第132回 (2014年3月) 「ウチのクリニック」

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。立春とはいえまだまだ寒い日が続きますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? この原稿を書いている時は神戸も少し雪が降っていたのですが、関東は記録的な積雪のようでした。ニュースを見ていると東京の人が慣れない手つきで雪かきしているのがなんだか微笑ましくて笑ってしまいました。(当事者にとっては切実な問題なんでしょうけど…実際に交通機関も大幅に乱れていたようですし、笑い事ではないんですけどね。)私の東京にいる知り合いもFacebookに子どもと一緒に雪で作ったカマクラの写真をアップして「雪不足で悩むソチに運んであげたい!」ってメッセージ書いてました。そう言えば、開催前は雪不足とか安全面での問題とか何かと不安なニュースの多かったソチオリンピックも、無事開幕して連日熱戦が繰り広げられているようです。 ただ、非常に個人的な主観で申し訳ないのですが、冬季オリンピックって夏季のそれと比べて、どうしても入れ込みが薄いんですよねぇ。これは一重に「冬季オリンピックの種目は自分でやった事がないものが多い」って事なんでしょう。私も若かりし頃はスキーはよくしましたが、まさかジャンプなどの経験はないですし、モーグルとかクロスカントリーなんかも勿論、未経験。もうスノーボードに至っては完全に世代の格差なのか、全く分からない…。(世の中にはスノボをやっている世代とやらない世代で完全に世代格差があるんだとか…。なんかBCGの跡が肩にある人達とない人達で年を判別するようようでヤダねぇ…。私? 勿論BCGの跡ありますけど、それが何か?)ましてやボブスレーやカーリングなんてどこに行ったらできるのかすら分かりません。一体、あの手の競技は何がきっかけで始めるんでしょうか? 普通の生活してて近所にボブスレーできる施設なんてないと思うんですけどねぇ。その点、夏季のオリンピック種目は分かりやすい。100m走とか走り幅跳びなんて誰もが経験しているし、球技なんかも学校でやった事があるものが多いでしょ。(何よりも卓球がオリンピック種目である事が私には大きい…(^^)。愛ちゃん頑張れ!) まぁ…そんな訳で冬季オリンピックは私の中では盛り上がりがイマイチですが、この為に青春のすべてをかけてきた若者がいる訳ですから、なんとか栄冠を掴んで欲しいという気持ちは人一倍あります。それに何が素敵って、あの表彰台に上がった時の選手の顔です。特に金メダル! 日の丸が上がって君が代が流れる時に表彰台で必至に涙をこらえている選手の表情と言ったらもうこれはどんな映画にもまさる感動のシーンで、あれは決して演技ではできないですよね。本当に胸にジーンときます。君が代だってあの低音で「ズゥ…ン。ズゥ…ン」とお腹に響く出だしで、最後まで安易な盛り上がりを持たずに静かに、静かに終わっていくあのサウンドは、日本の伝統文化「侘び寂び」ですよ。どこかの国のチャラチャラしたマーチソングとは訳が違うのだぁ! 日の丸だってあんなにシンプルなデザインで統一された国旗はないでしょう。どこかの国のようにチャラチャラと星が沢山あったり、色々なカラーを無理に一枚の布に閉じ込めている妥協の産物とは訳が違うのだぁ! 何かと歴史的な観点で批判している人がいますが、オリンピックの時は「日の丸」と「君が代」は絶対にワンセットでしょ。頑張れ日本!!フレー!フレー! ニッポン、チャチャチャ! やっぱり根が体育会系なので、冬季オリンピックはイマイチといいながらどうしても熱くなってしまいます。ちょっとクールダウンしなきゃ…^^;)。 …という訳で冬季オリンピックの真っ最中ですが、暦の上では立春なので、すでに春になっているという訳です。話はいきなり変わりますが、春と言えば別れと出逢いの季節ですね。当院でもコロコロS君の天敵だったHちゃんのルームメイトで去年からアルバイトに来てくれていたMちゃんが大学を卒業し、就職のために巣立っていく事になりました。「ハゲ」とか「ブタ」とか「鼻毛が出てる」とか「足が臭い」とか言われたり、アンパンマンや子豚の似顔絵を書かれたりしていつもみんなにからかわれているS君をかばってくれる、唯一の優しい子だったのに…。S君の立場が厳しくなるのは必至です。そしてもう一人、4年近く当院で常勤として勤めてくれていたYちゃんが、音楽関係(彼女はジャズ・サックスをしてたんですね~)の仕事に方向転換するために辞める事に。長らくクリニックの顔として、受付や電話で活躍してくれていたYちゃんがいなくなるのも寂しい限りですが、留学生と学生バイトの多い当院では電話に出られるのがYちゃんとS君の2人だけだったので、S君は大慌て。急遽スタッフ募集をかける事になりました。 すると今回はすごくたくさんの応募があり、中には九州や中国地方の人も。「勤務地を間違えたのでは?」と思って確認のために電話してみると、そうでもないんです。「地元を出たい」という人や、「引っ越すので神戸で仕事を探している」という人など。こういうのって、縁というか、不思議な出逢いですよね。「関西で仕事を探し始めたら、たまたまそちらのクリニックを見つけて…」とかいうのって、たまたまその人が思い立って仕事を探し始めた時期と、当院が募集に力を入れ出した時期が合致しなければ出逢いもないと思うんですよね。さらにその人が当院で働きたいという気持ちと、私が当院に来て欲しいという気持ちが合わないといけませんから、たまたまが重なってすごく不思議な縁っていう気がします。そういう縁は大切にしないといけませんよね。そう言えば3年前、コロコロS君が当院に来た時も、研究できる職場を探していたS君はインターネットのサイトを100ページくらい探して、当院を見つけてくれたそうです。当院も当時は研究したいという人を探していたんですがなかなか見つからなかったので、両方の希望が一致して、「待ち人来たる!」って感じでしたねぇ。最近はインターネットのお蔭で全国からそんな人が当院のホームページを見てくれるようになり、「インターネットの成せる業」はすごいなーと改めて思います。 そうやって縁もゆかりもなかった人達が何かのきっかけで同じ土地の同じ職場で仕事を始めると、最初はぎこちなかったスタッフ達もだんだん慣れてきて「仲間意識」が芽生え、「ウチのクリニックが…」というようになります。自然に彼らの口から「ウチの…」という言葉が出るようになるともうそれは仲間であり、家族同様になったんだな…って思います。外国出身の留学生ですら、慣れてくると自然に「ウチのクリニックでは…」って言ってるのを聞くと、なんだか嬉しくなります。そうやって仲間になったかと思うと、高校野球のシーズンになると自分の出身地の高校を応援しているし、オリンピックになると自分の生まれ育った国を応援しています。人間の持つ帰属意識ってとっても複雑なんですよねぇ。 ところで以前クリニックにいた留学生のアルバイトの子が、こんな事を言ってました。「先生、日本って凄い国ですね。すっごく曖昧な事を曖昧なままに認めてしまうじゃないですか。国の正式名称すらニッポンと読んでもニホンと読んでもどちらでもいいなんて、そんな事を認める国は世界中探しも日本くらいでしょう」…と。うむ…。さすがは国費援助をもらって来日している留学生。なかなか言う事が鋭い。 確かにお札には日本銀行券って書いてるけど、これはニホンギンコウケンって読みますよね。でもオリンピックの応援は「頑張れニッポン!」ではないか。日本の正式呼称って本当に決まってないの?と思って調べてみました。 すると確かに民主党の岩國哲人議員が2009年に「日本国号に関する質問主意書」としてニホンとニッポンのどちらかに正式呼称を統一するのかという質問に対して、当時の麻生内閣が「統一はせず、どちらを使っても良い」という答弁しているようです。国会答弁における内閣の見解なので、これが日本政府の公式見解と考えていいそうです。へぇ…そうなんだ。本当にどっちでもいいのね。改めて言われると確かに不思議な国ですね。国の名前と言えば先日、Yahooニュースに「中央アジア・カザフスタンのナザルバエフ大統領が国名を変更する考えを表明した」という記事が載ってました。…なんで国の名前を変えるのかというと、「大統領はウズベキスタン、タジキスタンなどスタンの付く国が多い地域でカザフの知名度が埋没しているとの認識を表明。人口が約1600万人のカザフより少ないモンゴル(約280万人)を引き合いに「スタンの付かないモンゴルが外国人の関心を呼んでいる」と述べ、国名変更の必要性を指摘した…と。う~ん。スタンのつかないモンゴルは外国人の関心を呼んでるって本当?? それはともかく、要するに「もっと目立つ名前に変えて皆に私達を知ってもらおう!」って事ですよね。かなり昔に「山陽相互銀行」というお固い銀行さんが「トマト銀行」に名称を変更して一躍有名になった事があったんですが、それと同じ事を狙っているのでしょうか? だとしたらかなりアバンギャルドな名前にして欲しいですよね…(^^) 。 私も以前は「異人館通りクリニック」という、なんとなく「おしゃれな響き」のある名前でクリニックをやってましたが、現在の場所に移転するにあたり「柴田美容皮膚科」と名称を変更しました。(トマト銀行とは逆のパターンですね。)これは私が自分のクリニックに自分の名前をつけることで、雇われ院長がやっているチェーン展開のクリニックではなく、すべての診療に対して私自身が責任を持つという事を表明したかったからです。そう言う意味ではカザフスタンの大統領はこれからの国造りにかけるコンセプトを明確にする為に名前を変更したいという意図を持っているのでしょうし、日本は敢えて呼称を「ニホンでもニッポンでもよい」とする事で長い歴史の持つそれぞれの言葉への思いを大切に守っていきたいという事の表明なんだと思うのです。う~ん。奥が深い…。 春に向け、これから新しいスタッフを迎えて、色々な事にチャレンジしていく事になります。それぞれのスタッフの出身は違っても、何かの縁でこの時期に神戸の三宮に集まり、一緒に仕事をする事になる訳です。休みの日にはそれぞれの故郷に帰る事もあり、オリンピックやワールドカップの時にはそれぞれの国のチームを応援して熱狂するけれど、試合が終わればまた同じ仲間として「ウチのクリニック」での生活に戻るんですよね。オリンピックでそれぞれの国の故郷からの声援を一身に受けて表彰台に立った人達も、宴の後にはそれぞれ「ウチの生活」に戻って行くんですね。国とか出身地というのは普段の「日常生活」の中では意識されていなくて、職場とか学校とかのコミュニティに帰属意識があるけど、オリンピックとか高校野球みたいなものがあると出身地としての帰属意識が芽生えて、そのお祭りが終わるとまたコミュニティへの帰属意識に変わる…。お祭りというのは普段はコミュニティに対する帰属意識を持っている人に、一時的に「出身地」に対する帰属を思い出させる為にあるんじゃないでしょうか? 人の縁や絆はかくも不思議で奥が深いものなんだなぁ…。そんな事を考えていると、当院でもスタッフだけでなく、患者様からも「ウチのクリニック」と呼んでもらえるようなクリニックにしていかないといけないな…と改めて思った次第です。これからもご声援よろしくお願い致します…(^^)。

第131回 (2014年2月)「クレオパトラの商談」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。とっても寒い日が続きますね。皆様は風邪などひかれていませんか? 私も今年に入って何回か風邪をひきかけてはいるのですが、お陰様で本格的な症状が出る前に回復しています。昔小さい頃には寒い日に薄着をしていると「そんな格好してたら風邪ひくよ!」って注意された経験ありますよね。そして今でも多くの人が寒くなると風邪をひくと言いますが、寒さ云々の前に風邪がウイルス性感染疾患である限り、ウイルスがいないと感染しません。これは当たり前ですよね。南極に行くと風邪のウイルスがいないので、極寒でも風邪をひくことはないそうです(南極に行くまでの飛行機や船で感染すれば話は別ですが・・・)。じゃ・・・寒いと風邪をひくというのは嘘なのかと言うとそうでもなく、普通の生活でウイルスが全然いない部屋はなく、必ず一定の割合でウイルスが空気中に浮遊しているので、ウィルスを外に出そうとする喉の繊毛細胞の動きが冬の乾燥で鈍くなると感染しやすくなるのです。(なので冬場は加湿器などで湿度を高めると感染しにくくなります。) ・・・とは言えやっぱりウイルスって基本的には人から人に感染するものなので、冬場は敢えて人混みの中に行かないというのが一番の予防策です。初詣とかルミナリエとか冬は意外と人が集まるイベントが多いので、あまり積極的に行かない方が本当はいいでしょうね。私が子供の頃は学校に暖房なんてなかったので、唯一の暖を取る方法と言えば「おしくらまんじゅう」だったんですが、考えてみればあれは最悪ですねぇ・・・。あの中に一人でも風邪をひいた子がいれば確実に感染の輪が広がりますよね。そうです。風邪をひきたくなければ部屋を暖かくして加湿器をかけて、一歩も外に出ずに部屋に籠ってニートのような生活をしましょう!・・・って理屈ではそうなんですが、そんな生活無理だし、何しろ面白くないし何のために生きてるのか分からなくなってしまいますね。(私もダイエット指導をしていると時々患者さんから「先生。私の人生の唯一の楽しみは食べる事なんです。この楽しみを奪われると何のために生きているのか分からないんです!!」って切実に訴えられる事が何度かありました。もう訴える目が殺気立っている時があります。勿論そんな時は一旦ダイエットは中断してもらいますが・・・^^;)う~ん。健康を取るか楽しみを取るか。ある程度楽しみがないとストレスがたまって不健康にもなるし、どこかでバランスを取らねば・・・。そうなるとウイルスの危険を承知の上で人がいる場所に行く事になりますので、残る手段は一つしかありません。それは「免疫力を高める」事です。皆様もご存知の通り、人間は外部から侵入して来る細菌やウイルスから体を守る為の「免疫機構」があります。この「免疫機構」っていうのは、水戸黄門の葵の御紋もしくはウルトラマンのスペシウム光線、いや、ヤマトの波動砲か・・・のような最強の最終兵器です。もうこれがダメだったら死ぬしかありません。マクロファージやナチュラルキラー細胞という細胞が外部から侵入してきたエイリアンに総攻撃をかけるだけでなく、一旦獲得した免疫はそのパターンを覚えていて、ヘルパーT細胞って総司令官みたいな奴が、キラーT細胞とかB細胞とかいう細胞に過去のパターンを指示して、効率良くエイリアンをやっつけます。交通事故など人間の身体機能が物理的に破壊される以外の理由で人間が死ぬ事があるとすれば、大半はこの免疫機能の低下の為です。 そんな訳なので殆どの問題は「免疫力を高める」事ができれば解決するのです。とってもシンプル。しかしこのシンプルな事のための方法を人間は数百年以上研究してきているのですが、「絶対的にコレ!」っていうものは見つかってないようです。そんな訳で色々な分野の人が色々な方法で免疫力を高める提唱をしています。「体を温めるのが一番いい」とか「免疫力を高める食べ物はこれがいい」とか「ストレスを貯めない」「適度な運動」・・・などなど。パワーストーンとか魔除けの人形なども含めると一体世の中にどれくらい免疫力を高める方法があるのか分かりません。また、厄介な事にこれらの方法は「ある人にはとっても効いたけどある人には全く効かない」って事も多いのです。私が思うに「栄養のバランスがとれた食事をする」「適度な運動をする」「適度な睡眠をとる」「ストレスを貯めない」ってところまでは万人に効く方法ですが、それ以外の事になると効く人と効かない人の差が激しいので「やってみてその人に合った方法を見つける」しかないんじゃないかな・・・って思います。パワーストーンだって本当にその人に効けばそれで良い訳ですし・・・(^^)。ただ私も一応医者になって30年位になるので、患者様に色々な薬やサプリ等も処方してきました。その中で「絶対ではないが非常に多くの人にかなりの効果をもたらす」というものであれば挙げることができます。 それはプラセンタです。(世の中にプラセンタと称するものは多数ありますが、私が言っているのは人間の胎盤から抽出されたヒトプラセンタです。)こう言っておきながら私が言うのも変なのですが、このプラセンタがどうして免疫力を高めてくれるのかの学術的な説明はきちんとできないのです。いえ・・・正確に言うと、プラセンタが免疫力をなぜ高めるかの研究はされておりそのメカニズムの説明も出ていますが、そのような免疫力を高めるメカニズムを持った薬剤やビタミン類は沢山ある中で、なぜプラセンタが突出してその効果が高いのかが分からないのです。説明だけ聞けば他のサプリだってそれなりに効果ありそうなんですが、やはりプラセンタはその中でも効果がダントツです。しかも、現在使っているプラセンタはそもそも肝機能改善薬として厚生労働省から認可されたもので、「美肌効果」とか「免疫力改善」などの効能で認可されたものではないのです。その意味では数ある民間療法の一つであって、公的機関のお墨付きのものではありません。なぜか良く分からないけどプラセンタを投与すると症状が改善するみたいだ・・・という口コミによって広がったと言ってもいいのではないかと思うのです。