^^;)。そんな事で何年も行ってなかったのですが、神戸の他のフレンチはもっと分からないので、もしかしたら最近は復活しているかもしれないと思って電話してみました。するとメーテルドテルのOさんはもうお店を辞められたとか・・・。代わりにマダムが出てきて、コースしかありませんがお席は空いています、との事。最近はどんな料理があるのか聞いても、その日の食材の仕入れによるので・・・と、教えてくれません。(フレンチレストランってマダムがネックだとよく言われますが、どこもそのようです。フレンチに限らず神戸鮨の金字塔N屋もマダムがネックでしたが・・・。)相談してまた電話します、と一旦切ったものの、他のお店が見つからず、結局Pに行く事になりました。 当日はK君がクリニックを見学に来て、昔話で盛り上がってからPへ。土曜日というのに店内はがらんとしていて客は私達一組だけ。あまりにも閑散とした店内にびっくり。そして席に着き、メニューを見て二度びっくり。なんと10年前とメニューがほとんど変わっていないのです。コースは3種類のみで、ちょっと美味しそうなものが入ってるのは1万円のコースだけ。お肉は選べます・・・と言うものの、2人で同じものを頼まないといけないとの事。料理って別々のものを頼んでお互いに交換しながらあれこれ談義するっていうのが楽しいじゃないですか。その楽しみを奪うのはいかがなものか? 友里氏だったらここで「全く客の事を考えない仕様で使い勝手の悪いフレンチ。土曜日の夜というのにお客が私達だけという事がすべてを物語っています・・・」と、ばっさり切られてしまうでしょうね。でもまぁ、せっかくK君が久しぶりに神戸に来てくれたんだから・・・と、1万円のコースを頼む事にしました。それでも20年分の話が溜まっていたので話は弾み、サーブの遅いのは以前ほど気になりませんでしたが、よく考えるとこれって私達しかいないのに、この速度が精一杯なの?K君は「これからは放射線の技術はすごく進歩する」と読んで放射線科に進んだそうで、その読みは当たってたんですが、技術が進歩して仕事は卒業当初の4倍くらいに増えたけど、給料はほとんど増えなかったとか。まぁ大学の関連病院って、安月給のところが多かったですからねぇ。K君の歩んできた道や私の開業の経緯、卓球部の他の人たちや教授になった3人の話・・・などで、あっという間に時間は過ぎてしまいました。料理は変わり映えはしないものの昔通りでまずまず美味しく、久しぶりのK君との時間はとても楽しく過ごす事ができました。 久しぶりの訪問に帰りがけはシェフも出てきてくれて、少し立ち話をした後に帰路に着いたのですが、やはり全盛期のPを知っているだけになんだか一抹の寂しさを感じました。あの勢いはどうしちゃったのかなぁ。オープンしたての頃は新進気鋭で雑誌なんかにも登場して勢いがあったのに、数年のうちに「普通」になってしまうお店って多いですよね。人間ってそれほどパワーが続かないのでしょうか。お店にも人間と同じ「老い」があって、それから逃げる事はできないのでしょうか? もしそうだとしても、せめて「素敵な年の取り方」くらいはあるんじゃないかな・・・って思います。私の知っている限りでは開店から閉店まで第一線を突っ走って他者を寄せ付けなかったのは、神戸ではやっぱりジャン・ムーラン位しかなかったように思います。オーナーが年を取ったとか、経営が上手くいかなくなったという理由以外で、現役のシェフが引退宣言をしてお店を閉じた事が話題に登るというのも、この店位じゃないかな。以前の通信でも紹介しましたが、このシェフが引退するに当たり雑誌のインタビューでこう言ってたのを思い出します。「結局一流のお店を維持できるかどうかって、休みの日にそのシェフがどう過ごしているかで決まると思うんです。休みの日こそ他のフレンチレストランを食べ歩き、常に情報を仕入れて新しいものを学ぼうという姿勢がない人は、多かれ少なかれこの世界から消えて行きます」と。やっぱり新しいものを取り入れたり、改良や進歩もなく、客の事を考えない店は衰退するものなんだなぁ・・・。こういうふうにならないように気をつけなきゃ・・・と考えさせられた一日でした。やっぱりT先生のようにいつまでもエネルギッシュで、常に進歩していないといけませんね。私も頑張るぞ! と心を新たにしたのでした。せめて「素敵な年の取り方」は実践しないとね・・・と思います。   

第156回 (2016年3月)「世紀の陰謀」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。寒くなったり暖かくなったり、まさしく三寒四温の気候ですが、皆様体調など崩しておられませんか? 私はこの冬は忙しいながらも、風邪をひきかけてはプラセンタ点滴を1回したら治まる・・・という感じでなんとかもっていましたが、2月についに酷い風邪が長引き、1週間に5回点滴をするという事態に陥ってしまいました。今年こそは風邪の予防にビタミンDを導入しようと思っていたのですが、いろいろな事件が起こってバタバタしているうちに、おろそかになっていたせいかもしれません。今年は特にインフルエンザも流行っていますので、皆様もお気をつけくださいね。さて毎年、お正月が明けて落ち着いたかなと思ったら、世間はもうバレンタイン商戦に入りますよね。現在の日本では、チョコレートの年間消費量の4分の1がバレンタインデーに消費されると言われるほどなので、すごいですね。1月中は「もうバレンタインかぁ・・・。みんな気が早いよね」と思ってたんですが、あっという間に日が過ぎて、すぐにバレンタインが来てしまいました。今年のバレンタインは、去年の秋に買い過ぎた「ひやおろし」を義理酒に配ろうと思ってたんですが、お酒用の箱やバレンタイン用のラッピング素材の調達に結構苦労しました。なかなか適当でかわいいのとかがないんですよね。それにヤマトの送り状なんかも手書きで面倒だし・・・。余ったお酒を活用しようなんてセコイ事考えずに、ネットで買って贈る方がよっぽど楽だった・・・と反省。やっぱり「大阪のおばちゃん」的な考えを実行しようとしたら、かえって手間暇かかるんですね。 ところで、「バレンタインには女の子から意中の人にチョコレートをプレゼントして告白できる」というのは日本だけの行事だという事は去年のクリニック通信でも書きましたがどうして日本ではその風習が定着したかは諸説あるようです。たまたま見た新聞には神戸モロゾフ製菓が東京で発行されていた英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』1936年2月12日付けに「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう」というコピーの広告を掲載したのが最初だと書かれてました。(モロゾフの本店があった最寄り駅の阪神御影駅南側の広場は2013年に「バレンタイン広場」として整備され、聖バレンタインゆかりの地とされるイタリアのウンブリア州、テルニ市の市長のコメントが刻まれたモニュメントもあるそうな。)・・・へぇ・・・皆さん知ってました? やっぱり昔から神戸はハイカラな街だったんだなぁ。その後、1958年に新宿・伊勢丹の売り場で、メリーチョコレート会社がバレンタインチョコを売り出したらしい。この時は、看板に手書きで「バレンタインセール」と書き、3日間のセールを行ったが、売れたチョコは30円の板チョコ5枚。大赤字に会社中がガックリしたそうです。バレンタイン旋風が吹き荒れたのは、翌年1959年からで、昨年の失敗を活かそうとメリーチョコレート会社はハート型のチョコを作り、「女性から男性へ」のキャッチフレーズを掲げて売り始め、これに目を付けた森永製菓が1960年に「愛する人にチョコレートを贈りましょう」と新聞広告を出し、バレンタインデーの宣伝を大々的に始めたらしい。各チョコレート会社も「遅れをとるな」と言わんばかりにハート型のチョコレートを販売し始め、さらに伊勢丹が1965年にバレンタインデーのフェアを開催し、これがバレンタインデー普及の契機となったと言われています。