そして、私自身も自分によくプラセンタを投与しますし、患者様にも勧めます。私が風邪を悪化させずに回復できているのもプラセンタお蔭ですし、実際にプラセンタで風邪がよくなったとかひきにくくなったという患者様もたくさんおられます。過去の経験から言ってもプラセンタ以上に免疫力の改善効果があった薬剤やサプリメントは見たことがないんですよね。おまけに美肌効果まで高いし・・・。 皆様もご存知の通り当院ではプラセンタは主に点滴で投与するのですが、クリニックに通えない人にはヒトプラセンタの内服薬も処方しています。これはラエンネックP.O.という商品ですが、日本では一般販売薬として認められていないので、欲しい人は医療機関で処方してもらうか個人輸入するしかありません。当院でも遠隔地で来院できない方や希望の方には処方しています。ところが先般、このラエンネックP.O.が突然品不足になり入手できないという事態が発生しました。原因はメーカーが工場を増設するために一旦生産ラインを止めた事のようです。当院でも連絡を受けた時には少し在庫はあったのですが、どこに行ってもないというので全国から郵送希望の方が集まり、あっという間になくなってしまいました。その後も全国各地から「ラエンネックP.O.は残っていませんか?」という問い合わせが毎日のようにあるので、メーカーの常務さん(クリニック通信では皆様お馴染みのK氏です)とは仲良しだし、以前注射のプラセンタが品薄になった時は優先的に在庫を回してもらった事があったので今回も頼んでみると、「分かりました。ちょっとあたってみます」と言われました。ほっとしたのもつかの間、数日後連絡があり・・・「すいません!! 僕も少しは何とかなるだろうと思っていたのですが、世界的に在庫不足でどうにもならなくて・・・」 ありゃ。これは困った。でもない袖は振れないという事で、仕方なくこの期間中はブタプラセンタのポーサインを入れる事にしました。 K氏:「本当にすいませんねえ。ベトナムやミャンマーで販売許可が下りたもので、生産が追いつかなくなっちゃって。工場を増設するのに、動かしながらっていうのができないもんですから」詳しく聞いてみると、なんとこんなに人気なのに、ラエンネックP.O.を作る工場は日本と韓国に    一つずつしかないんだとか。もう一つ工場を作ろうとしていたところにベトナムやミャンマーで認可が下りたので、間に合わなくなって工場を取りあえず増設する事になったそうです。柴田:「でも、どうしてこんなに急に?」K氏:「実は海外の許認可っていうのは、下りるだろうと言われていても実際に下りるかどうか分からない事が多いんですよ。当てにしてると待たされたりダメになったりって事が結構あるんで、予測で増産っていうのができなくて・・・。貧乏な会社なもんですから、実際に許可証を見てからにしようって言ってたら、急に下りちゃったんですよね」フム・・・そういう訳があったんですね・・・。まぁK氏の言う貧乏な会社ってのは謙遜でしょうけれど、製薬業界の中ではお世辞にも大手とは言えません。プラセンタは人の胎盤から抽出されますので、契約している産婦人科病院からお産の後の胎盤をもらって来て(仕入れて来て?)それを原材料にして作っているので量産するにも限界があるし、製造工程が複雑で製造管理にも手間がかかるので、大手製薬メーカーの薬品のように儲かる商品でない事は私にも分かります。そんな訳で大量生産できない薬剤であるにも関わらず世界的に根強い人気があるので、ちょっと製造が中断すると瞬く間に品不足になります。そうなると全国の人がどうやって調べたのか知りませんが、当院に「そちらであれば在庫があるのではと聞いたもので・・・」と問い合わせされる・・・そのようなものは、後にも先にもプラセンタしかありません。 ところで話は変わりますが、先に登場したメーカーのK氏は自宅のワインセラーに3000本のストックを持ち、一緒に食事に行くとプロのソムリエ達が舌を巻いてしまうほどのワイン通です。そのK氏から、「今回ラエンネックP.O.の件ではご迷惑をお掛けしたので、今度お食事でもご馳走させてください」というありがたいお話がありました。今年のお正月におせち料理をつつきながら親友Mにこの話をすると、 M: 「あのねぇ・・・それは一応社交辞令だと思うよ」柴田:「そんな事ないよ。K氏だってそれを口実に自分だって 美味しいもの食べに行きたいんだよ」M: 「そうかな。ま・・・それはそれでいいけど。 ところで今日は特別なワインを開ける日じゃなかった?」 そうだ! 2014年になったら開けようと我慢していた、とっておきの白ワインがあるのです。それはカリフォルニアワインの白の中ではとびきり美味しくて香りも味もしっかりとしたタイプなので、熟成させるとさぞ美味しくなるに違いないと思って、2000年のビンテージを開封したくなる誘惑を抑えてこの日のために大事に保管していたものです。さぁ・・・いよいよ2014年のお正月。14年の時を経て美味しく成長したワインの味はいかに!って大げさな前振りでいざ抜栓です。しっかり香りを楽しみたいので大型の赤ワイン用のグラスに注ぐと、それはもう蜂蜜のような黄金色。う・・・美しい! いやが上にも気持ちは高まります。そして、大きなグラスをぶるん、ぶるんと回してまずは香りから楽しみます。 「・・・・・・・・・・・・・・・」   何か二人の間に長い沈黙が。M: 「あれ・・・なんかあんまり香りしないね・・・」柴田:「あ.・・・そ、そう? ちょっと風邪気味で鼻が良くないのかもね」    気を取り直して今度はテイスティング・・・。   「・・・・・・・・・・・・・・・」   またもや長い沈黙。    なんと古酒のような、シェリー酒みたいな味で、全く別物になってしまってたんです。柴田:「がびーーーん! ・・・ちぇー! これ、結構高かったのになー・・・」(しゅん・・・。)M: 「やっぱり白はあんまりおくとダメなんだよ。赤と違ってヘタレるの早いんだと思うよ。    10年超で熟成して美味しくなる白ってあるのかな? それこそK氏に聞いたら?  もしかしたら秘蔵の1本を分けてくれかもよ」柴田:「そうだ! こんな時こそK氏に電話して聞いてみよう!」   (K氏の名誉の為に言っておきますが、普段は製薬会社の 常務かつ学術担当の方ですので、学術の知識も天下一品です。 ワインはあくまでも趣味のはずなんですが・・・(^^))柴田:「今日2000年のH&Vを開けたんですけど、期待してたのに 古酒みたいでいまいちだったんですよー。 古くなっても美味しい白ってあるんですか?」K氏:「うーん、やっぱり白はね・・・。おき過ぎると別物になっちゃいますからねー。 5-6年が飲み頃なん じゃないかな。10年もつ白は少ないですよね。 白を熟成して投資するならシャンパーニュですね。 シャンパーニュなら25年とか30年でいいものになるのもありますよ」柴田:「そう言えば前に連れてっていただいたレストランで飲んだ美味しい シャンパンは2002年ものでしたよね。どうしてシャンパンだと古くなっても へたらないんですか?」K氏:「それは炭酸が入っているからでしょうね。ただ私もそのような 貴重なシャンパーニュはほんの 数本しか持っていませんが・・・」 そうなんだ。やっぱり白で10年超えて熟成が進むものはないのか。柴田:「やっぱり白ではそんなに長期間熟成して美味しくなるのはないんだって」M :「やっぱりねぇ。でもシャンパンでそんな長期間熟成して   美味しいのって超レア品だろうね。 なかなか見たことないもん」柴田:「でしょ。でしょ。K氏も数本しか持っていないって言ってたもん。    それでさぁ。例のラエンネックのお詫びに、そのシャンパン1本で    どうですか?って言ってみようと思うんだけど、どうかな?」M :「あんたねぇ・・・どこまで厚かましいねん。   もう食べ物の事になると関西のおばちゃん丸出しやなぁ」柴田:「う・・・。そっか。やっぱりそれはあかんか・・・」 って事でラエンネックの件のお詫びは、どこかで又お食事でも・・・という貸しになりました。そのK氏は製薬会社の常務と言いましたが、なんと社長はK氏のお母様なんですね。そしてそのお母様は御年80歳位なのですが、もう若くて元気でちょっと普通ではないんです。毎年ボジョレーヌーボーの季節にはK氏の会社が「ボジョレーヌーボーとすっぽん鍋パーティ」という、コンセプトが全く不明なパーティ(K氏曰く、飲む為の口実だとか・・・)を開いて取引先をご招待くださるのですが、その時にお母様にお会いすると、どう見ても60歳位にしか見えません。あれもきっとプラセンタの効果なんでしょうねぇ。クレオパトラも、その若さと美貌を保つためにあらゆる権力と政治力を使ったと言われていますが、彼女が現代に生きていたら、ビンテージシャンパンを持ってK氏の会社の商品を買い占め交渉しているところでしょうね。本当は私の方がおごってもらうのではなくK氏にご馳走して優先的に在庫を分けてもらうようにお願いしなきゃいけなかったのかもしれません。若さと美しさの為にはそれ位の代償は必要なのかも。数千年の時を経ても、人間の考える事はあまり変わってないんでしょうね・・・(^^)。

第130回 (2014年1月)「2014年 再会 」

あけましておめでとうございます! 昨年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。皆様のお陰で移転5周年を迎える事ができ、感謝に堪えません。これからも皆様のお役に立てる治療を開発するため研究に励みますので、今年も何卒宜しくお願い致します。 この通信をお届けできるのは2014年が開けてからだと思いますが、この原稿を書いているのは2013年の年の瀬です。年の瀬となると否が応でもその一年を振り返る事になりますね。ニュースなどでもそろそろ「2013年の10大事件を振り返る」なんてやっている頃です。そんな訳で自分なりに2013年を振り返ってみました。題して「キーワードで綴る2013年」。ちょっと大げさかなぁ・・・(^^)。 ■研究成果 2013年も又、いろいろな実験をしては失敗を繰り返しました・・・。なんとか成功した研究結果として、腫れや効果を調節できるオーダーメイドエセリスカクテル、リフトアップカクテルのアップバージョンである新リフトアップカクテル、涙毛穴を改善する毛穴レスカクテル、腫れにくい顔用メソセラピー、ボディメイクセラピーをメニュー化できました。お試し企画としては新リフトアップカクテルの他、ボトックスリフト・口周りボトックス・脇汗スッキリボトックスを行い、新しいボトックス療法のうちいくつかはメニュー化できる予定です。 ■学会 2013年の学会は国内の美容外科関連の学会と、モナコであった世界抗加齢医学会に参加。 モナコで入手したローズオイルと24金を使って、オリジナル化粧品やマスクパックも作りました。学会では今流行のレーザートーニング・男性&女性更年期・白髪やハゲに関する話が多かった気がします。レーザートーニングはまだまだ技術的に難しく、安易に取り入れられるものではなさそうです。ハゲ注射は目下実験中。モニター試験では少し発毛が認められました。まだフサフサとまではいきませんが・・・。パントガールも導入し、好評を得ています。 ■更年期? 2013年に私自ら「微小血管狭心症」という形で経験。その後豆乳ローション・夢美人・プラセンタ点滴・内服を駆使し、今は落ち着いています。更年期にはやはりそれらが効くんだなあと実感。ストレスが緩和されたのも大きいのかもしれませんが・・・。しかし狭心症のために唯一の運動だった卓球をしばらく休んだため、11月のOB戦では体力の低下も実感しました。今年は少しでも筋トレしてまた卓球を楽しめるようになりたいですなぁ。 ■別れ 2013年春には2年間アルバイトとして頑張ってくれた留学生のHちゃんが卒業、秋には4年半頑張ってくれた韓流B君が帰国。若い人が巣立っていくとは言え、ちょっぴり寂しいですね。 ■出会い 2013年に地球の裏側で出会った人々、その縁でバイトに来てくれるようになったジャニーズ系のM君。イケメンパワーで現在コロコロS君の大のお気に入り。皆様もかわいがってあげてください。 ・・・などなど。書き出せばとても紙面が足りなくなるくらい沢山の思い出や失敗、そして患者様からの励ましやお叱りなどがあり、瞬く間に過ぎた1年です。そして栄えある(?)2013のキーワード大賞は「再会」です。   ■再会 再会は私が異人館通クリニック(当院が三宮に移転する前に北野の異人館通にあった時の名前)を開業した年によく来てくださっていた患者様のO様と十年ぶりにお会いした事です。O様は初めての常連さん(?)でしたが、ご主人の転勤で東京に引っ越されてしまいました。それから10年経った2013年、久しぶりに神戸に来られて当院を訪ねてくださったのです。とても嬉しく、せっかくなので治療はそこそこに切り上げ・・・^^;)・・・懐かしの北野町でご飯をご一緒する事になりました。当時私はクリニックと同じマンションに住んでいた為、仕事が終わればそのまま上の階に上がるだけの気楽な生活でしたし、クリニックも今よりもずっとノドカ?な時期だったので、仕事が終わった後に北野にお住まいだったO様と一緒に深夜まで近所で飲んだ事もありました。・・・あれから10年。私も最近は殆ど北野界隈に行くことはなくなったので、本当に久しぶりです。少し歩いただけでも知っているお店が殆ど無くなっていたのには正直ビックリしました。 ただ、ここはディープな人しか絶対集まらないだろうな・・・というようなコアな店は健在のようです。やっぱり何事も極めなきゃいけないな・・・と思いつつ、食事の後は昔よく通ったバーLに。食事の時はお互いの生活の事とかそれなりに大人な会話をしていた二人ですが、2件目のバーで2杯目が空いた頃には完全なタメ口でタチの悪い女子会状態です・・・(^^)。 O様:「だってさぁ・・・先生。あの頃いたスタッフのPさんってちょっとすごくなかった? なんでこんな人雇ってるの?って正直思ったのよねぇ。先生慈悲深いなぁ・・・って」 柴田:「あ・・・Pちゃんね。う・・・。返す言葉がない・・・」 O様:「それからKさんってまだ来られてる?・・・毎回私の顔の皮は厚いから濃い目のピーリング剤でお願いします!・・・って言ってた人・・・」 柴田:「あ・・・Kさんね。面白い人だったよね。残念ながらこの数年は見かけてないなぁ。」 O様:「あの人って若い彼氏が迎えに来てたでしょ。その彼って実はさぁ・・・」 もう出るわ出るわ・・・まさに歩く三面記事ですな。聞けば聞くほど「ええ! そんな事あったんですか?」ともう可笑しいやら驚くやら。当時のクリニックは今のように個室ではなく、診察室だけが独立していて、待合室では大きなテーブルで患者様に治療後お茶をお出ししてくつろいでいただくというスタイルでした。私は殆ど診察室にいるのでその待合でどのようなドラマが展開されているのかは分からなかったのですが、その大テーブルはサロンのような状態になってたんですよね。今思えば治療が終わってもなかなか帰らない人が結構いたのはその為だったのかぁ・・・。でもどちらかと言うと患者様同士が顔を合わせるよりはライバシーが守られる方が良いと思い、今の場所に移転した時は個室診療に切り替えたのですが、中にはO様のようにサロン談義を楽しみに来ている人もいた訳ですね。   あまりに話が尽きないので場所を変えて老舗のバーMに。カウンターに座ると何か違和感が・・・。「あ・・・やっぱりマスターだ・・・」昔は自分がカクテル作る姿を毎日鏡で見つめてうっとりしているんじゃないかと思うくらいのナルシストだった(そう言えばゲイ疑惑もあったな・・・)マスターが、なんだかすっかり普通のオジサンになってるじゃないですか。O様もそれには気づいたようで、「わぁ・・・ふ・ふけたねぇ」と大声で言った後に「ここのマスター・・・」のところでようやく口に手を当てて小声になったんですが、勿論、時既に遅し。「はぁ・・・老けましたかぁ? お蔭様で・・・苦労してますから・・・」と苦笑のマスター。O様も慌てて、「いえいえ。そんな事ないですよ。男の魅力が増したって感じじゃないですか!」とフォローするも、マスターが後ろを向いた時にはすっかり薄くなった頭を見て「ありゃ! 髪の毛が・・・」と大声で言った後に「残念な状態になってる・・・」と後半だけ小声にしたけどやっぱり効果なし。「聞こえてますよ」とマスターがぼそっと一言。さすがにシュンと反省したO様を横目にマスター自身が話を切り出します。なんでも最近、男性更年期障害になってしまったんだとか。更年期障害って女性だけのものだと思っていたら、男性にもある事が最近の研究で分かり、専門のクリニックもあるみたいですね。「ある時を境に急に自分が衰えてくるのを感じて、それからもうあれよあれよといううちにこんなに老けこんじゃったんですよ・・・」と語るマスター。   確かにねぇ・・・。10年ぶりとは言え、こんなになっちゃうものなのか…と思いつつ、マスターの作ってくれたキリリと冷えたほのかにライムの香りがするニューヨークをショートカクテルで飲むと、10年前の記憶が一気に蘇ります。「あ、この香り・・・この味・・・」何にも変わってないじゃない・・・目をつぶれば光沢のある黒のベストを着たナルシストのマスターの姿がくっきり浮かんできます。アイロンがビッシっとあたった白のシャツに、襟元にはウイスキーの樽をかたどった金のブローチしてたよね・・・昔は・・・。以前何かの本で、人間の記憶を呼び戻すのに最も効果が高いのは、その時に嗅いだ匂いをもう一度嗅ぐことだと読んだ事がありますが、まさにそれですね。O様:「マスターもそれだったら、先生のところでバイアグラ打ったらいいのよ~」柴田:「バイアグラ? うちはその手のクリニックじゃないけど」O様:「あ・・・バイアグラじゃなくて・・・なんだっけ。あ・・・プラセンタ!」柴田:「全然似てないし。一音も同じじゃないし・・・ギャグにもならない」O様:「そんな細かい事気にしちゃダメダメ! 今日は飲もう!イエィ!」と全く疲れる様子もなくはしゃぎまくるO様。結局そのまま朝方まで。う~ん。Oさん・・・あなたには更年期障害は無縁ですな・・・。世の中には色々な再会があるもんだ、と感心した一日でした。(翌日はちょっと辛かったけど・・・^^;)   しかし一口に「再会」と言っても昨今は何も嬉しいばかりの再会とは限らないんですよね。これも実際に2013年に私の知り合いに聞いた話なんですが、彼女の娘さんが短期間だけ学生時代に付き合っていた男性と偶然に街中で出会い、色々と昔話で盛り上がっている内に何度か会って食事などをするようになったそうです。しかし、その後はその男性が夜中に電話してきたり、家の前で勝手に待っているなど変化してきたので「もう会わないで欲しい」ときっぱり断って、電話番号も変えたそうな。そうすると今度は完全にストーカーに変身してあらゆるところに出没してはつきまとうようになり、警察に相談する事になったらしいんです。相手には何メートル以内に近寄らないという約束を警察がさせているそうですが、それでも怖いので今では転職と引っ越しもして、ひたすら目立たない生活をしているそうです。そんな訳でお母さんである彼女もできれば目立たないようにしたいという事で、親子共にFacebookなんかもしていません。最近では警察にもストーカー専門の相談員がいるそうで、かなり多忙を極めているようです。なんでもストーカーになる人っていうのは「相手が自分の事を嫌いになる訳がない。何か良くない考えに固執して自分の殻の中に閉じこもってしまっているはずだから、自分がなんとかして目を覚まさせてあげなきゃ・・・」って思い込んで、ストーカーになってしまう人が多いんですって。一体どうなっちゃってるんでしょうねぇ・・・。あら・・・新年早々なんだかあんまり縁起の良くない話に流れていったようで・・・すみません。   そんなこんなで私の2013年のキーワード大賞が「再会」であれば、2014年の抱負もやはり「再会」にしてみたいと思っています。目指すのは「過去の輝いていた時の自分への再会」です。う~ん。なんかやり過ぎ? ちょっとカッコつけ過ぎてるかなぁ・・・^^;)。まぁ、自分が一番輝いていた頃の「一部」を取り戻したいって事なんです。私はこの歳になって若い頃に戻りたいなんて思ったことはありません。寧ろようやく若い頃を卒業できたのに、あんなに苦痛が多くて将来に不安を持った、迷路のような時代に戻りたいなんて少しも思いません。「青春時代が夢なんて後からほのぼの思うもの・・・青春時代の真ん中は道に迷っているばかり・・・♪」という素敵な歌がありますもんね。(これまた例によって古いなぁ・・・。)なので若い頃に戻るのではなく、今の自分のまんまほんの一部、若かりし頃の良さを取り戻したいと思う訳です。例えば少し体力を付けて卓球のOB戦に出たい・・・とか、外国語の勉強をもう一度やり直して海外に行きたい・・・とか、そんな事です。早い話、これがアンチエイジングなんだとも言えると思います。若い頃にすっかり戻りたい訳ではないけど、今のまま一定の若さは維持したい・・・。いつの時代にでも、そんなワガママな思いを持ち続ける事は許されてもいいんじゃないかと思うんです。 バーMではマスターに、「先生は若いなあ~! 全然変わりませんね。いや、逆に綺麗になったんじゃないですか??」って言われました。お世辞も入ってるかもしれませんが、密かに(やったぁ・・・!)って感じです。最近大学の後輩たちにも久しぶりに会うとよく言われるんですが、これってホントに小さな喜びですよね。誰が何と言ってもこれは日常生活の中で純粋に嬉しい・・・って思える瞬間です。(ま・・・彼らがストーカーになる危険性はまずないし・・・^^;)「え、先生、iPhoneのそんな小さい字、普通に見えるんですか!? 僕なんかこんな離して見ないと見えないんですよ~」マスターはいつの間にか頭が薄くなってたり、お腹が出てたり、ひどい老眼になってたり。余計なお世話なんですが、彼のためにも一肌脱がなきゃ・・・って思ってしまいます。あのカクテルの味は全く変わってないんですから・・・。キリリと冷えてほのかなライムの香り。彼には昔通り、ナルシストでゲイ疑惑のままでいて欲しいですもん。そして私はと言えば、改めてプラセンタ点滴や夢美人・カクテル注射に感謝しました。そして今年もアンチエイジングを広め、皆様のお役に立てるよう頑張りたいと決意を新たにしたのでした。 2014年。「過去の輝いていた時の自分への再会」に、乞うご期待!

第129回 (2013年12月) 「私なりの餞別 」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年は秋があっという間に過ぎ去って、急に冬が来た感じですね。なんだか夏と冬がどんどん長くなって、春と秋がどんどん短くなっていくような気がしますが、皆様風邪などひかれずにお元気でお過ごしでしょうか? 当院では、ちょっと寂しげな秋の日に一つの別れがありました。4年半もの間クリニックで活躍してくれた韓流B君が、徴兵制度のために2年間韓国に帰る事になったのです。日本では戦後の平和憲法制定の後は徴兵制というものがなくなったので、この言葉だけ聞いても何やら物騒な感じがしますよね。最近の韓国の情勢からみんな心配してたんですが、B君は語学ができるので通訳班の試験に合格したようで、幸い最前線には出なくて良さそうな状態になってちょっと安心。2年後にはまたクリニックに帰って来てくれるというので、無事を祈るばかりです。B君との思い出は数限りなくあります。毎月クリニック通信と最新情報をアップしてもらってたので、キャンペーンメニューを一緒に考えた事も多く、4年前の12月のキャンペーンはB君の命名だったね、とか・・・。学会に一緒に行ったり、クリニックの問題を一緒に考えた事もあり、いろいろと懐かしい思い出がいっぱいです。2年後にはきっと鍛えられて、たくましくなって帰って来るのでしょうね。 ただ、話を聞くと軍隊ってやっぱりすごく厳しいようで(そりゃ当たり前か・・・)、通常の訓練ももちろん厳しいんだけど、狭い部屋で催涙弾を投げられて防毒マスクを外すというようなすごい訓練もあるのだとか。2年間で休みは10日ほどしかなく、その他は街にも出られないし、友人にも家族にも会えないそうな。通訳班に行く人は少ないので情報が少ないらしいのですが、週末に少しネットができるくらいらしく、多分本も読めないし勉強もできないし(B君にはこの辺がつらいようでしたが)、もちろんお酒も飲めないそうです。うん。私だったら間違いなくこれが一番つらいな。(毎月何かにかこつけて開いているスタッフとの宴会もできないなんて・・・。)でも私が以前沖縄に行った時は米軍基地の周辺はもう風俗店街なのかと思うくらい飲み屋が沢山あったように思いますし、週末ともなればアメリカの兵隊達がベロンベロンに酔っ払っているところも見たし、酔っ払った上に人身事故を起こしたり婦女暴行とかの事件を起したってニュースもよく聞くんですが、あれはまた別の世界なのかな? いずれにしても、世界のニュースを見ていると平和な国に生まれて良かったとつくづく思います。(そうでなければ美容医療なんていうのも存在しないでしょうしね。) B君の送別会は5回くらいしました。入隊日がすぐに決まらなかったのと、今いるスタッフだけでなく去年アルバイトに来ていた私の大学の後輩たちもB君が帰る前にぜひ会いたいというので、全員が集まれる日がなかなかなかったのとで、何回もする事になったのです。宴会は毎回大いに盛り上がりました。B君はパンとお肉が大好物で、いつもの宴会では他の肉食女子と奪い合いになるのですが、送別会では少しは譲ってもらえたようです。B君とは大の仲良しで一時○モ達ではないかと噂されていたコロコロS君は、B君が韓国に帰ってしまうと分かった当初はショックで立ち直れない様子でしたが、最近は5月からアルバイトに来出したジャニーズ系のM君に心変わり(?)したのか、だいぶ元気を取り戻した様子。宴会ではS君がM君を必ず隣の席にはべらし、めちゃくっついて仲良く飲んでいるせいか、B君がM君を「ライバル」と呼ぶ場面もあり、みんなの笑いを誘っていました。B君もM君も神戸大の4回生で、M君は新米ながら仕事を覚えるのも早いし、イケメンなのでライバルなのかな? それよりもS君を巡ってのライバルなんでしょうか。しかしB君がM君を「ライバル」と呼ぶと、M君はすかさず「お譲りします・・・!」(これにはコロコロS君は「な、なぬー!!」とショックを受けていた様子でしたが・・・。)うちのクリニックのスタッフのうち女子はみんな男っぽく、一番女子なのがS君だと言われているので、そーゆー争い(?)が起こるのかもしれません・・・(^^)。こりゃ沖縄の米軍基地周辺よりも凄い世界なのかも・・・^^;)。 3人以上人が集まれば社会が生まれる・・・という言葉がありますよね。独りっきりで生きていくのは寂しすぎますが、ドロドロした人間関係っていうのも、なんか私は苦手です。ご存知の通り当院は美容皮膚科なので患者様は圧倒的に女性が多いです。他のクリニックをホームページで見たり潜入調査をしても、スタッフの方も大半が女性です。男性がいるとすれば院長一人という事が多く、当院のように院長が女性で男性スタッフが多いというケースはどうも稀ですね。ま・・・私が一番男っぽいので自然とオトコっぽい女性スタッフが増え、バランスを取るために女性っぽい男性スタッフが入って来たってところでしょうか・・・。その為、今の当院にはいわゆる「女だけの世界」というのがありません。「女だけの世界」って何?と言われれば何と定義していいのか分からないんですが、テレビのバラエティでAKB48のメンバーの一人が司会者から「AKB48の皆さんって全員仲良しなんですか?」と聞かれた時、その子は暫く沈黙した後に「いわゆる女だけの世界ですから」と一言だけ答えていました。10代のうら若き乙女の表情が、その時だけは演歌に出てくるような人生の苦酸を背負った40代の表情になったのがとても印象的でした。何と定義していいのか明確でなくても、世の中に「女だけの世界」が存在するのは明白なんですね。移転前の異人館通クリニックはスタッフが全員女性だった時期があり、昔のスタッフから聞いたのですが、その頃はやはり「女だけの世界」があったそうな。(気づいていないのは私だけだったという、なんとも呑気な状況でしたが・・・。)幸いにして今はそのような煩雑な人間関係に気を煩わせる事もなく、治療と研究に専念できるのはありがたい事です。女性っぽいとはいえやはり男性がいると、女だけの世界とは違うんでしょうかね。 そして当院にはB君をはじめ留学生のアルバイトが多いのも特徴だと思います。留学生の子達は日本語というハンディキャップはあるものの、同じ世代のアルバイトに比べると明らかに優秀な事が多いと思います。それに新しい事に対してチャレンジするという意欲を持っていますし、すごく真面目です。(最もそういう素質がなければ海外に留学しようなんて思わないんでしょうけど。)以前のクリニック通信でも何度も書いたのですが、もし留学生がいなくなれば、もうコンビニエンスストアをはじめとしてファーストフードやファミレスなど、アルバイトを中心に回っている店舗は全く成立しなくなるんじゃないかと思うのです。それくらい、いつの間にか日本も海外からの留学生が多くなったんですね。そんな訳で、いつしか私も積極的に留学生や外国人を採用するようになりました。中でもB君は優秀で、ホームページやシステムの仕事をほとんどしてくれていました。B君の存在がさらに積極的な留学生の採用に繋がったのは間違いありません。 さて、私が留学生を面接する時必ず聞く質問があります。それは「どうして日本に来たいと思ったんですか?」です。日本人であれば「どうして当院で働きたいと思ったんですか?」で終わるのですが、留学生ともなればまず、どうしてアメリカとかヨーロッパでなくて日本なの?って自然と思いますよね。そして今まで会った留学生のうち8割位の人が答えたのが「日本のアニメ(もしくは漫画)が好きだから・・・」でした。最初はたまたまそんな子が最近は多いのかな・・・程度にしか思ってなかったんですが、これだけ続くともう「たまたま」ってことはないですね。試しに海外からの留学生のアルバイトを沢山雇っているお店をしている人に聞いても同じ答えでした。私も確かに学生の時は宇宙戦艦ヤマトなどのアニメは好きでしたが、だからと言ってそれに憧れて海外に行くほどのモチベーションになるものとは思えませんでした。最初の頃は、日本の学生よりもはるかに優秀な留学生達の、日本に来るモチベーションがそれまでに見たアニメであったという事に違和感を覚えていたのですが、彼らと接するうちに段々とその事も理解できるようになってきました。私達が学生の頃に憧れた国は、アメリカがナンバーワンでその次がフランス・・・って感じだったと思うんですが、どちらも憧れた理由って何かと聞かれれば、ちゃんと答える事ができないんですよね。結局それは当時見た映画だったり、コカ・コーラのCMだったり、ロックンロールのような音楽だったり、ジーンズを中心としたカジュアルファッションだったり・・・と、小さい頃に受けた「異文化の洗礼」だったような気がするのです。   そうして今度は日本が海外の子供達に異文化の洗礼を授けて、その洗礼を受けた子達が日本に憧れて来日するという事が実際に起きているのです。恐るべき「文化の力」です。まさに何十年もかかる壮大なプランなのかもしれませんが、文化を輸出し、それが認められるという事は何十年も経ってその効果が現れるという事なんですね。子供の教育が国の一番大きな事業だと言っていた人がいますが、今になってようやく解った気がします。 「ペンは銃より強し」・・・銃で人を脅して動かそうとすると、確かに一瞬で効果を出します。しかし脅す事によって一時的に人は動くのですが、恐怖のモチベーションは長続きしません。ところが、文化のような人間の精神に深く浸透するモチベーションは長続きします。そして、誰も強制しないのに、その人がその人の意思で動き出します。文化の創造って凄い事業なんですね。韓国の皆さんにもいつの日か、銃ではなくペンの力で平和が訪れる事になるよう祈るばかりです。何十年、何百年かかるかは分かりませんが、文化を育ててお互いにそれを輸出する事で、それが可能になるような気がします。今と昔は違うので、すぐに戦争になって命の危険にさらされるという訳ではないと思うのですが、どうも一緒に過ごしてきた人が軍隊に入隊するという事で送り出すのは複雑な気持ちになります。   与謝野晶子の有名な詩に「君死にたまふことなかれ」というのがあります。「あゝをとうとよ、君を泣く、君死にたまふことなかれ・・・」から始まる有名な詩で、学生の頃の教科書に登場していたので、ご存知の方も多いと思います。明治時代の軍国主義が横行している時代の詩で、当時は戦争への批判、そして天皇への批判だとして大問題になったと習いました。(これには諸説あるようですが・・・。)ただ、政治批判なのかどうかは別にして、戦場に向かう弟に「死んだらあかん、生きて帰って来て」と言う切実な心情が出ていて、今この時代に読んでも心にしみる格調高い詩だと思います。この詩は1904年に発表されたので、もう100年以上前のものなんですね・・・。彼女も100年の時を経て、こんなに平和な時代が日本に訪れるとは想像もつかなかったのではないでしょうか。中学生の時だったか高校生の時だったかも忘れてしまいましたが、はるか昔に教科書に載っていた詩をこうやって何十年もの時を経て思い出せるというのも、やはり文化の力なんでしょうね。 まぁ・・・私はと言えば「文化」って柄でもないですし、その方面には疎いので、もっぱら仕事の中で何かを伝えようとするしかありません。韓国に帰るB君は眉が薄かったので、最近流行のハゲ注射の研究の一環として、眉にPRPやカクテル注射をモニターになってもらって打ってみました。(私なりのB君への「餞別」です・・・^^;)結果が出るにはかなり時間がかかると思いますが、入隊の2週間前に3回目を打ったので、2年後に会うのが楽しみです。どんな風に生えてくるのでしょうねぇ・・・。郷ひろみのようなゲジゲジ眉になったらどうしよう。(これまた例えが古いか・・・。)入隊前には少し日本を旅行したいと言ってクリニックの仕事を休んでいたB君ですが、最後の注射の日にもホームページの仕事をしてくれて、「やっぱり遊んでるよりここで仕事してる方がいいですね」とも言ってくれました。彼は眉注射後の経過の写真も送ってくれるそうです。でも本当は眉が濃くなってもならなくてもいいんです。ただ、当院のモニターの方には「必ずその後来院して経過を確認させていただく」という約束をしてもらっています。B君にも、この約束を必ず守るようにさえしてもらえれば・・・。2年後、成長して帰って来てくれる事を楽しみにして、B君を送り出したいと思います。是非日本の文化を韓国に帰っても伝えてください。そして、また2年後に戻って来る時は、韓国の文化も持ち帰って来てください。 「君、この約束をたがふことなかれ・・・」くれぐれも元気で、必ず無事帰って来てね!