つまり、「女性から男性にチョコを贈る」というのはメリーチョコレートが始めた宣伝からだったという事ですね。 しかし、「バレンタインデー」の文字がある広告が、1956年の西武百貨店の新聞広告や、1959年の松坂屋の新聞広告にも掲載されており、デパート業界では伊勢丹が最初という訳ではなく、ソニー創業者の盛田昭夫は1968年に自社の関連輸入雑貨専門店ソニープラザがチョコレートを贈る事を流行させようと試みた事をもって、「日本のバレンタインデーはうちが作った」と主張しているそうです。まぁ・・・ちょっとネットで調べてみても「我こそがバレンタインデーにチョコを贈る事を普及させた!」と言う人が沢山いるみたいです。ただ、女子が男子に愛の告白の意味でチョコレートを贈るという「日本式バレンタインデー」が社会に定着したのは昭和50年代前半に間違いないらしい。うん、うん。私の記憶をたどってもそうだと思います。その昔には女の子から愛の告白をする為にチョコレートを贈るって風習はなかったと思うんですが、高校生ぐらいの時に一気にその習慣が広まったように思います。当時も私は男前だったらしく、可愛い7人もの女子からチョコレートをもらって、モテない男子に嫉まれた記憶があります・・・(^_^)。 この日本式バレンタインデーの話は海外の知り合いや留学生のアルバイトの皆に話をしても非常に興味を持たれるし、「日本って面白いですね」って毎回言われます。「歌は世につれ世は歌につれ・・・」って言葉がありますが(これまた古い話で・・・恐縮です)、昭和50年と言えば1975年ですから、80年代の歌謡曲全盛時代のまさに一歩手前です。郷ひろみがジャニーズ事務所にスカウトされてデビューしたのが1972年なので、西城秀樹、野口五郎と共に新御三家(もはや死語)がお茶の間のアイドルとしてもてはやされた時代に、この日本式バレンタインデーが普及した訳です。その後、郷ひろみはジャニーズ事務所から独立する事ができましたが、時代が一歩違えばSMAPのように彼も見せしめの刑に遭ってたかもしれませんね。(歴史の授業もこうやって当時の世の中のトレンドとの関連を一緒に教えてくれれば、もっと興味持てるのになぁ・・・って、ちょっと違うかな?) 何かそれまでになかった風習とかトレンドが定着するのって「誰が始めたか」って話題になり易いですが、私の中では「誰が始めたか」って事はあまり興味がなく「どうしてそれが定着したか?」に非常に興味があります。だってその当時の世の中が「それを求めていた」から定着する訳ですし、言葉を換えると「その時代の喉の渇き」みたいなものだと思うからです。だとしたら、その当時の「喉の渇きって何だったんだろう?」って思うんです。私なりに、なぜその時代に日本式バレンタインが定着したのかを考察してみました。私が思い出す限り、テレビでお茶の間がアイドル全盛時代になる前って、思春期を迎える若者の間では「スポコンアニメ」全盛期だったように思います。女の子は「アタックナンバーワン」とか男の子は「巨人の星」って感じです。ただいつの時代も女の子の方がちょっぴり「おませさん」で時代の変化にも敏感なので、先に変化が訪れます。その頃は商品も中身だけでなくパッケージという「外観」が非常に重要になっていました。中身を知る為には「外見」がクリアされないと駄目って感じですね。この頃からジャニーズ事務所全盛期に突入するのですが、それでも同世代の男子諸君はまだまだ「スポコン」を引きずっていたし、「硬派」を一生懸命演じる事がカッコイイと思っている方がマジョリティだったと思います。ちょっと気になる男子がいても硬派を気取ったりスポーツばっかりやってて、男同士でつるんで告白なんてしてくれそうにもないし、だったら女子から言い出さないと時間切れになっちゃうよぉ・・・っていう不満が時代のエネルギーとして充満してたのではないでしょうか。そんなエネルギーが充満していた時に、バレンタインデーは「年に一度だけ女子から男子に告白できる日」という口実を与えられた事で、一気にトレンドとして拡散していった・・・のではないかと思うのです。ま・・・当時の状況を考えると、それから数十年後に「草食男子」全盛期が訪れるとは誰も想像できなかったと思いますが。 この考察って私なりに結構自信を持ってたんですが、一つ納得できない事がありました。「外見より中身」って言葉は、古いのかもしれないですが、やっぱり真実だと思うんです。テレビアイドルだったら本当の中身を知る由もないですが、学生時代に同級生などが恋愛対象だったら「中身」を知る機会は十分にあるはずです。でも「外見が重要」ってトレンドにどうしてなっちゃたのかなぁ? という疑問でした。この疑問をある友人にぶつけたところ、なんだかとっても腑に落ちる答えが返ってきたので、ちょっと紹介しますね。友人曰く、「あのねぇ・・・女性っていつの時代も「稼ぐ男」を探してるのよ。これはもう女性として生まれてきたらDNAに刻まれた性(サガ)でしょ。どんなに言葉を換えて表現しても結局は「自分に貢ぐ、稼ぐ力のある男」を探してる訳よ。昔は「稼ぐ力」として外見は重要じゃなかったけど、今は時代が変わって外見がいい奴は「稼ぐ力」を持つようになったでしょ? 今の時代はイケメン=稼ぐ男ってのが成立してるのね。だから女性がイケメンに惹かれるのは時代の流れで、表面的には変化してるように見えるけど、本質は何も変わってない訳よ」って事でした。皆さんはどう思われます? ま・・・諸説あると思いますが、面白い話だなぁ・・・って思いません? もしそうだとしたら、学生時代にバレンタインデーでチョコ贈って告白するっていうのも、実は「将来稼ぎそうな男に唾つけておく行為」って解釈が成立しますよね。女性には幼少期からそのような本能がDNAに刻まれてるって訳か・・・。恐ろしや・・・。 私達のような美容クリニックの業界もトレンドに無縁ではいられません。私が開業してから14年くらいになりますが、その短い期間だけでも、トレンドはめまぐるしく変化しました。もてはやされる治療方法などはどんどん変わってきたのですが、一番大きな世の中の価値観の変化は、「外見が美しい人は心も体も元気だ」という考え方が定着した事だと思います。一昔前は、外見を良く見せるために手術したり注射をするというのは人目をはばかる行為でしたし、ある種恥ずかしいと思う傾向があったと思います。人によっては「外見にコンプレックスを抱える事そのものが心の病気だ」って美容治療を否定する人も多かったように思います。(ま・・・今でも一定の数存在しますが・・・。)しかし最近は考え方が本当に変わってきて「外見がいい人は仕事もできるし心も元気、周りを明るくして幸せを呼び込む」って思われるようになったと思います。そしてこれはあらゆる学術的統計からも証明されるようになりました。逆に元気で健康な生活を送りたければ外見に気を遣うべき・・・という学術論文も出るようになっています。 先進国においてアンチエイジングの流れは変わる事はないと思いますし、ますます加速するのではないでしょうか? 最近はお隣の国中国も、ものすごい勢いで経済発展を遂げ、日本に「爆買い」という流行語をもたらしましたが、恐らくこれから、かの国でもアンチエイジングの流れも急激に広まっていく事と思います。恐らくこれからは「爆買い」の次に来るトレンドとして、中国などアジア諸国のアンチエイジング意識の高い人々が日本に押し寄せ「旅行のついでに日本のアンチエイジング治療を受ける」というのが流行るのではないか・・・と密かに期待しています。最近は円安もあってか、本当に外国人の旅行者を目にする機会が増えましたよね。外国人旅行者は大声で叫んだり、マナーが悪いとか、ゴミを散らかすという事で批判的な人もいますが、私なんかは「ようやく日本も外国の人から憧れられるようになったのね・・・」って嬉しく思います。