第128回  (2013年11月)  「昭和育ちですから・・・」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。なんだか急に寒くなりましたが、皆様体調など崩されていないでしょうか? 毎年この季節の変わり目になると書いているのですが、最近は本当にファッションが多様化したのか、変なところで我慢せずに自分に素直になったからなのか分かりませんが、街を行く人の服装は様々ですね。ある人はTシャツ一枚かと思えばある人はもうダウンジャケットなんか着ている人もいますし、サンダルの人もいればロングブーツの人もいます。朝晩になるとコート着てるような人もいますし…。昔は学校や職場が制服のところが多く、衣替えの季節になると一斉に服装が変わるので暦の上での季節を意識する事が多かったのですが、今はそれぞれの「感覚」に任されているので、暑いと思う人はTシャツのまんま。寒い人はジャケットを着てるし、もっと寒い人はダウンを着るって感じなんですね。ビジネスマンもノーネクタイのスタイルが多くなったようですし、そもそもスーツを着ている人も少なくなった気もします。当院でもスタッフの服装は様々で、私なんかもう寒くてタートルを着てるのに、コロコロS君は白衣の下はランニング。しかも襟ぐりと袖ぐりがめちゃ深く、むちむちした体がはみ出して見苦しいので、先日ついにランニング禁止令を出してしまいました。(今月号も登場! コロコロS君。彼がクリニック通信に頻繁に登場する事で最近は患者様から「あ…!あなたがコロコロS君ですね!」と声をかけられるようになり、本人もまんざらではない様子です…^^;) いずれにせよ季節の変わり目は体調を崩す事が多いので、皆様もお気をつけください。 私も夏頃からいろいろとストレスが重なったせいか、ついに先日「胸痛」が出現してしまいました。今までもたまに左胸部がちょっと痛い事があったんですが一瞬で治まっていたし、太ってさえいなければ動脈硬化や狭心症とは無縁だとタカをくくっていたので気にしてなかったんですね。ところがある秋の夕方、「イテテテテ…」と明らかな胸痛が断続的に出現。皆様もそうだと思いますが既往症がない限り、お腹ならともかく「胸(心臓の近辺)が急に痛くなる」なんてめったにないですよね。私も最初は何が起きたのか一瞬理解できない状態になりました。少し治まったところで冷静になって原因を考えてみます。最初に思ったのは誰かが藁人形を使って呪いを私に掛けようとしたのではないか?って事。ま…そんな前近代的な話を今更信じる事もできないし、何しろこんな人のいい私が他人の恨みを買うはずがない…(^^)…と自分で勝手に納得して「呪い」という原因はリストから排除です。(え?そうですよね…皆さんもそう思ってくれますよね??)次に考えたのがしゃっくりのような一時的な筋肉痙攣。ただ、胸筋がこんな感じで痙攣するかなぁ…と考えているうちに又、痛みが何度か襲ってきました。イテテテ…。立ってられない程の痛みではなかったんですが、その状態が診療後も続いたのでさすがにこれはおかしいと思い、久しぶりに病院を救急受診する事にしました。 血液検査や心電図は異常なく、そうこうしているうちに痛みは治まったんですが、循環器内科にいる後輩や知り合いの先生に相談してみると「微小血管狭心症」というものかもしれない、と言われました。 なぬ?! 狭心症? そんなバナナ。狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈に異常が発生し、心筋の虚血(血が行き渡らない状態)のために胸痛や胸部圧迫感などを生じる病気です。ま…一言で言えば典型的な成人病の一つですね。うちは母親が太りすぎによる動脈硬化・高血圧・糖尿病と病気の宝庫で、心筋梗塞を起こしたり大動脈瘤の手術や心臓のバイパス手術までして大変だったのもあり、自分は太らないように気をつけていたので狭心症なんかには絶対にならないと思っていたのですが…。体型で言えば私より自称平成育ちで実は最も昭和なコロコロS君の方がずっと危険なはずやけどなぁ。(クリニック通信登場のおかげで患者様からよく声をかけられるようになったS君は、今日も今日とて一体どうして知ったのわからない昭和初期のヒットソングを口ずさみながら、機嫌良く仕事をしているようです。そのうちクリニックで「買い物ブギ」とかのCDをかけようとするんじゃないかと心配なんですが…。) あ…でもそう言えば天海祐希も心筋梗塞になったし、太っていなくてもストレスが引き金になって心臓病を起こす事は稀にあるようですが、まさか自分がなるなんて。結構神経太くてストレスには強いはずだったんだけど…。逆にそれで体にストレスがかかりすぎたのかな。「微小血管狭心症」というのは冠動脈のCTや血管造影などの検査では写らないくらいの細い血管が収縮して心筋の血行が悪くなり、そのために胸痛が生じる狭心症の一種で、更年期の女性に多いようです。女性ホルモンの変化も原因ではないかと言われていますが、命にはかかわらないのであまり研究されず、実際のところは良く分かっていないのだとか。似たような病気に、もう少し太い冠動脈が異常収縮を起こす「冠攣縮性狭心症」というものがあり、こちらは遺伝も関係しているそうで飲酒制限が必要らしい。ありゃ!? これはやばい。遺伝と言えば母親の遺伝子がありそうだし、もしこっちで禁酒令を出されたらどうしよう。禁酒でますますストレス溜まるやないの!(え?心配のポイントが違いますか?)大学の循環器内科にいる卓球部の後輩がすぐに心エコー検査をしてくれると言うので(持つべきものは体育会系クラブの後輩なのだ)、検査をしてもらいましたが異常なし。「大丈夫やと思うけど、保険のために持っときはったら」と心臓の薬を処方してくれたんですが、その翌日にまた胸痛が出たのでその薬を飲んでみると…効いてしまったんだな、これが。…それもいやですよねえ。(薬が効いて嫌な思いって初めてしたかも…。)それなら念のために冠動脈CTを撮っておいた方がいいと言われ、日時の都合もあって神戸の中央市民病院を紹介してもらいました。 市民病院は救急で受診した事はありましたが昼間行くのは初めてです。知らなかったんですが、最近移転したんですね。行ってみてもうびっくり。新しく綺麗になった病院の1階の広いホールにはグランドピアノの自動演奏。まるでホテルのロビーではないか。私が勤務医をしていた頃からは想像もつきません。時代と共に病院も変わるんですねえ。院内のシステムも自動化されていて、機械で受付をすると携帯電話のような呼び出し機が配付され、順番が近づくと「Aブロック待合でお待ちください」などと呼び出しがかかります。それまでは「院内でお待ちください」となっていて、カフェにいても大丈夫。院内にはTully’s Coffeeやレストランもあり、カフェには中庭に面した広々とした窓があって、病院とは思えない雰囲気です。やっと大きな病院も患者サイドに立つようになってきたか…と感無量。昔は呼ばれるまで受付の前でじっと待たなければならなかった上に、「2時間待ちの5分診療」などと言われたものでしたが。さらに受付の人や看護師、検査の技師さんまですごく親切で、10年前の病院とはえらい違い。昔は大きな病院の受付や看護婦は偉そうなもんと相場が決まっていましたが…。しかし市民病院は神戸の模範病院を目指しているそうなので、おそらくそういう面では神戸で一番のはずで、他の病院が全てここまで患者待遇を良くしているとまではいってないようですが、それでも昔と比べると大きな変化です。だいたい昔は普通の病院は患者待遇があまりにも悪かったという事も、当院の前身である「異人館通クリニック」をオープンしようと思ったきっかけでもあったので、こういう変化が起こってきたという事は私の考えはやはり間違ってなかったんだ…と、ちょっと嬉しくなりました。一応私だって医者の端くれで、勤務医の頃は務めている総合病院のサービスレベルの低さに心を傷めてなんとか改善したいと思ってたんですよ。(ほら…やっぱりこの胸痛の原因が誰かの「呪い」であるはずがないな…^^;) 今回の私のように更年期などの要因で微小血管狭心症なんかになった場合には、日常生活はできるもののなんか体調がおかしい…というような事になります。そのような場合は通常のホルモン投与などを行う事はできないし、恐らく行うべきではないでしょうね。更年期は誰にでも訪れるものなんで、それを無くす事はできなくても「少しずつその状態になるようにしたい」って事だと思います。そうなると通常の病院はやっぱり不得意分野です。プラセンタ点滴などは明らかにいいのですが、更年期障害に対する治療薬ではないので保険対象とはなりません。でもこんな悩みを抱えている人は全国に何万人もいるはずです。そうだ! だったら自分を実験台にして色々と研究をしてみよう!…とそんな考えが沸々と湧き上がってきます。更年期が原因なら、プラセンタだけでなく、夢美人や豆乳ローションが効くかもしれない。早速豆乳ローションを作って試してみました。豆乳ローションはご存知の方も多いと思いますが、大豆に含まれるイソフラボンを皮膚で吸収できる、誰にでも手軽にできる民間療法みたいなものです。すぐには効果は分かりませんが、また結果が出たらお知らせしますね。夢美人や豆乳ローションが微小血管狭心症に効いたら学会発表ものかも?? どうも最近は転んでもただでは起きない方法が身に付いてきたようです…。これも昭和育ちのなせるド根性なんでしょうか。もしよろしければ皆様も一緒に豆乳ローションを試してみませんか? なんかウキウキしながら豆乳ローションを作っている自分がつい「買い物ブギ」を口ずさんでいるのに気づいて、慌てて口を閉ざして周りを見渡しました。どうやらコロコロS君が気づいてなさそうで一安心…(^^)。 昔は病院と言えば古い建物に、待合室ではぎゅっと詰めれば6人は座れる破れた長椅子で診療が始まる前から談笑にふける常連さん?達の姿。受付には患者さんがくれたせんべいのブリキ缶で作った診察券入れ。診察室には「ねずみ色」で見事にトータルコーディネートされた事務デスクと書庫。アルコール消毒液のツンとした匂いに、プライバシーが守れそうにない間仕切りカーテン。薄暗い廊下には切れかけた蛍光灯が灯り、よぼよぼのお爺さんが洗濯しすぎで布がかすれて地肌が見えるような寝間着が半分はだけた格好でトボトボ歩いている横を、強面の看護婦さんがスタスタ歩いてる…っていうのが定番だったんだけどなぁ。(きっとコロコロS君だったら知ってるに違いない。)今思えばなんであんな雰囲気にしてたんでしょうねぇ。ちょっとした工夫でいくらでも変えられるのに、まるでそうしなければいけないような感じで、病院と言えばどこに行っても同じ雰囲気でした。あれでは元気な人が行っても病気になるでしょう…。(まさか…潜在顧客を増やす…それが狙いだったのか? …そうだとすると奥が深すぎる!)   そしてなんと言っても病院と言えば「薬」。飲みきれないほど薬を出されるので「まだ飲み残しがあるから今日は薬は要りません」って断らないといけないくらいです。勤務医だった頃と今の美容の世界で最も大きな違いは処方する薬の量です。美容は病気ではないので薬は必要ないでしょう…と思われるかもしれませんが、病気であっても元気であっても体に何らかの「変化」を促す為のものという意味では同じです。実際に美容の世界では点滴はよく使いますし、プラセンタのような内服薬を使う事もあります。ただ、圧倒的にその「量」が違いますね。実は海外の病院に行くと出される薬の量が全然違うんです。日本ほど薬が出てくる事はまずないと言われています。かつては薬価差益という、薬を出せば出すほど病院が儲かるという仕組みがあったので、大量の薬を出される事に日本人は慣れていたのかもしれません。今では建前としては病院は処方箋を書くだけなので、薬を大量に出す事で儲かるという事はなくなったのですが、それでも個人病院を出たところには必ず身内の方が経営する処方箋薬局があるっていうのが定番です。そんな都合のいいところに第三者の経営する処方箋薬局がありますかねぇ。ありゃ、どうみたってグルですよねぇ…^^;)。(やっぱりこんな本当の話をいつもしてるので、誰かの恨みを買って藁人形だったのかも…。)日本は保険診療制度の問題があって、問診や触診などの単価が極端に安く、診察に時間を取る事ができません。又、保険診療でできる事は厳しく定義されているので、その範疇でできる事と言えば、外科では手術するか内科では薬を出すくらいなんですね。そもそも病院って急に調子が悪くなった人を治療する施設ですから、手術とか、強い薬を出してショック療法みたいな事を行い「生命の危機」からは少なくとも救い出して、後は自分の自己治癒力に任せるというような事が基本になっています。だから「なんとなく調子が悪い」とか「検査では悪いところはないんだけど、どうも体調が変」というような人を治療する施設ではないんです。 今回の私のように更年期などの要因で微小血管狭心症なんかになった場合には、日常生活はできるもののなんか体調がおかしい…というような事になります。そのような場合は通常のホルモン投与などを行う事はできないし、恐らく行うべきではないでしょうね。更年期は誰にでも訪れるものなんで、それを無くす事はできなくても「少しずつその状態になるようにしたい」って事だと思います。そうなると通常の病院はやっぱり不得意分野です。プラセンタ点滴などは明らかにいいのですが、更年期障害に対する治療薬ではないので保険対象とはなりません。でもこんな悩みを抱えている人は全国に何万人もいるはずです。そうだ! だったら自分を実験台にして色々と研究をしてみよう!…とそんな考えが沸々と湧き上がってきます。更年期が原因なら、プラセンタだけでなく、夢美人や豆乳ローションが効くかもしれない。早速豆乳ローションを作って試してみました。豆乳ローションはご存知の方も多いと思いますが、大豆に含まれるイソフラボンを皮膚で吸収できる、誰にでも手軽にできる民間療法みたいなものです。すぐには効果は分かりませんが、また結果が出たらお知らせしますね。夢美人や豆乳ローションが微小血管狭心症に効いたら学会発表ものかも?? どうも最近は転んでもただでは起きない方法が身に付いてきたようです…。これも昭和育ちのなせるド根性なんでしょうか。もしよろしければ皆様も一緒に豆乳ローションを試してみませんか? なんかウキウキしながら豆乳ローションを作っている自分がつい「買い物ブギ」を口ずさんでいるのに気づいて、慌てて口を閉ざして周りを見渡しました。どうやらコロコロS君が気づいてなさそうで一安心…(^^)。