だって私達が若い頃って、バブルの頃なんて特に、農協のツアー客がシャンゼリゼ通りでブランド品を買いあさって、マナーの悪さに現地の人が辟易している・・・って新聞記事をよく読んだと思いませんか? それでもパリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨークなんて憧れの地で、いつか行ってみたいと思っていたと思います。今は外国の人が沢山日本に旅行に来られるって事は同じように思われてるって事じゃないですか? 学生時代にアルバイトで必死にお金を貯めて海外旅行した時に、現地の普通の人が普通にそこで生活している姿を見ただけで「いいなぁ・・・こんなお洒落なところに住んで生活できるなんて・・・」って思いました。今は逆の目で見られている訳ですから、なんだかちょっと嬉しい気がします。私が単純なだけなのかもしれませんが、これも時代の変化なんだと思います。 本当にトレンドって「時代の喉の渇き」なんだな・・・って思います。ただ、あんまり喉は渇いてないのに無理矢理お水を飲まされる「陰謀系トレンド」もあるので要注意です。女の子からの告白が定着したバレンタインデーの後に、お菓子業界が一体となって日本国民を陰謀の罠に陥れましたね。そうです、「義理チョコとホワイトデー」です。これはCIAもKGBもどこの諜報機関も真似できないくらい洗練された戦略だと思います。もし旧ソ連の重鎮達が日本のお菓子業界をブレインに取り込んでいれば、日本も社会主義国になってたんじゃないかと思うくらい見事な陰謀だと思います・・・(^_^;)。大体、なんで好きでもない職場の「おっさん」達にチョコレート配らんとあかんの? でも悲しいかな私も整形外科医時代は男社会の中で珍しい女医だったんで、なぜかその流れに抵抗もできず毎年義理チョコを買う羽目に。さらに本命チョコを買う機会がないにも拘らず義理チョコだけを買わねばならないこの理不尽さを、誰に文句言えばいいんだ!と思う事もしばしばでした・・・(^_^;)。それにバレンタインデーにプレゼントをもらったら、何かお返しをしたいっていうのは理解できるけど、マシュマロとかクッキーじゃなきゃいけない理由はないはず。でもまぁ、「陰謀」って分かっててその陰謀の波に乗っかるっていうのも楽しさの一つではありますよね。敢えて陰謀に乗っかる・・・って、心にゆとりがある証拠なのかもしれません。そんな平和がずっと続く事を願って、チョコでも買いに行こう。最近は頑張った自分へのご褒美という「ご褒美チョコ」っていうのもあるようなので、その陰謀には敢えて乗らせてもらいます。皆様も、アンチエイジングという陰謀に敢えて乗ってみたくなったら、是非ご相談ください・・・(^_^)。  

第155回 (2016年2月)「何事も自分で行動しないとね!」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。寒い日が続きますが、皆様風邪などひかれていませんか? 年末年始はどう過ごされたでしょうか。昔と違ってお正月と言ってもSOGOですら元旦から開いていますし、コンビニもスーパーも通常通り営業しているので、年々お正月って気分ではなくなって来てますよね。お正月を取り巻く環境も変わっていくし、各自の価値観も多様化するし・・・。もう数十年もすれば「昔はね・・・お正月って言えば実家で親戚の人が集まって、皆でおせち料理を食べて過ごすっていうのが普通の日本人の習慣だったのよ。あ・・・そうそう、初詣と言ってお正月にはみんなで神社にお参りに行ったもんだよねぇ・・・」ってしみじみ話をする時代が来るのかもしれません。 私はと言えば・・・昨年の年末があまりにもバタバタだったので、お正月はもっぱら骨休めでした。そんな去年の話を少しすると、なんと昨年大学の卓球部の後輩が3人同時に教授になりました。まぁ昔は「大学の医学部教授・・・」と言えば、選ばれた一部の凄い人だけがなるものだと思っていたのですが、この年になると「普通に同級生や後輩が教授になってしまう」ので、近年のお正月よろしく、なんだかありがたみが薄れてしまっています・・・(^_^)。おや、こんな言い方するとせっかく教授になった後輩に申し訳ないですねぇ。恐らく教授=博士=バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるドグ(もしくは名探偵コナンの阿笠博士)・・・というイメージが一般に普及しすぎて、教授とか博士と言われる人は超変わり者で、得体の知れない研究をしては試験管で混ぜた試薬が間違って爆発するため顔が真っ黒で髪の毛はボウボウの格好で、口から煙出しながら「次は絶対に成功するんだ!」と言ってるような人・・・をイメージしてしまうんですよね。私が申し上げたいのは、教授になった後輩諸氏はそんな種類の人達ではなく極めて全うで、素晴らしい社会性のある人です・・・って事なんです。(一応、フォローになったかな?)そんな訳で昨年はOB有志からお祝いを贈ろうという事になり、成り行きで私がその幹事になってしまったので、お祝いの手配や連絡にバタバタでした。また、京大再生医科学研究所のT先生の教室忘年会に誘われて参加したり、その翌日には整形外科の後輩T君が亡くなってしまってお通夜に駆けつけたり(去年の夏にT君を囲む会をした時はまだ元気そうだったんですが・・・。何百人という参列者の多さが彼の人柄を表していました。本当に惜しい人を亡くしたものです・・・)、年末はかなり忙しかったです。お正月は、元旦は実家に帰って家族が集まったんですが、今年は母がいないのでめちゃ静かなお正月でした・・・(いつも母が一人で喋りまくってた事が判明)。おせちは毎年同様、O様が贈ってくださった最新冷凍技術のおせちを美味しくいただきました。(O様に感謝!) 他にもいろいろバタバタした事があったんですが、少し落ち着いたので久しぶりに友人Mと東京の孤高のグルメK氏と集まろうという事になりました。さて、お店はどこにする? という時にいつも登場するのが以前このクリニック通信でも紹介した、辛口料理評論家・友里征耶氏著の「ガチミシュラン」。この本は「ミシュラン東京」に載った半分以上の店を著者が自腹・覆面で食べ歩いて徹底検証した本です。(ガチミシュランについて詳しくは、クリニック通信第71・73回をご覧ください。)私の定番であるクリニック潜入調査はこの「ガチミシュラン」のコンセプトに共感して始めたものです。友里氏のコンセプトは「お店の評価を正しくするには覆面・自腹で行かないと本当の価値は分からない」というものです。彼のあらゆる評論の中で、お店から接待を受けて取材に行くレストラン評論家をこき下ろしており、「料理人が評論家を前に緊張して最高の料理を出すというシーンでまずいものを出す訳がない。誰だって一世一代の勝負となれば最高の食材と手間をかけて出すので美味しくて当たり前。そうではなく、普通の人が普通に訪れても美味しいというお店のみが本当の価値があるお店である」というものです。私もこの考えに共感しています。クリニックでも雑誌の取材で記者が体験治療を受けるというシーンでまともな施術をしない医者がいるとは思えません。そうではなく、普通の人が普通に訪れる際に満足のいく治療を提供しているという事に価値があると思います。そんな訳で私の潜入調査も覆面・自腹が基本になっています。 話が飛んでしまったので友里氏の辛口評価に戻しますが、彼の評価はとっても面白くて的確なので、過去に何度もレストラン選びの参考にさせていただきました。勿論、普段は彼の高評価店を選んでいます。しかし彼が酷評するお店の話も読み物としては大変面白いので、何度も読んでいるうちに友里氏がここまでこき下ろす店はどんなんか一回行ってみたい・・・という好奇心がフツフツと湧いてきました。え? 私ってよっぽど変わり者だと思います? でも彼のこき下ろし方を見ると皆様も行ってみたくなる事請け合いです。まずはフレンチでは結構有名な「シェM尾」。ガチミシュランでの友里氏の評価のタイトルは「瀟洒な店の雰囲気でも隠しきれない粗悪な料理」「ミシュランのいい加減ぶりを証明する店」。そして本文での評価は「大きなお屋敷が建ち並ぶ住宅街の中の瀟洒な一軒家という雰囲気でも、レベルの低い料理をカバーしきれない、行ってはいけないフレンチ」ここまで書かれると、いったいどんな店なのか・・・そんな店がなぜミシュランの星を取り続けているのか・・・と興味津々。「以前はアラカルトがあったのですが、いつの間にか2万円のコース1本にしてしまった営業は、客の事を考えた経営とは思えません。もちろん肝心の料理はもっとダメ」と続きます。「これで2名で8万5000円超はあまりに高すぎです」「料理が全くダメなだけに、雰囲気だけでこの価格ではCP最悪。星を取った3ヵ月後でも客がわずか3組という実態が、この店のすべてを物語っています」・・・。うむ。そうなのか・・・。なんだかダメダメぶりが目に浮かびます。 もう一つ、有名なスペイン料理の店、「O笠原伯爵邸」の評価は・・・「何一つ良いところがなく、星なしは当然。ミシュランの一つ星評価に呆れるばかり」「料理ダメ、サービスも垢抜けず、雰囲気もぱっとしなくてCPも悪い。総合評価が星なしなのは当然です。しかしミシュラン調査員、よくまあこんなレベルの店に星をつけたものだと、ただただ呆れるばかりです」ここまで書かれると小気味良くてなんだか嬉しい・・・(^_^;)。六本木にある鮨と鉄板焼きの「M・XEX」などは「’NYスタイル’と豪語する『似非(えせ)』和食店」「料理はマズくCP最悪。食後の気分は史上最低」・・・(^_^;)。「この店では何一つ期待できる料理はないと言い切れます」「食後感は史上最低。HPでは『森本正治とXEXの出会い』とありますが、一般客にとっては出会ってもらいたくなかったと考えるのは私だけではないはずです」・・・等々。勿論、彼はこき下ろすばかりではなく正当な評価をしているお店も沢山あり、その評価には定評がありますし、私も一定の信頼を置いています。それだけに彼がここまで酷評するのは一体どんなお店なんだろう・・・って逆に興味を持ってしまった訳なんですね。(私の方が教授になる人達よりずっと変わってるのかな?) さて・・・。この中からだったらどこへ行ってみようかと、友人Mと検討会を開きました。K氏に付き合わせるのはさすがに悪いので、K氏とはMのグルメ友達お勧めのイタリアンに行って、K氏との会合の翌日にガチミシュラン検証をしようという事になりました。でもディナーでめちゃまずくて高額だったらさすがにショック大きすぎなんで、ランチで試してみようという事に。いろいろと検討した結果、まずはやはりシェM尾に行こうという事になりました。そしてめちゃまずいと想定して夜には口直しができるようにと、東京出張の際によく行く白金のお鮨屋さんTを予約。そうして意気揚々とガチミシュラン検証計画を立て、いざ出陣! 当日はタクシーでシェ・M尾に向かいました。本当に大きなお屋敷が建ち並ぶ住宅街の中の瀟洒な一軒家です。場所が分かりにくかったので電話で確認すると、お店の人が玄関先に出て待ってくれていました。中庭の見える素敵な部屋に通され、サービスはなかなかスムーズ。綺麗な絵入りのメニューが一人ずつテーブルに置かれています。ランチで6,000円、8,000円、16,000円の3コースなのでかなり高額ですが・・・。いつもお昼はあまり食べないので、6,000円のコースを選びました。アミューズ、オードブル2品、お魚かお肉、デザート、コーヒーのコースです。さぁ! どんなにまずい料理が出てくるのか!・・・と、ドキドキワクワクです・・・(^_^;)。まず、アミューズは可愛いチーズ味のプチシューです。おそるおそる一口。うん! まずぅ・・・? あれ?? いや・・・。結構美味しい・・・。だいたいアミューズが美味しいかどうかで美味しいお店かどうかが分かるものですが。おかしいな・・・。きっとこんな時もあるのでしょう。何かの間違いでちょっと美味しいアミューズが出てしまう事だってあるよね、きっと。 さて次の料理は冷たいオードブル、「柑橘と香草で低温コンフィした手長海老 シェM尾嗜好」。なんとも大層な名付けの料理ですが、名付けが大層なだけで、この辺でミシュラン調査員の味音痴露呈か? と期待を持って一口。・・・あれ? これも結構美味しい。??? 次の温かいオードブルは「温かい栗のポタージュと帆立貝のグリエ 燻製の香りをまとった牛乳のムース」・・・。これも仰々しい名付けですが、私は以前のクリニック通信でも書きましたが帆立で酷いアレルギーを起こしたので、それ以来帆立は避けています。「帆立はアレルギーなんですが・・・」と伝えると、代わりにフォアグラのソテーを出してくれました。帆立の代わりにフォアグラなんて、なかなかサービスいいではないか。そしてそのフォアグラも美味しい・・・。友人Mも「帆立と栗のポタージュも結構いけてるんだよねぇ・・・」と残念そうな様子。何を期待してるんだか・・・。)メインはお魚は「北海道産タラのシェM尾嗜好」、お肉は「フランス ランド産鴨のロースト赤ワインソース ゴボウのグラッセと根セロリのピュレ」を一つずつ頼みましたが、どちらも結構いけてる・・・いや、まぁまぁ美味しいぞ! うむ・・・。大絶賛と言うほど美味しい訳ではないけどそこそこ美味しいので、ガチミシュランの酷評とはだいぶ違います。なんか拍子抜けで、「えー、なんで・・・??」の連発。デザートとコーヒーの後、帰りのタクシーを待つ間に中庭に出ると写真を撮ってくれたりと、サービスも結構いいんですよねぇ・・・。うむ・・・。  あまりの期待はずれな結果(?)に、夜の鮨屋をキャンセルしてもう一軒の酷評店「O笠原伯爵邸」に検証に行こうかという話も出たんですが、昼間からフルコースを食べたので、夜になっても一向にお腹がすきません。仕方なく「O笠原伯爵邸」の検証は諦めて、白金のよく行くお鮨屋さんへ。しかし全然お腹がすいてなくて、せっかくのお鮨屋さんでもあまり食べられず残念・・・。ガチミシュラン検証は意外な結果に終わってしまいました。う~ん、おかしいなぁ。なんでガチミシュラン友里氏の評価と実際はあんなに違ったんだろう? その話を後日K氏にすると、「シェM尾の本店ですね。僕は仕事でよく青山サロンを使うのですが、悪くないですよ。友里さんとは評価が合う時も合わない時も・・・。レストランのサービスや料理も、お客さんの態度や雰囲気で微妙に変わってきますものね。仕事柄、友里さんがとても感じの良いお客様とは思えないので・・・ね(^^)」という答えが返ってきました。そうかぁ・・・。お店とお客さんも合う合わないがありますもんね。当院でも患者様のためにと思ってしている事でも、診察のたびにメイクを落としたり、注射の後はメイクを禁止したり、他院で受けた治療の詳細を問い合わせていただいたりする事が、面倒だとか慎重すぎるとか言われる事も多々あるので、相性というものは大切だなぁと思います。そんな面倒な事も乗り越えて、当院に通い続けてくださっている皆様には本当に感謝です。 それにしてもイメージが定着するって本当に怖い事なんだなぁ・・・って思います。今回検証したシェM尾も、もし自分で実際に行かなかったら恐らく一生「ミシュランのいい加減な調査員が推薦する雰囲気だけの料理がまずいお店」と思い続けたと思います。自分の後輩が教授にならなかったら、教授とか博士と呼ばれる人達は「ボサボサ頭に爆発のために真っ黒な墨を顔につけてる社会性の無い世捨て人」というイメージを持ったままかもしれません。(もっとも、「白い巨塔」に出てくるような腹黒い人達が渦巻いているっていうのも一面の事実ではありますが・・・(^_^;)。いずれにせよイメージや思い込みで判断するのではなく、自分の目と耳、そして感性で判断しないと駄目だな・・・って改めて思いました。そのためにはやっぱり行動あるのみですよね! いくらインターネットが普及して現地に行かなくても情報が取れると言ったって、結局は自分で体験するのと話を聞くのとでは全然違う・・・という事は、今後もあり続けると思います。そんな訳で2016年はやっぱり行動と実践を続けるぞ! と心を新たにしました。今年も潜入調査は実行しますし、学会に出かけての最新情報の収集も続けます。そして何より、さらに安全で効果的な治療を実現するために、自分自身でその治療を試して検証する・・・って事は継続するつもりです。初心忘れるべからず・・・を自分への戒めにし、2016年も皆様のためにより良い治療を研究開発していきますので、何卒宜しくお願い致します。   