第127回  (2013年10月)  「最大の報酬 」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年の夏は本当に暑かったですねぇ。9月はちょっと涼しくなったかと思えばまた暑さがぶり返したり、急に涼しくなったり、体がついていきませんよね。皆様も季節の変わり目は体調管理に十分お気をつけください。 しかし夏の暑さが厳しいのはここ数年毎年の事で、それが当たり前になってしまいましたね。日本では古来から打ち水で涼をとっていた…なんて話がありますが、今都会で水を撒いても、むっとする暑さがアスファルトから立ち上ってきて、かえって暑さ倍増になってしまいます。そう言えば私が小さい頃はスイカ売りのおじさんがよく来てました。それを買ってもらえるのが楽しみで楽しみで…。冷たく冷やしたスイカを木陰で食べるのは最高だったのですが、昨今の夏では外でスイカ食べようなんて気にもならないですねぇ。もっとも今考えると「冷えたスイカ」を売りに来るという商売があった事も不思議に思います。さすがにあの頃でも各家には冷蔵庫くらいはありましたし、「スイカを冷やすだけ」って事にどの程度の付加価値があったんでしょう? あのおじさん達は今どうしちゃったのかな? 生活できてるのかな…なんて余計な心配をしてしまいます…^^;)。なんか暑さで(?)思考があっちこっちにとんで支離滅裂ですが、「今年は冷夏」という言葉があった事が遠い昔のようです。そのうち学校でも「かつての日本には冷夏という言葉があったのですが、今は使われない死語になりました…」って言うような日が来るのかもしれません。 そんな事で、気持ちを切り替えて今年は、夏は暑い事を前提に新企画を行おう!!と考えました。その一つが8月に実施した企画「脇汗スッキリボトックス」です。当院は皆様ご存知の通り「シミ・シワ・たるみ」を改善する専門クリニックですので、「なんで脇汗対策なの?」と思われた方もいらっしゃると思います。 答えから先に言っちゃいますと、当院に来院されている複数の患者様からの強い要望があって実現する事になりました。以前から申し上げている通り、ボトックスは美容業界のスーパースターですので、学会などでもボトックスに対する研究発表は多く、ボトックスを汗腺近くに注射する事で発汗を抑える事ができるというような話はよく出ていました。その時は「なるほどねぇ…ボトックスも色々な方面に利用されているんだな…」と思っていたのですが、最近はインターネットの普及の為か皆様の情報収集も非常に早く、一部の患者様から「脇汗対策」としてのボトックス注射をして欲しいという熱望?リクエストをいただいておりました。脇汗治療としてのボトックスの利用は事例も多く学会発表などもある為、情報は結構豊富ですし、注射の手技も美容ほど難しいものではありません。(正直に言うと顔の微妙な表情筋をコントロールするような繊細なものではないので、どちらかと言えばただ注射するだけの「簡単治療」だ…と思っていました。ただ、これは安易な考えだったと後日反省する事になりましたが。) そこで当院のコロコロS君で実験をする事に…。S君はよくこのクリニック通信のネタとして登場する、ほぼレギュラー的存在なんですが、今回ほど彼が役に立った事はありません。なぜならば彼は真性の「汗かき」なんです…^^;)。ちょっと動いただけですぐに息を切らして額に汗をにじませるので、最初の頃は「なんて一生懸命仕事をする若者なんだろう…」って感心していたのですが、最近はどうもそういう事ではなく、単に彼が「汗かき体質」であっただけ…という事が露呈してきました。(ま…彼の名誉の為に申し上げますと、一応ちゃんと仕事はしています。ただ、発汗量と仕事の結果が比例していない…ってだけでして…^^;)夏になると当院の研究室ではS君は自分専用のマイ扇風機を常に独占しています。朝来て一番にする事はメールのチェックでもデスクの片付けでもなく、まず扇風機にスイッチを入れて体を冷やす事のようです。そんなS君なんで今回の企画の実験モニターにはもう神様の啓示としか言えないくらい最適の人材です。 そして実際にS君で発汗テストをすると、テストで真っ黒だったコロコロS君の脇がスッキリサラサラになってるではないですか!! ちなみにこの発汗テストって言うのは、汗をかく部位にヨードと澱粉を塗ると汗をかいた部分は黒く変色する性質を使って、どの部分にどの程度汗をかいたかを図る非常に有効なテストです。テストは簡単な割に客観的なデータとなりますので、学会発表などでも利用されている由緒ある?テスト方法なんですが、なにしろ見た目がグロテスク…です。写真に撮ると凍傷などで体の一部が壊死した時のような感じに黒く写ってしまうので、前回の美容情報で写真を掲載するのは非常にためらいました。(実際にあの美容情報を送った後には、いつもより多くの皆様から「配信停止依頼」が来てしまったので、やっぱりグロ過ぎたかなぁ…と少し反省しましたが…)ま…そんな見た目の問題はともかく、あの汗かきのS君ですらこんなに効果があるんだから、これは結構凄いじゃないか…一部の患者様も待ち望んでいる事だし、夏が終わる前に実施しなきゃ…って事で、8月の企画メニューとして実施したのです。 ただ実際に多くの患者様に行ってみるとかなり大変でした…^^;)。治療前後に発汗テストをして、その方に合った薬剤の適量を測るのはいいアイデアだと思ったんですよ。しかし、まず発汗テストがS君のようにスムーズに行かない。院内はクーラーが効いているので汗が引いてしまった…と言われる事も多く、暖房を入れたり腹筋してもらったり、汗を出してもらうのに一苦労。(なんだか「一体何しているんだろう?」…って感じですね。)それでも出ないので外を歩いてもらったら、今度は汗が出すぎてテストの薬が流れてしまい、やり直しになったりするハプニングも…。そんな事をしていると実際に打つまでにめちゃめちゃ時間がかかってしまいました。そしていざテストが終わり、注射の部位にマーキングしようとすると汗でマジックがつかず、数十本のマッキーがダメになってしまったり…。今度実際に注入する時も一苦労。脇汗ボトックスは、汗腺に信号を出す交感神経のアセチルコリンをボトックスでブロックして汗を止める方法なんですが(通常交感神経の神経伝達物質はアドレナリンなんですが、汗腺は特殊で交感神経支配なんですが伝達物質はアセチルコリンなんですね)、汗腺は皮膚の浅い所(表面から2-3mm)にあるので浅く打たないといけないんです。今使っている針は一番短くて4mmなので、針を曲げて浅く打たないといけないので結構手間がかかります。両脇で100箇所くらい打つので、もう注入が終わった時は腱鞘炎になりそうでした…。いろいろと苦労した脇汗ボトックスですが(お試し企画を受けていただいた方には時間や手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした…)、一応脇の汗はかなり減って喜んでいただけたようです。中にはアンケートの他にも詳細なレポートを書いてくださった方も。ありがとうございました! しかしこれをメニュー化するにはクリアしないといけない事がたくさんあって、一筋縄ではいかなさそうです…。今後また検討したいと思います。 かつての医療業界では患者様に「こんな治療方法があるそうなんでやってくださいよー…」って提言されて実施してみる…なんてあり得なかったのですが、最近は情報が本当に豊富になってきたので、時には患者様の方が詳しい情報を持っておられたりしてこちらがタジタジになる事もあります。最近では「テレビでヒートショックプロテインっていうのが紹介されていたのですが、紫外線で傷ついた肌はそれで修復されるのですか?」って質問されました。最近はホントにテレビでもいろんな情報を出しているのですねぇ…^^;)。ヒートショックプロテインというのは、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現して細胞を保護するタンパク質の事です。最近はヒートショックプロテインを増やす美肌方法がテレビやネットなどで盛んに謳われているようです。簡単に言うと熱いお湯にお肌をつける事でお肌の細胞を保護するタンパク質を増やし、傷んだお肌を修復しようという方法です。実際にその効果はマウスの実験でも確かめられています。マウスの皮膚は人間の皮膚にかなり近いため、肌の変化の実験には最適です。実験方法も極めて明快でして、マウスを37度のお湯に10分つけたグループと42度のお湯に10分つけたグループに分けて、その後に紫外線を浴びさせて肌の老化(シワの出来具合)を計測したところ、42度に10分つけたマウスでは殆どシワの生成がされなかった…という事です。 タンパク質は熱を加えると縮む性質があります。この性質を利用して、皮膚の深層の部分に熱を加えて引き締め効果を出そうというのがサーマクールという高周波治療器です。サーマクールは高温にするのでタンパク質が変性し、修復の過程でコラーゲンが生成されるとも言われていますが、一旦組織に損傷を与えるので良くないという意見もあります。そこまで高温にしなくても42度程度まで温度を上げると、細胞を保護するタンパク質が生成されて肌をハリのある状態にキープでき、その後紫外線をかなりの量浴びてもシワはできにくいという事なんです。実際にこれは動物実験でも検証されているのでやってみる価値はありそうですね。ただ、42度のお湯に顔を5分つけるのって勇気が必要かもしれません。実際には結構熱いですよね、42度って。ネットでの情報では、顔をつけなくても体を42度のお湯に10分つけるだけでも全身にヒートショックプロテインの効果が出ると書いてあるところもありますが、それが本当なのかは現段階では私には情報不足で分かっておりません。(普通に考えると効果はかなり落ちるような気がしますが…。)よく温泉につかってお肌がツルツルになった…っていう事で温泉の成分を粉末にして入浴剤として売っているところがありますが、本当は温泉の成分は関係なく、単にヒートショックプロテインが出てお肌がツルツルになるのかもしれませんね。(温泉ってやたらと熱いところありますからねぇ…。ただ、熱いお湯につかるのは美容には効果があると思われますが、心臓疾患を持っている人には良い入浴方法とは思えないので、自分の体調とよく相談してチャレンジしてみてください。) ただ、こういう話ってテレビのネタにはぴったりなんですが、学会とかで臨床試験の発表をしている人は殆どいないようです。恐らく理由は「それでは商品化できない」からだと思います。基礎実験というものは商品にできるかどうかに関係なく、マウスなどを使って論理から得られる結論を実証する事に価値がありますので、基礎の段階までは確かにこのような実験は盛んに行われます。ただし、その後の臨床試験になると「なんらかの商品化が見込まれない臨床試験は誰もやりたがらない」っていうのが実情のようです。医師倫理はもっと気高く尊厳であるべし…って事なんですが、実際には臨床試験をするにも時間とお金がかかるので、製薬メーカーや医療機器メーカーの研究サポートがなければなかなか臨床試験はやれないものなんですね。「洗面器に42度のお湯をはって5分間顔をつけてシワの改善がされたかを検証する臨床試験」ではどの会社もサポートを申し出てくれないのは間違いないです…。残念ながらこれが現実です。 ただ、当院は「シミ・シワ・たるみの専門クリニック」と標榜している限り、お金になるかどうかには関係なく、本当に綺麗になる事であれば取り入れていかない手はありません。この美容の世界には「お金にならないが効果は高いと言われている民間療法」っていうのが沢山あります。例えば、ホエイ(乳清)を使ったシワ治療や、豆乳ローションを使ったスキンケアや更年期障害の治療などです。なかなか誰もやりたがらない分野ではあるのですが、このような民間療法の検証もこれから進めていきたいと思っていますので、今後モニター試験などで皆様にご協力を仰ぐ事もあるかと思いますが、その際は是非ご協力いただければと思います。最終的に「美しくなる」という目的の為に安全で効果の高い治療方法を探し続けていきたいと考えています。 思えば子供の頃に売りに来たスイカ屋さんも「ただ冷やしただけじゃん…」て言ってしまえばそうなんだけど、それを楽しみにしている人がいるって事は立派な付加価値なんですよね。スイカ屋さんも生活苦しかったかもしれないけど、子供たちの笑顔が楽しみで我慢して売りに来てくれてたのかもしれません。「ありがとう」って言葉が最大の報酬なのは今も昔も変わらないんだな…って思います。

第126回  (2013年09月)  「ミッション・インポッシブル・・・怪しげなクリニックからの生還 」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。まだまだ日中は暑い日が続いていますね。本当に体調管理が難しい季節です。皆様は夏バテなどされてませんでしょうか? 夏バテ予防と言えば、日本ではうなぎを食べるというのが古くからあった習慣だったのですが、昨今はうなぎの乱獲から価格が急騰しているというニュースをよく見かけるようになりました。一説によるとあと何年かするともう庶民はうなぎを食べられなくなるのだとか・・・。鯨肉のように「昔は小学校の給食に出るくらい普通に食べていたのにねぇ」ってな事になるのかもしれませんね。それにしてもこれだけ科学が発達して、深さ何千メートルもの深海のドロを採取してそこにはレアアースが100年分含まれている・・・なんて調査ができる時代に「うなぎの生態が良く分かってないから人口孵化ができない」っていう事が不思議ですよね。つい最近まで「日本うなぎ」はいつどこで卵を産んで稚魚は何を食べて大きくなって、どうやって日本に戻ってくるかが全く分かっていなかったそうです。ただ最近の粘り強い調査で、「どうも産卵はマリアナ諸島沖の海らしく、産卵から孵化までわずか1日半しかないので、天然の受精卵を見つける事は極めて難しい」という事が分かってきたそうです。  ・・・って、すいません。この辺はすべてネット情報の受け売りですので、もしご興味ある方はご自身でこの続きはお調べいただくとして、このお話は「色々な調査や研究は常に続けていかねばならないし、続けていけばいつか花開く時が来る」って自分に言い聞かせているという事につながる話の「枕」でした・・・^^;)。 ちょっと無理のある枕から本題なんですが、そんな事で私も研究室での研究だけでなく、世の中でどのような治療が行われているのかという情報収集や、クリニックのサービス向上という目的の為、他院に患者として出向く潜入調査を行っています。数ヶ月前のクリニック通信でその潜入調査の一部を書いたところかなり多くの反響があり、シリーズ化して欲しい!!・・・というご要望もいただきましたので、今回も潜入調査のご報告をしようと思います。題して「ミッション・インポッシブル・・・怪しげなクリニックからの生還」! 今回の潜入調査の対象はメソセラピーです。メソセラピーとは脂肪溶解注射とも言い、皮下脂肪に薬剤を注射する事で脂肪が吸収されやすい状態を作り出す一種の部分痩せ方法です。ダイエットをすると確かに痩せるのですが、胸など落ちて欲しくない部位の脂肪は容易に落ちるのに、下腹や二の腕など落ちて欲しい部分はなかなか落ちない・・・って経験ありますよね。メソセラピーでは落ちて欲しい部分の脂肪に薬剤を注入しておく事でその部分の脂肪から消費されるようにする訳です。なので一般的な食事制限や運動によるダイエットと併用する事で最も効果を出せる方法になります。 まずはホームページを熟読し、いくつかクリニックをピックアップして電話で問い合わせをしてみました。「痛いですか?」「何箇所くらい刺すんですか?」「何日くらい腫れますか?」「1回でどれくらい効果がありますか?」などなど聞いてみましたが、なかなか受付で的確に答えてくれるところはありません。おそらく受付の電話対応をする人は電話対応の仕事しかしていないので、マニュアル通りの受け答えはできても実際の治療内容とか状態は分からないのでしょうね。手前味噌で恐縮ですが、この点はうちのスタッフは施術にも付くので内容も解かっているし、電話でも患者様の聞きたい事にかなり的確な答えが出せてるのではないかと思いました・・・(^^)。 潜入調査は匿名で行わねば本当の治療の実態が分からないので、慎重に身元を隠して行うスパイ活動です。時としてそんなスパイも身の危険にさらされる事があります。「今回の調査対象はメソセラピーである。ただし例によって君もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。成功を祈る。なおこのテープは自動的に消滅する」(ここでミッション・インポッシブルのテーマソング♪♪)まぁ・・・死ぬことはないにしても、実際に現地に行くとやっぱり緊張します。別に悪い事をしている訳ではないと思うんですが、身元は隠すので何か後ろめたい気もするし・・・。受付でジロジロと見られた時は「あ・・・バレたか?」って妙にヒヤリとする事も・・・。 実際にいくつかのクリニックに行ったのですが、今回は実際に「ヤバかった」クリニックについてレポートします。「○○式注入法」と院長独自の注入方法を謳っていた○○クリニック。(今回は本当にヤバイので、イニシャルも控えさせていただきます。)ここはホームページが比較的理論的だったのと、「院長独自の方法」「注入時の痛みはほとんどありません」という記載に引かれて行きました。夜9時まで開いてて年中無休というのも行き易く、そこはポイントが高い。メソセラピーについて問い合わせてみると、独自の注入方法というのは「ナパージュ法」だとか。私が2005年に韓国へメソセラピーの研究に行った時に見た「ナパージュ法」というのは、針で皮膚表面をひっかくように浅く打つ方法です。そんなんで脂肪溶解注射が効くのかな?と思いながらいろいろ聞くと「細かく打ちますが、痛みは針を刺す時の痛みだけです」「腫れは多少、2~3日」「頻度は月1回くらい、必要回数・効果は人による」との事。クリニックが終わってからでも行けるので夜に行ってみました。「う・・・ん。なんだか微妙に寂れた感じで哀愁が漂うなぁ・・・この辺は・・・」周りも暗くて場所が判らない。何回か電話してやっと古びたビルを探し出しました。エレベーターを上ってクリニックに入りましたが、ガランとしてて人の気配がない。問診票の紙も古くて赤茶けているし、なんか心配になってきました。ホームページと全然違う印象。(やっぱりプロがホームページ作ると凄いんですね。以前にめっちゃ綺麗な旅館のホームページを見て実際に行くと全く違った雰囲気でがっかりした事を思い出しました。) 先生の診察の前にナースのカウンセリングがあり、それがまた長い。メソセラピーは8回も必要と言われました。(8回もしないと効果が出ないって、どうなんですかね?)PRPやFGFの事も聞きましたが、ナースはFGFというものも知らなかったし「PRPはボコボコするのであまり良くない」と。PRPだけでボコボコするなんて聞いた事ないけど・・・。