第154回 (2016年1月)「2016年が平和な年になりますように!」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。2016年の年明けの号となりますので、いつもなら新年のお祝いを申し上げるところですが、喪中につき年末年始のご挨拶は失礼させていただきます。平素のご芳情を厚く御礼申し上げますと共に、皆様に良い年が訪れますようお祈りいたします。毎年1月号ではその年の抱負を語っているのですが、その前に2015年最後のイベントのご報告をさせていただきます。そのイベントとは・・・大好評企画クリニック潜入調査!!です。いくら大好評企画とは言え、これまで何度も行ってきたので結構マンネリ化してきたんじゃないの?って心配してたんですが、毎回掲載後は患者様からの受けが良く「また他のクリニックも調べてくださいね!」と激励をいただきます。それに気を良くして今回はあの(?!)クリニックに再潜入です。まぁ・・・ぶっちゃけ美容クリニックって、私が言うのもなんですが安い買い物じゃないですよね。私だってこの企画の度に自腹で他のクリニックで治療してもらってるので、コスパの悪い、いい加減なクリニックに当たった時は「もう!お金返してよ!」って思っちゃいます。(実際にはこの通信に書いてないクリニックも結構回っているんですよ・・・紹介できるのはほんの一部なんです(^_^))それに顔って一つしかない訳ですから、治療が失敗すると大変じゃないですか。右手で失敗すれば左手使えばいい・・・ってもんじゃないので、皆様もクリニックを選ぶ時は慎重に行われていると思います。実際に、「私、絶対に失敗は許されないんです!」って凄い意気込みで迫ってくる患者様もおられ、結構毎回タジタジです。ただし・・・! そうは言ってもこれまたぶっちゃけ、人の失敗談であれば面白い訳で「人のお金と顔で失敗する分には是非その話を聞かせて欲しい!」ってのが悲しき人間の性ではないでしょうか?(う・・・ん。本音を言うと私も誰かが行ってくれて話だけ聞かせてくれるのであれば、どれだけありがたいと思う事か・・・。)そんな訳で、皆様の期待はどちらかと言うと「駄目なクリニック」に当たった時の話であるように思います。この企画も駄目クリニックに当たった時の反応は良いですし、患者様からも「もっと失敗談あるんじゃないんですか?」という期待のまなざしをよく感じます・・・(^_^)。それは分かってるんですが、私も持って生まれた顔は一つしかなく、大事な商売道具(?)ですし、笑いを取るだけのために顔を提供するのもはばかられます(それにやはり私の勉強も兼ねていますし・・・(^_^;))。そんな訳で今回は怪しげなクリニックではなく、それなりの評判があるが、癖のあるクリニックを訪問してきました。癖のあるクリニック・・・と言えばやはり、2014年のクリニック通信流行語大賞に輝いたTクリニックです。「・・・って・・・言いたいけど、言えないよねぇ・・・」のフレーズ、覚えてます? 田村正和の声でお笑い芸人狩野英孝が石原裕次郎の「銀座の恋の物語」を真似て歌っている声色で語る、自称ヒアルロン酸の魔術師T先生。そのクリニックを久しぶりに再訪する事にしました。きっかけは、ある雑誌でボトックスのメーカーA社が推奨している「ビスタシェイプ」という注入方法を宣伝するページにT先生が出ていた事でした。「ビスタシェイプ」というのは、頬骨の上と顎にヒアルロン酸、眉間にボトックスを注入して若く見せるという、A社お勧めの方法です。去年、「ボクは頬骨上に入れるやり方は好きじゃないんだよね・・・」と言っていたT先生が、なぜビスタシェイプの宣伝ページに載っているのか?? その真相を聞いてみたくて、東京まで出向く事にしました。「例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで」タリラララ~ン♪ いつものミッション・インポッシブルのテーマソングが、ここでカットイン! です。もう一つの候補は、雑誌「美ST」に載っていた「40代を最も綺麗にしたドクター」ベスト3から。美魔女を目指す人の間では美STは大人気の雑誌ですから、その雑誌がそこまで言うのなら、行ってみないといけないじゃないですか! いざ、そのNo.1の先生の元に! 早速、その先生のいるクリニックに電話したんですが・・・なんとNo.1の先生はそのクリニックを突如辞めてしまったとの事。今はどこのクリニックにいるのかも分からないそうな・・・。あらら。いろいろあるんですかね、この業界も。美STにNo.1と掲載された事で先生の人生に何か大きな変化が起きたのかもしれません。美容業界には私のように個人で開業してるドクターもいますが、それ以上にオーナーと院長が分離しているクリニックも多数あります(大手チェーンは基本そうです) このようなケースでは広告やブランディングはオーナー企業が決めてしまい、院長は決まった役割をこなさねばならない事が多いのです。このNo.1ドクターがそうだったかどうかは分かりませんが、あまりにも急な展開があるって事はなんらかの裏事情がありそうですねぇ。まぁこれ以上の憶測はやめて、No.2の先生のSクリニックにターゲットを変更。そこはその先生がオーナーで、無事予約が取れました。Sクリニックはボトックスやレーザーなどのメンテナンスがしやすいようにと、価格がかなり良心的。それも人気の秘訣なんですかね。院長のカウンセリングでは、フェイスラインや瞼のたるみ・シミ・毛穴の治療や、スレッドリフトなど糸の治療について、糸の入ってる付近に注射をしない方がいいか、またヒアルロン酸が入ってる上からFGFやPRPなどの注射はしない方がいいのかなども聞いてみました。ここはレーザーや光・RF(高周波)など機器による治療がメインのようで、糸や手術で引っ張っても皮膚は綺麗にならないから、機器による治療で皮膚のコラーゲンを増やすのが良いと言われました。糸の付近にはやはり注射はしない方が良くて、ヒアルロン酸の入っているところには、他の注射はしない方がいいと。(この辺りの質問の答えによって、真面目で慎重な先生かどうかが大体分かります。)院長先生はまともで控えめな感じの人です。(昔と比べると美容業界でもそういう先生が増えてきて喜ばしい事です。昔は胡散臭い先生ばっかりでしたからねぇ。でもライバルが増えてきたので、さらに切磋琢磨しないといけませんが・・・。) Sクリニックのホームページで、エンディメット・プロマルチという最新たるみ治療機器が、術前後写真ですごく効果が出てたので「1回でこんなに効果が出るんですか?」と聞くと、先生は「・・・いや・・・これは集中治療で、最初の1ヶ月は毎週、その後2週に1回で、3ヶ月で8回した結果です・・・」という事は40万円以上かかるのか・・・。(さすがにそれは高くない?)しかも目元は別料金で顔全体より高いではないか。「1回でも少しは効果出ますか?」と聞くと、先生は正直な人のようで「いやぁ~・・・1回ではちょっとねぇ・・・。それに神戸でしょう。3~4ヶ月に1回ではちょっと・・・。せめて1ヶ月に1回はしないと・・・」なんだ。がっくり。でもせっかく来たので受けてみようかなと思ったんですが、「この器械は最新型なんでここにはないんですよ。分院の方にはあるんですが・・・」さらにがっくり。先生もすまなさそうです。「あ、でも明日まで東京にいるので、明日分院で受けられませんか?」と聞くと、先生は嬉しそうに「それはいいかも!」(ちょっとカワイイ。美魔女受けが良さそうなのもNo.2の秘訣?)それまでのカウンセリングで、頬のBNLSと眉間のボトックスも勧められてたんですが「それだったら注射は明日分院でまとめて受けた方がいいかも。できたら注射は機器の治療後の方がいいんですよね」(その辺もきちんとしてる。)・・・という事で、その日は最新のシミ・毛穴治療というBBL(光治療)を受ける事に。「痛くない」と言われたけど、やっぱり痛くて途中でめちゃ冷やしてなんとか終了。これはあまり効果が分かりませんでしたが、翌日を楽しみに・・・。さて翌日、Sクリニックの分院へ。分院の先生は若いけど知的で紳士的。機器の治療には詳しいようで、丁寧に説明してくれました。昔のたるみ治療の機器はコラーゲンを熱で変性させて壊し、再構築を促してたるみを改善すると言われており、それが果たして皮膚に良いのか賛否両論でしたが、新しい理論では、皮膚の深部を暖めてヒートショックプロテイン(細胞が熱などのストレスにさらされた時に放出する自己修復蛋白)を放出させ、コラーゲンを増やしてたるみを改善するのだそうです。皮膚表面の温度を41~42 ℃に設定すると、内部は50℃くらいになるんだとか。お風呂で暖まってヒートショックプロテインを出すよりは即効性はありそうですが・・・。「本院で1回ではあんまり効果ないって言われたんですが・・・」と言うと「そんな事ないですよ。熱でコラーゲンが収縮するので、1回でも結構引き締まります」「3~4ヶ月も空いたらあまり効果ないとも言われたんですが・・・」「大丈夫ですよ。する度に効果は出るのですればするほど良くなっていきます」分院の先生は自信ありげです。(本院の院長はかなり慎重な人のようです。)サーマクールとは違って皮膚表面より深い層の温度が上がるため、痛くないのだとか。顔と首で1時間、目元で1時間くらいかかるようで、両方は時間がなかったので顔と首に試してみる事にしました。今まで「痛くない」って言われた機器でも全部痛かったので、これも痛いんじゃないかと心配していましたが、時々熱いだけで本当にあまり痛くありませんでした! そして直後は結構引き締まった感じ。翌日は少し戻りましたが、ちょっといいかも。(もうちょっと安かったらもっといいんですけどねぇ・・・。)そして、このクリニックは先生も良かったんですが、分院のスタッフがすごく良かった。まだできて間もないクリニックでスタッフは4人しかいないとの事でしたが、みんな若くて元気でキビキビ動いているので多くのスタッフがいるように見えました。忙しくても笑顔を絶やさず、しかも対応も丁寧で、クリニックの印象にはスタッフの態度も大きく影響するなぁと再認識しました・・・。 さぁ、いよいよ今回のメインイベントたるお目当てのTクリニックへ。ここは2日前からキャンセル料が10,000円もかかります。そして「滞在時間は3時間は見てください」と。かなり待たされた後カウンセラーによるカウンセリングが40分以上。額のシワにはT式ヒアルロン酸注入、フェイスラインのたるみには輪郭注射、毛穴にはT式フラクショナルレーザー、「ヒアルロン酸は表面の小ジワには効かないので・・・」とT式メソフェイシャル(エレクトロポレーション=電気刺激で細胞膜を一瞬広げ、美容成分を浸透させる方法)を勧められました。やたら「T式」とついているので「何がT式なんですか?」と聞くとメソフェイシャルは美容成分が、他の機器は設定が、ヒアルロン酸注入はもちろん注入方法がオリジナルなんだとか。相変わらず自信満々です・・・(^_^)。かなり長いカウンセリングで輪郭注射と、眉の上のへこみにヒアルロン酸注入を勧められました。眉のすぐ上はボトックスも打てないし、試しにヒアルロン酸注入をしてみるか。その後さらに待たされて、やっと院長が登場。「今日は眉上かな?」と聞かれ、「おでこって危ないって聞いたんですけど・・・」と言うと「まぁ簡単じゃぁないよね。危ないっちゃぁ危ないんだな・・・。どの医者でもいいかって言うと、それはないね。それだったらやめた方がいいよねぇ」・・・久々に拝見する自信満々の田村正和もどきです。「なんで危ないんですか?」と聞くと、「大事な血管が走ってて、詰まらせちゃったらよろしくないんで。ちょっとやったくらいのお医者さんじゃぁ・・・きついだろうねぇ。あ・・・勿論、僕はクリアしてるけどね」はぁ、そうですか。では・・・「血管をよける技があるんですか?」と聞くと「そりゃぁありますよ。あります。結構苦労して見つけた技なんで。ちょっと頑張ってみようかなって程度のお医者さんに任せるのは、厳しいだろうね。そりゃ、僕が一番とは言わないけどさぁ・・・」「どうやってよけるんですか?」「深さだね。深さ・・・が大切なんだよね。血管のある深さには入れない。そこがなかなか。同じ深さに入れる難しさってのがあるんでねぇ。・・・それだけと言えばそれだけだけど、それが技って言う事かな・・・(ウインク(^_-))」・・・うん。相変わらず自信たっぷりです。(ちなみに「ウインク」は私がその雰囲気を感じただけで、実際にされた訳ではないので括弧書き。) ここから本題に。「先生、こないだ雑誌に載ってられましたね」「雑誌はよく載せてもらってるからねぇ」「美ST。ビスタシェイプの・・・」「ああ、A社ってメーカーの教える立場を僕が任されてるんでそれで載ったんじゃないかな」「ビスタシェイプってどんなんですか?」「ま、メーカーが推し進めてる一定のやり方だな。判を押したようにやれば始めたばかりの先生でもまぁまぁ結果出せますよ、って方法だね。悪くはないんだけど僕のやってる方法の方がずっと上いってるよ」そこで・・・「ビスタシェイプって頬骨の上に打つみたいですけど、先生、去年あんまり好きじゃないって言われてましたよね?」・・・とかなりマニアックかつ、覆面捜査ばれギリギリの質問を投げかけてみる事に。「あぁ、頬骨の真上には打たないよ。まぁ打つ場所と量だね」「じゃぁ先生がビスタシェイプで打つとしたらどこに打つんですか?」「頬骨の頂上は避けますよ、実際のところは。微妙に上にずらすんだな・・・。頂上には入れたくないんで。ビスタシェイプってあまり気にしなくていいですよ。枠にはめて初心者でもできるようにした方法ですから。医者もピンからキリまでいるからねぇ」「じゃ、先生が出られてたのは教える立場だからですか?」「そりゃそうですよ(キッパリ)。それ以外の何ものでもない・・・はっはっはっ・・・そぅ、そぅ、そぅ・・・。自由に僕が打ったらそりゃもっと若くなりますけどね。それ以上やらしてくれなかったからあんまり変わってなかったと思うんだけど。あぁ・・・それに見てないんだよな・・・その雑誌・・・・・・」例によって、田村正和の声で狩野英孝が石原裕次郎の真似をして汽笛のなる港の船をボーっと見つめて言ってる感じです。(ここまで悦に入ってくれると逆に安心かも・・・(^_^)) 自信たっぷりの院長の診察は10分ほどで終わり、またカウンセラーが登場。20分ほどいろいろ勧められたけど結局ヒアルロン酸注入だけに。額だと1本10万のが4~5本後必要と言われたけど、眉の上だけでいいからと言ってなんとか2本に留めました。(貧乏性なので強調しておきますが、あくまでも自腹治療なので・・・(^_^;)) 注入前にスタッフが影をつけた術前写真を撮って写真をくれるんですが、自分の顔がめちゃ怖い。ここまで影つけんでもええんちゃうん? 術後と比べさせる作戦だな・・・と思いましたが、術前写真を渡すのはいい方法ですね。(術前の顔を忘れて効果が分からなくなってしまう方もおられるので・・・(^^))しかし注入までこぎつけるのに約2時間。だいぶたってから院長が登場し、眉の上の神経ブロック(神経の付近に麻酔を注射して、その神経が支配する皮膚の領域に麻酔を効かせる方法)。おっと!これはお見事でした!! 2-3分で麻酔がバチッと良く効きます。そして危ない額のヒアルロン酸注入もあっという間に終了。注入も片側2-3分で済んでしまいました。すごい早技です。これはさすがに自信満々発言が出るだけの事はあるなぁと感心しました。