メソセラピーよりも脂肪吸引をしつこく勧められ、あまりにも説明が長いので「先生の診察は受けられないんですか?」と言うとやっと先生が登場。逆に先生の説明はあっさりしたもんです。しかしやっぱり脂肪吸引を勧められました。(脂肪吸引ってのは皮下に太いバキューム針を入れて「ズボボボ」って脂肪を物理的に吸引する訳ですから確かに部分痩せの効果は一番高いのでしょうけど、これはれっきとした外科手術なので、麻酔などは専門医がやらねば危険です。でも専門医が麻酔をかけてるクリニックは非常に少ないのが実情・・・。それに体内には大きな血管が何本もありますから、吸引の時に間違ってそこを吸ってしまうと血管が破れて一気に出血します。実際に脂肪吸引の失敗で出血多量で死亡した医療事故も過去に起きています。そして費用も注射で行うメソセラピーと一桁違います。まあ、私だったらまず受けたいと思いませんね。)先生にメソセラピーの薬の内容を聞くと「フォスファチジルコリンとアミノフィリンと・・・オリジナルのカクテルです」・・・ん? アミノフィリン?韓国でのメソセラピーに一時使われていた薬ですが、もともと喘息の薬で、私もいろいろ調べたんですがどうしてそれが脂肪溶解に効くのか不明だったので、買ってみたものの使うのをやめた薬です。どうしてその薬を使うのか聞いてみたかったんですが、あまり詳しい事を聞いて身元がばれてもいけないので、取りあえず二の腕に受けてみる事にしました。掌1枚分で30箇所も刺すと言うので、1枚分を両腕に分けてもらう事にしました。 がらんとした手術室に案内されましたが、最初から最後まで先生とさっきのナース1人のみ。どうやら先生とナースの2人でしているクリニックの様子。広い手術室でいきなり「上脱いでください」と言われる。ガウンをかけられ、手術台に乗せられました。勤務医時代は手術室に毎日のように出入りしていましたが、手術台に乗るのは初めてだったのでちょっと不安な気持ちに・・・。実際に打ってもらうと、ナパージュ法とか「独自の○○式」とかいうのは何なのか分からず、普通にブスブス何箇所も針を刺すだけの打ち方でした。これって単に針刺す箇所が多いだけ? 20箇所ずつ位刺したのですごく痛かったぁ。掌1枚分にして良かった・・・はぁ・・・^^;)。注射の後、打ったところを冷やしてしばらく寝てる時間があったので、先生にPRPやFGFの事を聞くと、先生はさすがにFGFの事は知ってましたが、「PRPやFGFはボコボコするのであまりお勧めしません」との事。「PRPだけでもボコボコするんですか? PRPにFGFを混ぜるとボコボコする事があるって聞きましたけど・・・」と言うと、「そうですね。でもPRPだけでもボコボコする事はありますねえ」と、シワ・たるみにはフェイスリフトを盛んに勧められました。(よっぽどこの先生は手術が好きなんでしょうか・・・ブラックジャックも真っ青?・・・^^;)「ボトックスリフトはどうですか?」と聞くと「ボトックスは半年で切れるからねえ。半年で10万円は高いでしょ? フェイスリフトなら30万から100万で一生もちますよ」(それはないでしょう・・・と私の心のつぶやき。)フェイスリフトが一生もつなんていうのも聞いた事がありません。最近はフェイスリフトやフェザーリフトも2-3年で緩んでくるという意見が学会でも主流です。それに加齢と共に全体の皮膚はどうしても弛んでくるので、引っ張ったところと妙なアンバランスが生じてきます。「あ・・・あの人整形手術してるね」って判る芸能人の顔になると言えばイメージできるでしょうか? どっちにしてもすごく手術をしたいようで、古びたビルにひっそりとある手術室の無影燈が鈍い光を放つ、ちょっと怪しげなクリニックだったのでした。 さて翌日。二の腕は見事なくらい真っ赤に腫れ上がってしまいました。おまけに痛いし痒い。2~3日経っても引かないので本気で心配になり電話で問い合わせると、「冷やしといてください」とかなり安易な返事。「アレルギーかもしれないので」と先生に薬の内容を聞くと「フォスファチジルコリンとカルニチンを少しと、アミノフィリンと局所麻酔です」との事。1週間ほどで赤みは引きましたが、今度は注射をしたところがボコボコになってきました。3週間経っても痒みと痛み・ボコボコは引きません。もう一度問い合わせると、例のナースが出てきて先生は電話口に出してくれません。症状を伝えると、「そうやって脂肪が解けていくので、それはいい副作用だと思ってください」うん?「いい副作用」ですか?・・・うまいこと言うなあ。これは座布団1枚!! それはさておき、先生に直接聞きたい事があると言うと、「先生は今手が離せないので明日になりますが、どういうことを聞かれたいかをお聞きしておきます」と言うので、アミノフィリンをなぜ脂肪溶解注射に使うのか、どういう作用があるのか、他のクリニックではあまり使ってないみたいだけど・・・とつい正直に答えてしまいました。ナースは「他のクリニックでは使ってないんですか?」と初耳の様子。アミノフィリンっていうのは、10年ほど前に韓国からメソセラピーが入ってきた時に使われていた薬で、元々気管支を拡張させる喘息の薬ですが、代謝を良くするとか血管を拡張して脂肪の排出を良くするとか言ってメソセラピーに使われていましたが、心筋を刺激して心拍出量を増やしたり血圧を上げたりする作用もあるので、気分が悪くなったりする副作用もあり、最近はほとんどメソセラピーには使われていない薬なんですね。「必ず引いてきますので、1~2週間様子を見てください。先生のお返事は明日になりますが」と言われ、一旦電話を切りました。   その後忙しくてすぐに電話できず、3日後くらいに電話すると先生が電話口に出て来たので「どうしてボコボコになるんですか?」と聞くと「それは炎症ですねえ。サービスで薬を多めに打ちましたから。効果を出すためにね。うちは効果を最も重視してますから」うん?「サービスで多めに打った」?・・・上手いこと言うなあ。座布団更に2枚!!(ちなみにこの座布団の下りが解らない方は気にしないでください。解った貴方は青春を昭和の時代と共に過ごした証です・・・^^; )しかし炎症が1ヶ月も続くかいな。「必ず治りますから様子を見てください」と言うので「どれくらいで治りますか?」と聞くと「あと1ヶ月くらいで引いてくると思いますよ」・・・って、ナースという事ちゃうやん! それにトータルで2ヶ月もかかるん? そんなん「いい副作用」とか言うてられへんよねえ。そして「アミノフィリンって喘息のお薬ですよね?どうして脂肪溶解注射に使うんですか?」と聞くと、「アミノフィリンは使ってませんよ」・・・な、なぬ??治療当日と、前回の電話で2回ともアミノフィリンを入れたって言ったくせに。「え? 先生、2回ともアミノフィリンっておっしゃいましたよね?」というと「いや、アミノフィリンは使ってませんよ。フォスファチジルコリンです」・・・なぬ?なぬ? 「フォスファチジルコリンとカルニチンとアミノフィリンっておっしゃいましたけど」と言うと、「アミノフィリンではなくてヒアルロニダーゼです」・・・そんな事今まで一言も言うてへんかったやん!「先生、確かに2回ともアミノフィリンっておっしゃいましたけど」と言うと「いえ、ヒアルロニダーゼです。あ、あのぉ・・・貴方は薬剤師の方ですか?」・・・おっと危ない・・・スパイの身元がバレる危機だ! 映画だったらボスが目で合図して下っ端が出口のドアを締めて周りを取り囲むシーンですな。「あ・・・いえ、アレルギーかなと思ったのでネットで色々と調べたんですけど・・・」と言うと、「使ったのはアミノフィリンではなくてヒアルロニダーゼですよ。カルテ見て言ってますから。カタカナって聞き間違える事も多いですしねぇ・・・よく似た名前多いですから、薬には」「そっ・・・そうなんですね・・・解りました」そこで電話をおいてバレなくて良かったと胸を撫で下したのもつかの間。「・・・嘘つけ!なんちゅうやっちゃ!」・・・と怒りがこみ上げて来ます。 そこでハタと気付きました。しまった!相手に作戦を練る猶予を与えてしまったようだ。きっと私が電話してから3日間、必死で調べたに違いない。そこで最近はアミノフィリンはあまり使われてない事を知り、最近よく使われているヒアルロニダーゼにすり替えたんだろう。しかし患者があまり解ってないと思って、嘘つくなんて許されへんやっちゃ! え?それは考えすぎでしょう?って思いますか?でもですね・・・その後ホームページを見ると「○○式メソセラピー」と自信ありげに書かれていた文言が削除されていたんです!! これって偶然でしょうか? こりゃますます怪しいじゃないですか。美容クリニックって本当にいろいろなところがあるので、気をつけないといけませんね。  ・・・ってな訳でその後の経過なんですが、メソセラピーの本来の目的である部分痩せの効果はほぼ見られていません。そしてまだ痛みも痒みも、ボコボコも残っている状態です。おそらくこのボコボコは数ヶ月で治るとは思うのですが・・・(っていうか、そうあって欲しい。)スパイってのは危険な任務なんですねぇ。本当は他にもメソセラピーの潜入調査をしたので皆様にもレポートしたいんですが、今回は紙面の関係からこの一件だけにして、別の機会にまたミッション・インポッシブルシリーズ(?)として紹介する事にします。 何事も「人の振り見て我が振り直せ」なんですが、私もこのような事がないように常に新しい知識を入れ、自分自身を戒めていかねばならないと思った貴重な体験でした・・・。

第125回  (2013年08月)  「何事もバランスなんですね 」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。もうすっかり真夏の暑さが続いていますね。この時期の外出には日焼け止めをお忘れなく! ま…日傘なしでは外出すら難しい季節ではありますが。天気予報によれば今年は7月が一番暑く、8月の方が暑さはマシになるんだとか…。ホントなんでしょうかね? 天気予報って、当たればラッキーって考えておかないと結構期待を裏切られる事が多いので、「そうなればいいな…」って程度に考えておく事にしましょう。勿論、天気予報だって昔から研究されているし、莫大な費用を天気予報の為に政府も使っているので、全然当たらないって訳ではなく、当たらなかった時の悔しい思いの方が記憶に鮮明に残るので「天気予報って当たらない…」って思うのかもしれませんけど。   あてにならない…と言えば、前評判は凄いのに大したことない…って事も、この美容業界にも結構あります。その昔は「コエンザイムQ10クリームの大流行」というのがありました。このコエンザイムQ10が登場した時なんか、もう一種の社会現象のようで全くこの材料が手に入らなくなり、私もあらゆるツテを使ってようやく少量だけ材料を集めてコエンザイムQ10入りクリームを提供したところ、瞬く間になくなってしまうという、当時は大人気のクリームでした。ドイツでの臨床試験で、コエンザイムQ10入りクリームでシワが薄くなったという報告が新聞に載ったために人気がブレークし、市販でもいろいろなメーカーからコエンザイムQ10クリームが山のように新発売されました。ただ、その効果はというと意外にも…??…だったようで急速に廃れ、今では大ブレークの頃に比べると表舞台から消え去った感じがあります。よく調べるとドイツでの臨床試験のクリームのコエンザイムQ10の濃度が0.3%だったのに対し、日本で化粧品に認可された濃度は1/10の0.03%だったので劇的な効果が出るはずもなく、「前評判の割に」大したことないな…ってところだったんだと思います。(当院では高濃度のコエンザイムQ10を処方化粧品に配合しているのでそれなりにまだ人気もありますが、市販化粧品の濃度の上限を超えているので薬扱いとなり、市販はできません。)それに比べると市販化粧品ではもう古典とも言えるビタミンCなんか、当たり前になったとは言え、やはり美肌や美白の効果は非常に高く、特にビタミンC誘導体が出て来てからは、ほぼ万人に効く美白剤の地位を確立していると言えます。長い歴史の中で淘汰されて残ったものは、やはり本物が多いって事でしょうか。 前評判の割に…と言えば、最近韓国で一大ブームになっている「水光注射」というのがあります。最近は日本でも行なっているクリニックもあるようなので、興味のある方はネットで「水光注射」で検索してみてください。4月に行ったモナコの学会でも、お肌がツルツルになる全く新しい注射という事で随分売り込まれていました。これは柔らかいヒアルロン酸を細かく浅く広い範囲に打つ方法で、ヒアルロン酸の保湿力を利用した美容法です。ヒアルロン酸はその体積の数千倍もの水分を吸収して保持する力があると言われていますが、そのヒアルロン酸をお顔全体に注入する事で、ヒアルロン酸が体の水分を吸収し、みずみずしくプルプルのお肌になるという理屈です。例えて言えば高野豆腐の細かいものを肌の下に敷き詰める事で、高野豆腐が水分を吸収してプルプルになる…って感じでしょうか…。(高野豆腐って例えが古すぎ? ゼラチンって言った方が良かったですかね…^^;) ちょうどその頃、知り合いの業者さんがその注射用の機械を輸入したので試してみませんか?というので早速試してみました。 確かにこの機械は今までの単純な注射装置と違って、一工夫してあります。注射をする時にバキューム装置が働き、お肌を吸い上げる状態を作った上で、そこに細かい5本セットの針を一気に差し込んで少量のヒアルロン酸を定量注入できるようになっています。しかも殆どドクターの手技を必要とせず全自動化されているので、誰でもできるというスグレモノです。 ただ、バキュームで皮膚を吸引して針を刺す方が痛みが少ないという売りなんですが、バキュームが切れて針が抜けるのに時間がかかるので、注入にやたら時間がかかる。その上、機械が重くてずっと持ち続けているだけでもかなりしんどく、終わる頃にはヘトヘトに…。こらあかん。 その機械には5本一度に刺せる針がついてるので、針だけ使われへんかな、と針のサンプルをもらって試したんですが…これまた吸引しないと切れが悪くて刺さらない。これやったら普通に打った方がましちゃう?と手で打ってみたんですが、ヒアルロン酸を細い針で細かく打つのは大変で、しかもあまり効果が出ませんでした。 ヒアルロン酸というものは何か体に作用を起こす薬剤ではなく、単純に水分を吸ってそこに留まってくれるという素材なので、顔全体をプルプルにしようとすれば細かく全体に百箇所以上も注入しないとダメなんですよね。顔全体に注入するので注入後は顔もかなり赤く腫れますし、痛い割には効果も人によってかなりバラつきがあるようです。若い人には結構効果があるみたいですが、残念ながらお年を召した方はそもそも皮膚がたるんでいる事もあってプルプルにはなり難い…っていうのが実態でしょうね。韓国の美容って若い人が気軽に行くという感じなので、若い人を中心に人気なんだと思います。やはり中年以上の方はお肌そのものを再生させて自分自身のヒアルロン酸を増やすような成長因子(FGF)やPRPを注入した方がはるかに美しく仕上がるようです。…てな訳で前評判の割に…という事で、この水光注射は当院のメニューになる事は今のところ無さそうです…^^;)。 話は変わりますが、この成長因子(FGF)のお話を少しさせてください。当院の中では恐らく一番人気の、エセリスカクテル・オーダーメイドエセリスカクテルというメニューがありますが、これらはエセリスというヒアルロン酸とプラセンタやビタミンにFGFを混ぜて、シワやクマに注入する事で自分自身の持っている肌細胞の再生能力を活性化して、シワやクマをかなり劇的に改善する治療方法です。このようにFGFというのは体に大きな作用をさせる薬剤なので、考え方によってはステロイドみたいな劇薬と言ってもいいと思います。その為、使い方を誤ると変な形で再生機能が働いてお肌がボコボコになったりする事があるんですね。当院でも他のクリニックでFGFを注入し過ぎてボコボコになった方が「なんとか綺麗にして欲しい!」と来院されるケースも最近は増えています。そんなFGFですが、美容の領域だけでなく、今流行りの再生医療の分野でも当然活躍しています。再生医療と言えばノーベル賞に輝く山中先生のiPS細胞にすっかり話題をさらわれていますが、iPS細胞はまだまだこれから研究を重ねなければならない分野なのに比べて、FGFは完全に実用化されているバリバリの現役選手です。 FGFと言えば、1月の学会で知り合ったエネルギッシュな京大のT先生(クリニック通信第120回参照)の研究室にお邪魔する機会がありました。「一度時間作って、研究員の方と一緒に京都に来てくださいよ。DDS(ドラッグデリバリーシステム)の話しますから」と言われたので、当院のゆるキャラ系コロコロS君を連れて行こうとしたら、他のスタッフや留学生たちも「一緒に行きたい」と言い出し、4人も連れて行くことになりました。 