(例によってちょっと入れすぎちゃうん?とは思いましたが・・・。)帰りがけにちょっとおべっか使って「美STの『40代を綺麗にしたドクターベスト3』に先生が入ってないのはおかしいですよね? 雑誌って適当なんですかねぇ」って振ってみると、「そりゃ適当だねぇ・・・(ニヒルな笑い顔)適当以外の何ものでもないさぁ」・・・とまた、汽笛の鳴る海をぼーっと見つめていました。・・・そんな訳で遅まきながら、2015年流行語大賞もやっぱりT先生の「それだけと言えばそれだけだけど、それが技っていう事かな・・・(ウインク)」に決定とさせていただきます!さてさて2016年はどんな年になる事やら。私は個人的な事なんですが、2015年は母親が亡くなった事もあり人生を振り返ってみたり自分のしている事を考え直してみる機会が多かった気がします。2015年はニュースを見ていると相変わらずテロとか銃の乱射みたいな事件が多かったですね。なんだか2016年は収束するどころかもっとひどくなるんじゃないかと杞憂してしまいます。平和がこんなに尊いものなんだとこの年になってつくづく思います。ある調査によると、人生の満足度は50歳を超えた時から急激に上がっていくそうです。恐らく50年間生きてこれたというだけで何かのおかげだ・・・と感謝できるようになるからだそうですが、まさにそうかもしれません。そこで、2016年は私も「平和」に貢献したいと思うのです!(なんとも大胆な宣言ですが・・・(^_^;))私がここで偉そうな事を言う柄でもないのですが、先日ある人と話をしてるとその人曰く「結局テロとか世の中が物騒な動きをするのって、若者が絶望した時なのよ。年寄りがいくら絶望したって極端に言えばそのまま死ぬのを待つくらいでしょ。でも若い人は、何か行動するエネルギーがあるのよね。その人達が仕事もなく将来への希望を持てず、絶望して行動を起こすと世の中が平和じゃなくなるんだね。日本が平和を保ててるのは元来平和な国民性とか、先の戦争を反省したとか憲法のおかげとか言う人がいるけど、そんなんじゃなくて結局若者の失業率が低いからなのよ。暴動が起きてる国って必ず若者の失業率が高い国なんだから」と言ってました。勿論、それだけが原因じゃないんでしょうけど、非常に説得力のある話で「なるほど!」と思いました。仕事がなくて、エネルギーだけ余ってる大量の若者が将来に絶望するとなると、想像しただけで恐ろしい事になりそうです。そんな訳で私のレベルでできる平和への貢献は若い人が活躍できる場を作り、そこで若い人を雇用する事なんじゃないかな・・・なんて思った訳です。まぁ・・・勿論、たいした事ができる訳じゃないんですが、エコロジー活動のように「自分の身の回りからできるエコ活動もあるんだから、自分でもできる平和活動」って事で、何もしないよりはマシな気がします。そんな訳で、2016年はクリニックでも若い人が活躍できるような、何か新しい試みを密かに考えています。また具体的に発表する時期になったら、この通信でもお知らせしたいと思います。「平和活動って、それだけ・・・と言えばそれだけだけど、それが始まりって言う事かな・・・(ウインク)」 2016年もよろしくお願い致します!!  

第153回 (2015年12月)「三回目のマイブーム」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。秋もすっかり深まり、冬がもうそこまで来ていますね。皆様、風邪などひかれていませんか? 秋と言えば、食欲の秋!(年中食欲は旺盛な気がしますが・・・。)「実りの秋」と言えばお米。新米の季節です。このクリニック通信を昔から読んでいただいている方はご存じと思いますが、その昔は「がんちゃん米」というものにはまってしまい、一時期は毎日和食でした。(自分史の中ではこの時期を第一次和食ブームと呼んでます・・・(^_^)。)そして第二次和食ブームは、昔勤務医時代の病院でお世話になった婦長さんからもらったお米がきっかけでした。その婦長さんが愛媛に引っ越してお米作りに励み、美味しい新米をよく送ってくれたので、秋には新米を楽しみにしていました。婦長さん米があれば後は漬け物だけでも満足・・・っていうくらい美味しいお米だったんです。しかしその後、婦長さんもお年を召して体力的に限界が来たようで、お米作りをやめられたのでしばらくご飯から遠ざかる事になりました。そんな中で今年はふとした事からまた美味しいご飯に巡り会ったんです。いつものパターンだったら誰かが美味しい新米を手に入れてそれを分けてくださる・・・という事になりそうなんですが、今年はちょっと違った形で第三次和食ブームの到来です。きっかけは、ある方からお中元に「選べるギフト」のカタログをいただいた事にあります。最近は結婚式などの引き出物もこの「選べるギフト」形式が増えましたよね。一生使う事のないであろう、結婚した二人の写真が印刷された夫婦茶碗とかはさすがに引き出物から姿を消し、近年の主流はこの「選べるギフト」に完全移行したように思います。このカタログギフトは初期の頃はそれなりに嬉しかったのですが、最近はどれを見ても「欲しい物がない!」って思いませんか? 友人と話をしても「選べるギフト」で欲しい物が見つからないって話はしょっちゅう出てるので、そう思っているのは私だけではないのではないでしょうか? それでも現代の「物あまり」という世相を反映してか、本人の好みとは関係なく一方的に送られるギフトよりは、「選べるギフト」はお中元やお歳暮のシーンでも随分一般的になりました。そんな中で、ある方からお中元に「選べるギフト」をいただいたのですが、例によって欲しい物がないのでそのまま机の上に放置していました。 ある時、高校時代の同級生が遊びに来た際にそのカタログをパラパラとめくっていると「あ・・・プヤ(私の高校時代のあだな)、これって申し込み期限明日までみたいよ」へぇ・・・と見てみると、確かに明日までに申し込まないと有効期限切れになってしまいます。さすがに有効期限切れになるのはもったいないのですが、何度見ても欲しい物がないのは変わらない・・・。そこで「もう自分では選べないから、Oちゃん選んでよ!」と丸投げしました。「えぇ・・・何でもええん? ほんまやね? 何選んでも後から文句言わんとってよ」って事で彼女が選んだのが「特別栽培米魚沼コシヒカリ」というパック入りのご飯。「へぇ・・・なんでそんなん選ぶん?」「腐るもんじゃないし、便利でしょ。それに昔、山口美江がCMで『あぁ・・・柴漬け食べたい!』って部屋にへたり込むのあったでしょ。(あったねぇ。そんなやたら古いCM・・・。まぁそう言われてすぐに思い出す自分も情けないが・・・。)あんな感じで疲れ切った時に、なんかご飯と柴漬け食べたいって思ても、それからご飯炊くの面倒やん。そしたらそんな時の為に置いといたらええんちゃう? 腐るもんでもないし・・・」う・・・ん。そうかなぁ・・・と思いつつも、まあ文句言わないという約束だったし・・・。彼女の見立てでインターネットのWEBページを開き「特別栽培米魚沼コシヒカリ」にチェックを入れて、住所など配送情報を入力して「送信」をクリック。その日はそれでおしまい。後日、段ボールに入った商品が届いたのですが、それも食べる事なくしばらくはキッチンの食材庫の中に放り込んだままでした。 決定的瞬間が来たのはそれから2週間後でした。その日はカクテル注射の患者様が3人も続いた上に新患の方の来院も多く、その合間を縫って点滴という感じで、クリニックはてんやわんやの大忙し。スタッフの皆も遅くまで残ってくれて私も残務を終えて家に帰ったのは23時を軽く超えてました。勿論、夕飯はまだ。もう疲れ果てたのでそのまま寝ようかとも思ったのですが、おなかがすいてるのは我慢できそうにない・・・でも何か作る元気はない・・・ってな感じで冷蔵庫を開けると、運悪く昨日は「残り物さらえday」だった。すぐに食べる事ができるものと言えばもらい物の紀州の梅干しくらい・・・。