行くからにはチンプンカンプンではT先生にも悪いので、事前にDDSの勉強会を行いました。DDSというのは以前の通信にも書きましたが、ゼラチンから作ったゲルにFGFなどの細胞増殖因子を混ぜて、体内で細胞増殖因子が徐々に放出されるようにし、細胞移植の治療効果を高める方法です。(それから院内ではDDSという言葉が大流行。DDS=デブでダメなSちゃん、ブタでダサいSちゃん…と、留学生たちはコロコロS君をからかっていましたが…面白くない? すっかり内輪ウケのネタですいません…m(__)m。)当日はT先生の話術に引き込まれ、DDSにまつわるいろいろなお話を2時間以上していただいて、とても勉強になりました。その中で実験のヒントになったのが、FGFとヒアルロン酸の話。ゼラチンハイドロゲルはFGFと相互作用力がある(なじみが良い)のでFGFの効果が高まるらしいのですが、ヒアルロン酸もゼラチンハイドロゲルに比べると非常に弱いけれども相互作用力があるらしいのです。そうか!うちのエセリスカクテルがメソカクテルに比べて効果が高いのはそのせいだったんだ。最初はクマやシワが早くふっくらする方法はないかと思ってメソカクテルにヒアルロン酸を混ぜてみたんですが、少量混ぜるだけでも思った以上に効果が出るので不思議に思ってたんですが…。それなら、と新しい注射の構想が次々浮かんで来てきました。また新しく、よく効く注射が開発できたらお知らせしますね。乞うご期待!!   さて、当院の患者様は勿論日焼け対策をされていると思いますが、最近は子どもたちにも紫外線をあまり浴びさせるのは良くないという事で、学校のプールに紫外線を遮断するテントを設置したというニュースが載ってました。時代は変わるもんですね。私が小学生の頃に誰が紫外線対策なんて考えてたでしょうか? 子供は夏になれば真っ黒に日焼けした方が健康的って考えられていましたが、最近はすっかり紫外線の害の方が認知されるようになったのです。ただ、その一方である学者さんが言っていましたが、日焼けをしている人としていない人では圧倒的に日焼けしていない人の方が自殺率が高いんだそうです。恐らくその原因は日差しに当たっている人の方がビタミンDが体内で生成される事によってクヨクヨと悩む事が少ないからではないか…という事でした。(ビタミンDは外部の食物からも吸収されますが、通常は体内で生成されます。その生成を促すには、太陽の日差しを皮膚に当てる事が重要なのです。)確かに失礼ですが、自殺する人って色白でなよっとしている方がイメージが合いますね。真っ黒に日焼けしたスポーツ選手と自殺ってのはどうも合わない気がする…。森田健作(古い!?)とか、自殺と程遠いイメージ。ちょっと不謹慎かな…^^;)。 何でも物事は片面だけを見ててはダメだ…って事でしょうか。FGFも使い過ぎるとお肌がボコボコになる危険性があるので、ある程度の量に制限する必要があって、その加減が非常に難しいのです。それに成長因子も打てばいいってもんではなくて、成長因子が組織を活性化する力を発揮するには、体全体が健康な状態であることも重要だと思うので、食生活を含めて健康を維持するというのも美容には非常に大切だな…って実感しています。その為に当院ではプラセンタ点滴などの併用をお勧めしています。ホントに何年やっても人間の体って不思議で解らないことが一杯あるのですが、何事も「バランス」というものが重要なんだな…って思うんですよね。天気予報でもあまりにも沢山の要素があって、そのバランスの中で天気が決まるので、なかなか的確な予測が難しいんだと思います。でも難しいなりに研究を進めた結果が今である訳なので、諦めずに一つずつ解明していく努力は、少しずつであっても報われると信じています。これからもまだまだ精進努力していきますので、皆様のご支援を何卒よろしくお願い致します。

第124回  (2013年07月)  「目指せ! センター」

こんにちは。 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。最近は梅雨だというのに雨はなかなか降らず、近畿地方は真夏か?と思うくらい暑い日が続いたり、一体どんな季節になってるんでしょうね。全く予測のつかない気候の変化の中ではありますが、皆様におかれましてはどうぞ体調管理に気をつけていただき、元気でお過ごしくださいませ。 さて「予測がつかない」と言えば…AKB48の総選挙で「さしこ」事、指原莉乃がトップ当選となり次の新曲のセンターになることが決まったそうで、総合プロデューサーの秋元康もこれは全くの想定外で非常に驚いたとか…。…っていきなりの話の展開に驚かれました? クリニック通信のネタに困って無理に若者の話題に乗っかろうとしている訳ではないのですが、これだけ連日Yahooニュースに載ってるとさすがに目に留まります。この前、同級生との会話の中で「なんか毎日AKB総選挙の話がニュースになってるけどあれ何なん?」って聞いたところ、いい年をしたオジサマAが満面の笑顔で「さしこ」さんの今までの遍歴を延々語りだしたのにはもう驚きを超えて驚愕…この人こんな人だったけ??…^^;)まぁ…細かい事は分からないのですが、今回のAKB総選挙から学べる事は、人生には不遇な事があってもじっと我慢をして潔く自分を反省し、自分を信じて努力を続ければまた認められる日が来るんだ…っていうありがたいお話でした。(なんか自分に言い聞かせているようで最後はちょっと涙目だったような気がする…大丈夫かな…Aさん…。)いづれにせよ不遇の時があっても自分を信じて努力するといつかは報われると信じる事は大切な事ですよね。 とっても手前味噌で恐縮なんですが、この7月で当院も移転5周年を迎える事ができました。移転を決めた直後はもう七転八倒のトラブル続きで、移転をしようと決めた自分がなんて馬鹿なことを考えたんだ…って腹立たしいやら情けないやら…という思いもしたのですが、とにかく自分で決めた道を信じて愚直に進んできた結果、皆様のお陰でなんとか5周年を迎えることができました。本当に感謝カンゲキ雨嵐です。(誤字ではありません…あしからず…^^;)古くから来ていただいている皆様はご存知だと思いますが、今の場所に移転する前はハンター坂を登って、山本通り(通称異人館通り)の交差点のところにあるマンションの地下一階でひっそりと開業しておりました。三宮の駅から真夏の暑い日差しの中でも、大雨の日でもハンター坂を登って来院してくださった皆様には本当に申し訳なく、もっと便利なところに移転したいと考えていました。又、当時は美容クリニック業界のトレンドが効果や安全性よりもラグジュアリーな雰囲気を追求するような風潮が蔓延した事に嫌気がさして、研究所兼クリニックを交通の便利のよいところに心機一転して作りたいと考えました。その時は本当にそんな事をして大丈夫だろうか…という思いもあり、医療系コンサルタントの会社に相談して三宮近辺を調査をしてもらったりしたのですが、「神戸の三宮は全国的に見ても美容クリニックの超激戦区です。かなり苦労されると思いますが…」と渋い顔で釘を刺されたのを思い出します。 でも自分で決めたからにはやるしかない。そんな気持ちで現在の場所に移転したものの、想像以上に「激戦区」でした…。(人の話は素直に聞くもんですねぇ…ホントに…^^;)私が異人館通クリニックを開業した頃は美容系のクリニックは確か神戸に6件程度しかありませんでした。ところが今はこの狭い三宮地区だけで40件以上もあるんですねぇ。私も三宮に移転する時に「真に安全性と効果が認められる治療以外は行いません!」と宣言しただけでなく「神戸一コストパフォーマンスの高いクリニックを目指します」とホームページに一文を加えました。そして実際に他のクリニックのメニューと価格を調べて、神戸では一番コスパの高い治療内容と価格に改定しました。…それから5年。今でも神戸で最もコスパの高いクリニックを目指すという目標は意識していたのですが、最近はチェーン系の美容クリニックも多数できた為、ある治療が極端に安く、当院よりもずっとコスパがいいのではないか?…と思われるケースが出てきていました。それらのクリニックのホームページを見ると、確かに安い! なんでこんなに安いの?? って不思議になります。このままでは当院が掲げているコンセプトが嘘になってしまいます。そんな訳で今回は私自ら覆面捜査官となり、激安クリニックに潜入捜査第二弾を実行する事にしました。今回こそ美容クリニック業界の裏事情を暴く必要があるのだよワトソン君…って訳で、前回の調査では見事に私だという事が見破られてしまった(クリニック通信第102回参照)ので今回は身分を隠し、慎重に潜入調査をしました。ただ最初にお断りしておきますが、当院と競合するメニューの中で他のクリニックが極端に安いケースがあるのはボトックス注射のみでした。この通信でも何度も書きましたが、ボトックスは殆どの人に効果があり、しかも安全性が高く即効性もあるという美容業界のスーパースターです。人間の体は不思議なもので、同じ薬剤を使い同じ方法を試みても、ある人には効くがある人には全く効かないとか、逆に副作用ばかり出る…って治療法も少なくありません。ところがボトックスはほぼ万人に効果が出る優れものです。ただし、効果と言えば聞こえはいいですが、言い方を変えれば確実な変化を出すものですから、思ってもみない変化になる事もあるのです。通常、思ってもみない変化の事を「副作用」とも言います。 そんな訳でホームページで激安ボトックスを謳っており、当院より安値の医院をいくつかピックアップ。実際にどうしてそんなに安くできるのかを確認して来たのでした。 まずは最大手のS美容外科クリニック。ここはボトックスの通常料金は神戸で一番安い。目尻や顎はRegenoxで4500円、ボトックスビスタでも9800円。いや…確かにこれは安いです。ボトックスの原価って皆様が想像されているのよりずっと高いんですよ…^^;)。それを考えると、この価格でできるなんてどうなってんだろう??って感じです。電話すると当日に予約が取れました。待合は長椅子が5脚と大画面のTV。美魔女ビデオが流れています。説明書入りファイルに番号が書いてあり、番号で呼ばれる。そんなに患者数が多いのかしら? 今時は患者様が溢れている総合病院でもそんな事はしないけど。合理的というか何というか…。最も安いRegenoxをお願いしたものの、なんだかんだと言って高い方のビスタを勧められる。これはかなり意志が強い人でないと押し切られてしまうでしょうね。それから高いレーザーの治療をかなりしつこく勧められました。すべて断ると諦めてその場でボトックスを実施する事に…。処置室には最初から決まった量の薬剤が入っている注射器がおいてあって、マーキング(注射を打つ場所に印を入れる事)も何もなしでいきなり注射されちゃいました。(あぁ…って言ってる間に注入完了。)術後経過観察はないので次回の来院は不要だそうです。ここでは1週間で全く変化がない場合は1回の追加注入は無料だとの事。これは綺麗にならないとか思ったようにならない…ではなく「全く変化しない」場合だけだそうです。先程も書いた通り万人に効果が出るボトックスを注射して全く変化しないケースは私も見たことがないです。必ず変化はします。ただ、それが期待している綺麗な変化かどうかが問題なんですよ…ワトソン君。私が「以前にボトックスをした事があるんですが、効き過ぎたので少なめにしてもらえないでしょうか?」と言うと「少なめにする事はできますが、その場合は追加は有料になります」って事でした。フム…そりゃちょっと初めての患者さんには危険じゃないの? 案の定というか2、3日後つっぱって話しにくいし、食べにくい。どうも上(口に近い部分)に打ちすぎたようだ。顎の梅干ジワは上の方だけ効いて二段になり、その横に以前にはなかったシワができてしまいました。眉間とかじゃなくて顎にしておいてよかったぁ…^^;)。 その次の潜入捜査はやはり大手のS美容外科。ここは韓国製のニューロノックスの初回は1000円という驚きの価格。通常でも8800円。ボトックスビスタだと初回9800円、通常21400円。ビスタの価格はうちとそう変わらないな…。ただ目玉であるはずのニューロノックスをお願いしようとすると、事前のナースのカウンセリングでビスタを盛んに勧められ、「先生と相談して決めます」と言うと院長も「ニューロノックスは効きすぎたり効かなかったりばらつきが非常に大きいので勧めない。やってみないと効果は分からない」…と。(私はそこまで差はないと思うのだが、普通の人はここまで言われるとビスタを選ばざるを得なくなるでしょうねぇ…。ここでも安いニューロノックスは単なる客寄せのために置いているって感じ。これってお一人様一箱限りの激安ティッシュペーパーみたいなもの??)実際の治療はここでも定量注入。少なめにすると効かなくても追加はしない。処置室には注射器に吸った薬剤が用意されていて、やはりというかマーキングもせずいきなり注入です。注入前の写真も撮らず、内出血以外の副作用の説明もなし。そして、治療後経過観察もなく、はい、さようなら…って感じ。(私が一番安いメニューしかしなかったからなの??)しかも、少なめにしてって頼んだのに間違って通常の量を打たれてしまったようだ。激安ボトックスってやっぱりやっている内容は似たようなもんなんですね。他にもいくつかのクリニックに行きましたが、きちんとしていると思ったところはわずかでした。 今回潜入調査をしたクリニックの激安ボトックスの治療の進め方は当院とは全然違います。当院ではまずカウンセリング前にボトックスの詳細な説明書を読んでいただいた後、メイクを落としてもらって診察し、効果の出方や副作用について説明した後、眉が上がった方がいいのか上がらない方がいいのか、よく効く方がいいのか効き過ぎない方がいいのかなど仕上がりの好みについてもお聞きして注入方法や注入部位を考えます。ボトックスは表情筋を動かしにくくする薬剤なので表情ジワには非常に効果がありますが、効き過ぎると額や眉間に打った場合は眉や瞼が下がったり重くなったり、逆に眉がつったり、目の周りに打った場合は笑いにくくなったり微妙に焦点が合いにくくなったり、たるみが目立ったりという副作用もあって、効きすぎた場合は通常1ヶ月前後待たないと落ち着いてこないので、注入量は初回は少なめにし、10日から2週間の間に来ていただいて効きが悪ければ無料で再注入します。同じ注入量でも効果の出方には個人差があるので、過去にボトックスで効き過ぎて困ったという方は当院で使う通常の量よりもさらに少なめにしますから、他のクリニックより初回の注入量はかなり少ないと思います。 治療当日も洗顔してメイクを落としていただき、表情を作った時と作らない時の写真を正面・左右斜めなど何方向からか撮り、注入部位に印を付けて再度写真撮影をします。それから注入量を計算し、薬剤の用意も私がするので治療には結構時間がかかります。大手のように誰にでも同じ量を看護師が用意しておいてドクターが次々打つ…という訳にはいきません。表情筋の走行には個人差があるので、同じ部位に注入しても効果の出方に差がありますから、注入部位に印を付けて写真を撮り、注入2週間後の診察時にも写真を撮る事でその方の効果の出方の特徴が判ります。(マーキングって下手な人が手元が狂わないように予め印をつけているんじゃないんですよ…^^;)。)額に注入して少し眉が上った場合などは、それが嫌な方は修正もできますし、注入部位の写真を残しておく事で、2回目の注入時には前回の注入部位よりも少し外側に注入するなど、微調整をする事ができます。追加注入をした場合はその2週間後にも診察に来ていただき、効き具合を見て写真撮影をします。次回の注入時に前回の効き具合を見て注入量を調節するためです。面倒ですが、そうする事によってその方に一番合った綺麗な仕上がりにする注入方法を確立する事ができるのです。写真も撮らない、術後診察もしない、誰にでも同じ量を注入する…という治療の仕方では、一人一人に合った綺麗な仕上がりは望めないと思います。しかしこういう事は実際に比較しないと分かりませんし、こういう情報を公開する事も大切なのかなと思いました。 まぁ…こう書くと「そりゃ…あなたのクリニックだからいい事だけ書いてるんでしょ。ちょっと宣伝っぽいよ。」って言われると思うのですが、クリニックの治療方針によって値段の差が出るという事だけはどうしても書きたかった次第です。勿論、すべてのクリニックが安かろう悪かろうであった訳ではないです。ちょっとこれは強敵だぁ…と思ったKクリニックを最後に紹介します。そこの院長はS美容外科に以前勤めていた先生です。ホームページには「美容外科クリニックで、ホームページに載っていた料金と、実際に行った時の料金が違った事はありませんか? 希望もしていない高額な治療を勧められた事はありませんか? 