もうガックリ・・・って感じで冷蔵庫の前にへたり込んでしまいました。その瞬間「あ・・・柴漬け食べたい!」という言葉が頭の中でリフレイン。(やっぱり一斉を風靡したCMだけあるなぁ・・・あのCMの脳への残像効果は凄い!)柴漬けはあいにくないが、この紀州の梅干しだったら柴漬けの代わりにはなりそう。って事はあとはご飯。そうそう・・・この前送られてきたパック入りご飯があるじゃない! なんてラッキーなの!ってな訳で早速「特別栽培米魚沼コシヒカリ」を電子レンジに放り込んで、紀州の梅干しで質素な夕飯。冷たいビールがあるからそれでもいいか・・・。という感じで、ふとした事でその「特別栽培米魚沼コシヒカリ」をいただく事になったのですが、一口ほおばると「あれ? 美味しい!」二口目は「あれ? これって本当にパックご飯? 何かの間違い?」三口目は「もうこれしかない!」って感じで、めちゃくちゃ美味しいじゃないですか! いや・・・パックご飯と言っても侮れないのです。下手すると普通にお釜で炊いたご飯よりも美味しいかも・・・。こんなにお手軽にいつでも美味しいご飯が食べる事ができるなんて、現代のテクノロジーの進化には唯々驚くばかりです。以前にテレビで中国の旅行者が日本に来た時は日本の炊飯器を「爆買い」するって言ってましたが、確かに日本の炊飯器の進化は凄いと思います。でもこのパックご飯がそのまま進化すると、炊飯器そのものが必要なくなるんじゃないか・・・って思ってしまいます。私のように仕事を持ってて帰りが遅くなる人にお米を研ぐ手間も炊く暇も要らない手軽さは貴重です。これをきっかけに、久しぶりに第三次和食ブームが到来したのは言うまでもありません。その後はデパ地下に出没して中トロを塊で買い、海苔と大葉・ごま・山葵・沢庵も揃えて炊き立て(?)ご飯でトロタクパーティー。うん、これはなかなかいける!(デパートに食材を買いに行けるって事は本当はそんなに忙しくないんじゃない?って思った方は間違いです! これはいわゆる価値観の違い・・・ってやつでして、マイブームが到来するとなぜか、忙しさの合間を縫ってそのような行動ができるようになるんですねぇ。皆様も経験ありますよね?)  そうなると今までシャンパンやワインばかりだったのに、日本酒が必須になってくるのが不思議です。そうだ! 秋はひやおろしの季節だという事を思い出しました! 4年程前の通信にも書きましたが、ひやおろしというのは、日本酒での製造過程で通常2回行われる「火入れ」という低温加熱殺菌のうち、2度目の「火入れ」をせずに出荷されるお酒の事です。その昔、冬にしぼられた新酒は劣化しないよう春先に火入れした上で大桶に貯蔵し、ひと夏を越して外気と貯蔵庫の中の温度が同じ位になった頃、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま大桶から樽に「卸(おろ)して」出荷した事から、このお酒は「冷卸(ひやおろし)」と呼ばれ、秋の酒として珍重されたそうです。夏に整形外科の集まりで会ったグルメの先輩が「これこれ。この酒美味いねん」と教えてくれた「鷹勇」のひやおろしを取り寄せてみよう!と思いつき、探してみるとありました、ありました。取り寄せて飲んでみると、やっぱり美味いじゃないですか! しかしひやおろしは秋にしかないので、すぐに売切れてしまいます。あるうちに買っておこうと、2回目はK氏のワイン10本買いのように(以前の通信にも書きましたが、東京のワイングルメK氏は美味しいワインを見つけると「なくなっちゃったらいやじゃないですか」と10本単位で買うそうです。おかげでK氏の自宅のワインセラーには3000本のワインが眠っているのだとか・・・)たくさん頼みました。しかし、たまたま行ったお鮨屋さんで「ひやおろし、ありますか?」と聞いたら出てきた伯楽星のひやおろしがまた美味い! 次に行った和食屋さんで出してもらった写楽のひやおろしも美味い! その度に美味しかったひやおろしを取り寄せていたら、去年買ったワインセラーが日本酒でいっぱいになってしまいました。こらあかん、ええ加減にやめな・・・。と買うのをやめて飲む方に回ったんですが、ワインと違って日本酒は1日に1本も開けられません。これは不思議ですよねぇ。アルコール度数はほぼ同じなのに、シャンパンやワインだと二人で1本はあっという間に空いてしまうのに、日本酒だとちびちび・・・って感じで、なかなか減らないんですよね。それでも例のトロタクとイカの麹漬やちりめん山椒、いくらの醤油漬・・・なんかでちびちびやるのはたまりません。(なんかオヤジみたいですけど・・・(^_^;) 。)なんだか・・・食べ物の話を書き出すとだらだらと書き続けてしまって、何にもお役に立てる情報が入ってないですねぇ。駄目だなぁ。でも、もうここまで来たら最後まで徹底的にグルメネタで押し通そう! しかしこんなどうでもいいお話に皆様をお付き合いさせてしまったお詫びと、この楽しみを皆様にもお裾分けしたいという事で、緊急企画を実施します! 12月中にクリニックでお顔の注射治療を受けられて、受付で秘密の合い言葉を告げていただいた方には、なんと美味しいひやおろしを1本プレゼントしちゃいます!(久々の太っ腹企画! まぁ・・・お酒の好きな方以外には反応してもらえないのがちょっと寂しいが・・・。)先着5名様とさせていただきますので、お早めにご来院くださいね! 合い言葉は「ひやおろしって美味しいですよねぇ~」です。お久しぶりの方にもお会いできる事を楽しみにしています! 後日談ですが、この「選べるギフト」で届いた「特別栽培米魚沼コシヒカリ」を早々に食べ尽くしてしまったのでネットで同じようなパックご飯を注文したのですが、どれももう一つ。やっぱりこの「特別栽培米魚沼コシヒカリ」が一番美味しいようです。ただ、普通に食べると他のメーカーの物でもまずいわけではないし、それなりに食べられるのですが、人間の感覚って恐ろしいですね。最初に美味しい物を食べてしまうと、それ以降に類似の物があっても満足できなくなってしまうんです。結局、ネットで検索しまくって同じ「特別栽培米魚沼コシヒカリ」を探し当てて買い込む事に成功。しばらくは美味しいご飯を食べる事ができそうです・・・(^_^)。さて、今年も残り1ヶ月。この1年も、たくさんの患者様に来ていただいてありがたい限りです。中にはしばらく来られてないなぁと思っていたら、他のクリニックに行かれてたという方もおられました。昔から来ていただいている常連のT様もその一人。「友達がKクリニックでフェイスラインの脂肪吸引してスッキリしてたからやってみてんやん。そしたらえらい事になってしもて・・・」あらら・・・せっかくPRPやカクテル注射でふっくらしていた頬がげっそり。「もう、めっちゃいややねんやん。先生、なんとかしてぇな~」うむ・・・しかしここまでげっそりしたら、いくら強力なオーダーメイドエセリスカクテルでもなんとかなるかなぁ・・・。FGF(線維芽細胞増殖因子)を多くしすぎて膨らみすぎても困るし・・・と悩みながら計算して、オーダーメイドエセリスカクテルを4本打ちました。FGF長者番付に載るくらいFGFを多くしたので仕上がりをちょっと心配してたんですが、2週間後に「だいぶようなって、ええ感じやねん! そやけどもうちょっとふっくらしたいねん」と追加されました。その後「ようなってん! 整形したん?て言われたくらい!」効果があってほっとしてたら、「もう他のとこ行くのんやめとくわ・・・絶対行かへん!」そう言われると嬉しくなってしまいます。他にもありがたい事に「はじめここで治療してもらってたんですが、ちょっと浮気心が出て他のクリニックにも行ったけど、やっぱりここに戻って来ました」と言われる方もおられ、そんな日は一日中気分良く過ごす事ができます。逆にそう言われるように努力しないと駄目だな・・・というプレッシャーもひとしおではありますが・・・(^_^;)。美味しいご飯もクリニックも一緒ですね。「やっぱりここでないと」と言われるように、来年も頑張ります!