当院は料金は一律で、押し売りはしません」というような事が載っています。うむ…。これはS美容外科がそうだったという事だな…わかる、わかる。私も勧められました…(^^)。あまりにも安い大手の美容外科では、ホームページの安い料金はあくまで客寄せのためで、それを見て行っても別の高い治療を勧められる。でもそれは、実際に行った人か内部の人にしか分かりません。S美容外科は「低料金の秘密」として、人件費や材料費は他のクリニックと変わらず、宣伝広告費を削って口コミで来てもらってるからだと謳っていますが、大量に薬を使うので材料費は買い叩いているという事は業者さんからよく聞きます。人件費は若い医師を雇うので安いはずだし、本当は相当な金額の宣伝広告費を使っているのは誰が見ても明らかなんだけど…。 さて、Kクリニックは新しくて綺麗、眺めもいい。私の予測に反して先生はとても親切で、診察も丁寧です。ボトックスはビスタしか使われていませんが、韓国製のものとの違いを聞くと、韓国製のものは少し効果にばらつきがあって、もちもビスタの方がいいような気がするとは言うものの、大手のドクターのように完全に否定はされませんし、押し売りもされません。「いつも効きすぎるので少なめにして、足りなかったら追加していただく事はできますか?」と聞くと快く「いいですよ」と。「追加の料金は要りますか?」「いえ、大丈夫です」なんと、良心的ではないか! 通常の量を聞くと当院よりもだいぶ多い気はしましたが、副作用についても聞くといろいろ教えてくださいました。そしていざ注入。ここは先生が注射器に吸った薬剤を持って来られました。「ちょっと多目には吸ってますけど、これより少なくしますので」ナースが用意するのではないようなのでちょっと安心。「Sでは量を間違えられたようなんですけど、あそこは先生は薬を吸いませんよね?」というと、「ああ、あそこは吸いませんね」…やっぱりそうか。ナースが定量を用意してドクターはそれを打つだけのようだ。Kクリニックはわりと良心的できちんとしているし、注射後に炎症を抑える薬を塗ってくれたり、内出血が早く引くクリームをくれたり、先生がお見送りまでしてくれて、見習おうと思うところもいろいろありました。あ…これ以上、ライバルを宣伝してはいけないな…。絶対に負けないように頑張りますので、柴田美容皮膚科クリニックを応援してください!! ただそんなKクリニックですが、私が行った時はガラガラだったんですよねぇ。上記の大手クリニックはいつも混んでる感じだったのに。やっぱりみんな中身が分からないので宣伝広告がうまいところにいっちゃうんでしょうか…。こういう情報を公開すればもう少し「ボトックスが効き過ぎて困った」と言う方が減るんじゃないかな、と思った次第です。そんなこんなで移転5周年を迎えることができた事を、この場を借りて深く御礼申し上げます。何年たっても初心を忘れる事なく、自分の信じた道を邁進して行くつもりです。いつか総選挙で神戸美容界のセンターをフライングゲットできるように頑張ります!…(^^)

第123回 (2013年06月) 「地球の裏側での出会い 」

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。ちょっと前まで寒い日もありましたが、最近は結構暖かくて夏日に近い日もありますね。都心のビアガーデンは例年よりも一ヶ月早く営業を開始したのだとか…。なんだか春を通り越して一気に冬から夏になるような気がして少し寂しい感じもします。コートをしまおうかなと思っていたらいきなり暖かくなって薄着になるので、春物のセータとか着る機会がなくなっちゃいそうです。このままだと一年中タンスの中で眠っているのではないか…と思う事しばし。ただ、暖かい気候もゴールデンウィークにはプラスに働いたようですね。今年は本当にお天気に恵まれ、震災の影響からも立ち直ってきたせいか、アベノミクスのおかげなのか…行楽地や海外旅行は例年になく活況だったと聞いています。皆様の中にもゴールデンウィークは海外で過ごされたという方も多いと思います。私はゴールデンウィークは4月に学会でお休みさせていただいた事もあって前半はすべて診療とし、後半のみお休みさせていただきました。後半の休みは前半の疲れが溜まってヘロヘロだったので、1日だけ大学の後輩たちの卓球の試合を応援に行ったらバテてしまい、その他の日はお家でゆったりと露天風呂で過ごさせていただきました。   以前にも書いた事がありますが、我が家にはベランダに人目を偲んでひっそりとパーソナル露天風呂があります。ところがその露天風呂のお湯をいつも快適に保ってくれていた24時間風呂の「遊湯倶楽部」君が、この冬とても風の強い日にお風呂の中に水没してしまったのです。水を抜いて数日乾かしていたのですが復帰せず、御臨終かと思ったのですが最後の望みをかけてメーカーに修理を依頼。その結果、見事に復活を果たしたのでした。そんな訳で3ヶ月程我が家の露天風呂は放置され、荒廃してしまったため内張りを張り変え、やっと連休前に新品同様元気になってまた私に癒しを提供してくれるようになったのでした。もうこの露天風呂があれば遠くに旅行に行きたいなんて思わなくなっちゃうんですよねぇ。今度は「遊湯倶楽部」君を大切にしなきゃ。あ…そんな話はどうでもいいですね…^^;)。話を戻すと、勤務医だった頃はゴールデンウィークには海外旅行に行きたいというような願望も元気も?あったのですが、最近はお家でゆったりが一番…って思うようになったのも年のせいなんでしょうか。それでもこの1-2年は海外の学会に参加するようになって、少し海外旅行の勘も戻ってきたような気がします。そんな訳で、今回の通信は先月に引き続き4月に行ったモナコの学会の珍道中について書きたいと思います。前回も書いた通り、モナコはお金持ちが多い国なので、何しろリーズナブルなホテルがなかなか見つからなくて困っていました。こういう事で困った時はもうK氏に相談するしかない!(K氏はこの通信ではおなじみですが、ご存知ない方はクリニック通信第21・22・33・57回をご覧ください。)毎年フランスのプロバンス地方に一ヶ月も滞在するK氏だったら、きっと良いアドバイスをくれるに違いないと思って聞くと、さすがK氏。ほぼ即答です。 「じゃあ先生、エズに泊まったらいかがですか? モナコまで車でも15分くらいですし、エズはいいですよ! シャトー・ラ・シェーヴル・ドールのテラスは地中海が眼下に広がって、どこにも行きたくない…って感じになりますから。そこでのシャンパンの1杯は飲む価値がありますねえ。シャトー・エザのレストランも良かったですよ。でも小さなホテルだから地中海が見下ろせる席は4つくらいしかないので、早めに行ってシャンパンでも飲みながらあそこの席がいい、ってレストランが開くまで粘った方がいいですけど…」え…エズ?…ですか。そんな地名聞いたことないけど。それにただでさえリーズナブルなホテル探してるのに、シャトーなんちゃら…ってそんなところに行って本当に大丈夫なの? まぁ、その時は「フムフム」って感じで電話を切って、早速インターネットで検索です。なんでもコート・ダジュール(南フランスのイタリア国境近く、ニース付近の風光明媚な保養地として知られる地中海沿岸を指すらしい。…なんて、皆様はもうご存知ですよね。)の村で一番有名な村がエズらしい。しかもその中でも一番有名な2軒のシャトーを両方制覇しているとは…さすがK氏。 しかしK氏お気に入りの「トリップ・アドバイザー」という海外のホテルやレストランの口コミサイトを見ていると、シャトー・ラ・シェーヴル・ドールは結構酷評が載っています。レストランがべらぼうに高く、座った途端に1万5千円以上するシャンパンとキャビアのセットを勧められたりするのに、サービスはめちゃくちゃ悪いとか…。こ、これは聞き捨てならん。早速、またK氏に電話です。すると、「あ…あいつらまだそんな商売してやがるのかぁ! 実は僕も昔痛い目にあいましてねぇ。食事は高いですけどそれなりに納得感あるものなんですよ。ただその後勧められた1杯のカルバドスが、食事のトータルの値段より高かったんだな…」食事はコースで120ユーロくらいだったらしく、K氏はいつもシャンパン・白・赤と頼むので、食事代は3万は下らないはず。…っちゅうことは、1杯のカルバドスが3万円以上???お、恐ろしい…。以前にお気に入りのチーズがネットショップで格安で出ているのを見つけて喜んで注文したら、送料が2000円もして激怒した事があるのですが、それに匹敵する(?次元が違うかな…)ボッタクリじゃないですかぁ。ただ、K氏のエズに対する評価は非常に高く、言葉によるロマンチックな風景の描写と、「一生に一度は体験した方がいいですね。そうでないと人生を後悔するかもしれませんよ」という一言にすっかりその気にさせられてしまった私は、とりあえず位置的にはモナコに近いのでエズの安いホテルを取り、シャトー・ラ・シェーヴル・ドールは避けてシャトー・エザでランチだけでも…って事にしました。 ところがシャトー・エザでのランチの日はあいにくの大雨でめちゃ寒く、山の上のシャトーまで登るのが大変。せっかくの眼下に広がる地中海も一部しか青くなかった…。その上、そこに行くために泊まったエズのホテルが最低! 安かったけど前払いで、お風呂の水はけが悪く、「部屋を変えてくれ」と言っても「無理だ」と言うし、何と言ってもフロントが8時から12時と16時から20時までしか開いてないので不便でしょうがない。そこからタクシーでモナコの学会会場まで通った方がモナコのホテルに泊まるより安いと思ったのが大間違い。タクシーを頼むとホテルとぐるになったようなタクシーばかりでめっちゃぼったくられるし、平日の朝は大渋滞。時間はかかるし渋滞を回避するとかで遠回りされてタクシー代は帰りの1.5倍から2倍。二度とエズには泊まらないぞ! 「エズはいいですよ」なんて、K氏の嘘つき~! まぁ…モナコの人にしてみれば「そんな人は来なくていいよ」って事かもしれませんが、セレブへの道はまだまだ遠いなぁ。(一応K氏の名誉のために申し上げますと、確かに自然は素敵で絵葉書の写真のような景色です。天気の良い時に、とっても素敵な方にエスコートされれば一生の思い出になるのは間違いないでしょうね。いつかセレブの仲間入りをした暁にはリベンジしてやるぞ!) そしてその日のランチは、私達以外にお客さんは一組しかいなくて、その一組は優雅な熟年のご夫婦でした。その奥様が同行した韓流B君の事が気になったらしく、声をかけて来られました。(B君はなぜか本当に熟年女性にモテるんですよねぇ…。旅行中はここだけでなく、結構色々なところで声をかけられていました。しかし、見事に熟年女性ばかり…。そう言えば普段からあんまり若い子にモテてるって噂は聞かないな…。ま、当院は熟年の患者様が多いので、本人の思惑はどうであれ、そちらの方がいいんですけどね…(^^)。)「日本の方ですか?」「好青年ですわね~」と、とても上品なご婦人です。話を聞くと日本の開業医のご夫婦で、同じ学会に来られたそうです。(「学会は口実でして、ヨーロッパ旅行がメインなんでございますのよ…フフフ♪」とご夫婦で微笑んでいらっしゃいましたが…。う、羨ましい。)お二人はエズではK氏がカルバドスに3万円取られたシャトー・シェーブルドールに2泊、モナコでは一番高い「オテル・ド・パリ」に3泊されるという事でした。(ひゃぁ…それだけで100万くらいかかりそう! あら…今回はなんかお金の事ばかり言ってますねぇ。下世話で失礼しました…^^; )会話もウイットに富んで、上品な可愛い奥様と、この上なく優しそうなご主人でした。素敵な年の取り方だなぁ…って、ちょっぴり羨ましいやら微笑ましいやら。私のテーブルではふと前を見ると、育ち盛りのB君が出て来た料理に「美味しい!美味しい!」を連発し、明日の荷物持ちのためのエネルギーをガツガツ補給していました。ま、若い時はこれでいいんですよね…(^^)。 肝心の料理の味ですが、美味しいのは美味しいんですが「とびきり」って訳ではなく「まぁまぁ」って感じです。ただ、このような素敵な出会いがあるのは、食事の枠を超えた旅の楽しみですね。 出会いと言えば、学会2日目のお昼にモナコの眺めのいいレストランに行くと、その前でもB君がベルギーから同じ学会に来たというおば様に声をかけられました。その人はブリュッセルのクリニックで働いていて、そこのドクターが発表するので手伝いに来たそうで、和食が好きで相当なグルメのようでした。相席しようと誘われて、ここは魚のスープとレモンパイが美味しいんだとか、魚のスープに付いてるパンにサフランマヨネーズを付けてスープに浸して食べるんだとか、いろいろ教えてくれました。この人はドクターではないんですが、やっぱり優雅で人生を楽しんでいる…って感じの人です。勿論、食事の話だけでなく文化の話や仕事の話なども面白く、なんて言うか人間として魅力的なんですね。ヨーロッパに行くと普通に就職して仕事をしてる…っていう人でも、こんな感じの人が結構沢山いるんですよねぇ。何なんでしょうね、この違いは…。地球の裏側で普通に生活していたら絶対に出会うことができなかった人と、ふとした事で出会うというのはとても不思議で刺激的です。勿論、日常生活の身の回りにも素晴らしい人はいるんでしょうけど、その素晴らしさに気付かないのかもしれません。旅行などで違う世界と違う環境で出会う事で、その人の持つ別の素晴らしい面が見えてくるのかもしれませんね。   そんな事で出会いは大切にしなきゃ…って思うのですが、今回の旅で一番大きな出会いは、もしかするとモナコの日本人エステシャンTさんかもしれません。前回の通信でも、そのTさんに神戸大学に通っている甥っ子を紹介してもらうという話をしましたが、なんとその甥っ子M君が本当にクリニックにアルバイトに来てくれる事になったんです。ここだけの話ですが、M君は賢いだけじゃなく、かなりのイケメンで結構可愛いジャニーズ系なんです。これで熟年層限定で人気のあった韓流B君が取り込む事のできなかった若奥様層のニーズもガッチリ押さえることができるかもしれない…ウフフ♪。興味ある方は是非M君に会いに来てやってください。(なんか怪しげなお店の宣伝のようになってしまっているが…。まぁ、いいか。アベノミクス効果が出る前に準備しておかないとね。)しかしなんだか当院のコロコロS君までもがM君の虜になっているようです。これもここだけの話ですが、どうもS君は女性よりも男の人に興味があるのではないかというもっぱらの噂が…。(今日はここだけの話と言いながらクリニック内の暴露話が続いてしまったので、この辺でやめておかないと…^^;) ところでそのM君は、最初は「クリニックのアルバイトに興味があるので話を聞きたい」という事で見学に来たのですが、その日にクリニックの留学生達と一緒に飲みに行って意気投合。そのままアルバイトに来ることになりました。しかし話を聞くとゆとり教育の真っ只中だったそうで、両親も中学・高校の運動部も全然厳しくなかったとか。体育会系のうちのクリニックでやっていけるかちょっと心配だったのですが、「出勤までに読むように」と資料をどっさり送ると、しばらく返事がありません。ますます心配になってTさんにメールしてしまいましたが、その直後に返信があり、頑張って資料を読むとあったので一安心。Tさんからも「妹夫婦がわがままに育てているので本人も言っているように厳しさ知らずです。ただ、小さい頃からとても優しくって、目標を持ってそれに向かう姿勢は、叔母である私が言うのも何ですがとても前向きです」という返信がありました。まだ学生だし教えないといけない事も多いと思いますが、「目上の人からのメールはできるだけ早く返信し、返信をもらったら必ず返信して自分のメールで終わるというのは社会に出たら礼儀であり常識なので、気をつけてね」と書くと、「すみません。以後気をつけます」と、それ以降は速攻で返信が来るようになったので、学習能力は十分な様子。今後の成長が楽しみです。それにしても、日本から何千キロも離れた地球の裏側でたまたま行ったエステで、たまたま私の担当になったエステシャンの方の甥っ子がたまたま神戸の大学生で、彼がクリニックに興味を持ってくれてアルバイトに来る…というような繋がりに人生の不思議を感じずにはいられません。皆様も「今から考えるとあの時の偶然がなければ今の自分は存在していなかった。なんであの時にあんな事にたまたま遭遇したのだろう?」って経験ありますよね。これからもどこでどのような出会いがあるのか分りませんが、人との出会いはまさに一期一会。その出会いを良いものにするのか、見過ごすのかはその人次第。私と当院の患者様との出会いも何かの縁ですので、この縁を大切にしていかねばならない…と改めて考えた次第です。これからも皆様と共に歩んでいけるクリニックになるよう、一層の努力をしていきたいと思います。